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グレッグ・イーガン, 山岸真 / ハヤカワ文庫SF (48件のレビュー)
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短篇 「キューティー」をぜひ。 「二万年前に惑星コブナントに移住し、聖ベアトリスを信奉する社会を築いた人類の子孫たち。そこで微小生物の研究を始めた敬虔な信者マーティンが知った真実とは?ヒューゴー賞・…ローカス賞を受賞した表題作、バックアップ用の宝石を頭のなかに持った人類の姿を描いた「ぼくになることを」ほか、遙かな未来世界や、仮想現実における人間の意志の可能性を描く作品まで、多彩な魅力あふれる11篇を収録した日本版オリジナル短篇集。」続きを読む
投稿日:2023.12.01
ゆん
イーガン二冊目、引き続き読みやすいと評判の短編集を手に取りました。読めば読むほど、イーガン好きだなあと思いました笑。とりあえず次は『宇宙消失』を読もう。 イーガンを調べている中で、最近「文藝」で特集…が組まれたとのことで、その刊読みたいな~と思っていたところ、あれこの表紙は…と家にあることが判明笑。特集の一つにアニメ平家物語があって、それで買っていたんですね。今年一年ハマった平家物語から、イーガンにバトンが渡されたような、そんな気がしました。2023年はイーガンイヤーになるのかな? イーガンは日本で謎に人気が高いということで、え~こんなに面白いのに、、と思いつつ、英語でおすすめSF記事を探すと、イーガンがあげられてるところほぼ見たことがなく、そういうことかあと少し納得。 さて『祈りの海』ですが、「キューティ」、「繭」、「放浪者の軌道」あたりは特に好きでした。その他の「貸金庫」、「ミトコンドリア・イヴ」、「イェユーカ」、「祈りの海」あたりも面白かった(基本全部じゃんという) 今回収録されているものは、特にどの作品も、アイデンティティとは何か?を様々な角度から取り扱ったもので、こんなにいろんな角度で考えられるのか…と驚きながらどんどんハマるイーガン…。とはいえ短編集としては、『しあわせの理由』の方が好きだったかな? 「繭」の、「…大衆はそこまで想像力を欠いちゃいけない。だれだって記号論は幼稚園で学んでるんだ、メッセージの解読法くらい知ってるさ」にしびれた笑続きを読む
投稿日:2022.12.31
すう
プロットにリアリティを持たせるために、どんな舞台装置を選び、それについての詳細な説明を加えようとしているのは、ある意味で読者に対する良心的な姿勢だとも言えるが、それも程度問題ではなかろうか。 全部で1…1の中・短編集であるが、いくつかの作品は読んでいてひたすら眠気を誘われるだけのものもあった。続きを読む
投稿日:2022.06.08
みゅん
難しかったし、SFすぎるのがあまり好きではないので少し飽きてしまった。でも短編集なので手軽に読める。複雑すぎて…
投稿日:2021.01.12
なお
このレビューはネタバレを含みます
短編集。一編毎に全く違う世界が描かれていて、多彩さに驚きました。 それぞれの環境の中で、アイデンティティ、私というものをどこに求めるかが突き詰められていて、読みごたえがありました。
投稿日:2020.09.05
yoshidamasakazu
ハヤカワ文庫 グレッグイーガン 祈りの海 科学とアイデンティティの対立を描くハードSF短編傑作集。共通テーマは「科学の時代に自分のアイデンティティを確立できるか」 各短編 SFでしか描けない状況の…アイデンティティを描いている *霊のアイデンティティ *DNA操作により生まれた赤ちゃんのアイデンティティ *自身のバックアップがいる人間のアイデンティティ *母胎システム管理により消滅させられる同性愛者のアイデンティティ *決められた未来を生きる人間のアイデンティティ *医師不要の時代における医師のアイデンティティなど 感動したのは 同性愛者のアイデンティティ「生まれつきのものであり、それを 誇りに思うことも 恥に思うこともない」 終盤2編「イェユーカ」「祈りの海」は読みとりにくい。職業倫理や宗教観が アイデンティティという捉え方でいいのだろうか? 貸金庫=自分の意識を保存する肉体 *意識(精神)と肉体 は別 *意識が 転々と人間(宿主)の肉体に憑依して 記憶を形成していく キューティー *親の愛は 子どもが人間として存在することを前提としている *人間として存在する=赤ちゃんが親へ意思表示(パパと言うなど) *DNA操作により生まれ、4歳で死がセットされた赤ちゃんに 親の無償の愛は存在するのか ぼくになることを *人間は バックアップ用の能に経験を同期し、30歳くらいにバックアップ用の能にスイッチし、永遠に生きられる世界 *同期により自我と意識は1つになる→一人の人間しか存在していない 繭 *母体子宮を管理し同性愛者を発生させない細胞(繭)の研究 *分離主義〜同性愛が病気の一種にされる→一つの人種が地球から姿を消す 百光年ダイアリー *決められた未来を生きる人間にアイデンティティはあるのか *不変の未来〜歴史は過去も未来も決定済 *歴史はつねに勝者が書いてきた〜歴史の作者の干渉〜誰もが操られている 誘拐 *自分のスキャンファイルにより、自分の死後、仮想現実に コピーを復元できる *私たちはお互いのことをコピーとしてしか知ることができない。私たちに知ることができるのは、自分の脳の中にいる、お互いの一部分でしかない 放浪者の軌道 *放浪者=倫理的単一文化の居住者の道徳律から外れた自分 *一つの思想体系は 信奉者から周辺の人へ広まり、無秩序な集団を取り込んでいく ミトコンドリアイブ *アイデンティティを確立するために 人間のルーツを規定しようとする誤り *男性も女性も、民族主義も〜捨てるべき。そのとき「幼年期の終わり」がくる。先祖を冒涜せよ 無限の暗殺者 *無限とアイデンティティの対立 *主人公のわたし=無限=無限の数のバージョンのわたし〜死ぬことなど気にする必要はない→わたしは 無にすぎない、測度零の集合 *アイデンティティ=わたしが死ぬときに わたしが引き返さないことで 恥辱に まみれずにすむ イェユーカ *医師が不要となるヘルスガードという装置。主人公である医師がヘルスガードを付けること自体、医師が病気に負けている世界 *理解できれば どんな病も癒せる医師としてのアイデンティティが生まれたラストシーン 祈りの海 人生を価値あるものにしているものが〜無意味である可能性に面と向かう気構えがあれば〜その奴隷になることはない 最後のやりとりが印象に残る 「神ってのは なかなかいい思いつきだが、まるで意味をなさん」 「でも生きることがつらすぎませんか?」 男は笑って「四六時中って わけじゃないさ」 続きを読む
投稿日:2020.04.08
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