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グレッグ・イーガン, 山岸真 / ハヤカワ文庫SF (83件のレビュー)
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総合評価:
nannryou
6
SF的マジックリアリズム
イーガンが作り出した、テクノロジカルヘブンの一参加者としてあなたも、この世界の住人を眺めてみませんかー。 そんな感じです。 死の克服、情報学的社会の進展、科学のユートピアとディストピア、限定された科学…的ギミックが作り出す閉鎖世界での合理的正気と狂気。新世紀の宗教観。 ほめればきりがありませんし、憎んでもきりはありません。 最良のSFを読むと思うことですが、お話が頭の中に残り、その作品をもう一度見た時、確信を持ってその作品を思い出せるようなインパクトと懐かしさを感じます。 このレベルの作者がゴールデンエイジが好んだ主題を描いたらどういった形になるのでしょうか。 ふとそんなことを思わせてくれます。 現実がSFか、SFの描いた未来が現実か。 そんな時代に読むべきSF上のキー作家ではあります。 星5つ。続きを読む
投稿日:2016.09.04
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「12歳の誕生日をすぎてまもなく、ぼくはいつもしあわせな気分でいるようになった…脳内の化学物質によって感情を左右されてしまうことの意味を探る表題作をはじめ、仮想ボールを使って量子サッカーに興ずる人々と…未来社会を描く、ローカス賞受賞作「ボーダー・ガード」、事故に遭遇して脳だけが助かった夫を復活させようと妻が必死で努力する「適切な愛」など、全九篇を収録した日本版オリジナル短篇集。」続きを読む
投稿日:2023.11.28
橘
このレビューはネタバレを含みます
SFはハードでブラックなのが好みです。「ボーダー・ガード」を教えていただいたのがきっかけで読みました。面白かった。 「しあわせの理由」、これは幸せなのか?幸せを感じてるのはお前自身じゃない!と常に覚えさせれられるのはつらい気がします。知能じゃないですが「アルジャーノンに花束を」を思い出しました。 「闇の中へ」も…生き抜けないこの世界。世界を救うために最後の犠牲になるのかな彼らは。。 「愛撫」の絵画、検索して見ました。これを再現するって狂気の沙汰です。「道徳的ウイルス学者」も狂信的でした。
投稿日:2023.01.18
ゆん
初イーガン。どこから得たのか「グレッグ・イーガンは難解」というイメージがあって、SF歴3年目の中で読んだことがありませんでした。が、むちゃんこ面白いじゃん!!!と思いました。私好きだわこれは、と最初か…ら思い、最後までそう思い続けられました(これは読みやすい本だということなので、この後他の本を読んでぐうの音も出なくなるかもしれませんが笑) 「適切な愛」発想が度肝を抜かれたというか、文章力と相まって度肝を抜かれた 「闇の中へ」好きだったなー…アイディアもSFという感じでわくわく 「愛撫」好きでしたこちらも。 クノップフは好きな画家のひとりだし、象徴主義も好きなのだけれど、豹見つけたところからこんなエンディングになるとは…度肝を抜かれました笑 それにこの絵を選んだのもイーガン!って感じだし、他の作品でも出てくる芸術のタイトルが、イーガン結構芸術好きでしょ?って思えるものだったので、作家としてもこれは好きなタイプとなったきっかけの一作。まじで面白かった。。 「移相夢」これってもしかして…って気づいたときの鳥肌ですよ… 「チェルノブイリの聖母」トレチャコフにあるウラジミールの聖母かあ…とこれまた脱帽。話自体もこれまた面白いんだよなあ…傷がまさかそういうこと!?っていうことが分かった時もワクワクだしなあ… 「ボーダー・ガード」悲嘆を終えて四日目の午後早く…この出だしだけで結構やられた 「しあわせの理由」幸福の境界線とは?これは時々考えることだったので、えそうそうそう!ってなりながら読んでました 次のイーガン早速読んじゃいますっ続きを読む
投稿日:2022.11.21
ピンク
イーガンさんお初。タイトルから、テッド・チャンみたいな優しげな感情が見え隠れする、難解SFかと思いきや、人間の情緒が抱える残酷さが見え隠れする難解SFだった。後半はあってた。すごく難しい言葉ばっかり。…短編集だがだいぶ積んでたし読むのも時間かかった。好きな残酷さではあるんだけど、あまり好みの文体ではなかったのと、確実に性癖に刺さってはいるんだけどどこか冷静に読んでしまっている自分がいる。今のジャンプを読むときの感情に似ている。もっと前のめりになりたかった。10代のころに読んでいればよかった。 脳死した恋人の脳を妊娠する女性、ブラックホールに飲み込まれる人たちを助けるレスキュー隊、過激なカトリック信者が浮気者と同性愛者だけを殺すウイルスをばらまく話など設定や倫理観が色々興味深かったけど、「ボーダーガード」のとある台詞がすごく考えさせられたのと、やはり表題作の「しあわせの理由」が一番気合が入っていたように思えた。 「しあわせの理由」は私たちは何をもって「しあわせ、好き、気分がいい」と思っているのか?という話(ざっくり)。脳の幸せを感じる部分が腫瘍の摘出によって欠如してしまった主人公を通して一緒に考えていく。「みんな興味ないかもしれないけど、俺はこれが好きなんだ!」ってもの、大体の人が持っていると思うけど好みとかツボとか性癖とか傾向というものは実際は周囲の人間、環境、様々な文化によって影響を受け、また与えてきたものであり、それに惹かれる情緒の根っこの部分も先祖から脈々と受け継いできたものなんじゃないか。「『好き』って自分だけの、特別な感情のようにみんな思っているけど本当にそうですかね?」みたいな、そんなちょっとシニカルな視点が新鮮だった。 「ボーダーガード」はだれもが不老不死の時代、量子サッカーを通して出会った女性が実は「死」を知っていて…という話。この重要そうで実はそうでもない「量子サッカー」の描写が本当~~~~に意味わかんなすぎて若干挫折しかけたんだけど、女性が語る「死が生に意味を与えることは、決してない。生はやはり生の中でこそ見いだせる。」という話が心の大事な部分に突き刺さった。少し逸れてしまうけど、私は桜の花を美しいと思いたくない、と思っている(どんな感情?)。花や葉や幹の形が云々、などどのように美しいかよりも「一週間しか咲かない」という部分に日本人皆踊らされているのでは、と思ってしまうから続きを読む
投稿日:2022.08.13
ふみねん
ゆる言語学ラジオより 本質本とだけあって、結構ハードでした。 翻訳本もあまり読まないから言葉遣いとか慣れてなくてだいぶ字が滑ったりしたけど、何とか読みました。 内容もあんまり触れたことのない切り口…。これはスルメ本になりそう。続きを読む
投稿日:2022.08.11
mk04
表題作『しあわせの理由』 脳の幸福を感じる部分が、脳内の腫瘍により過剰になりすぎた男の話。 手術で腫瘍を摘出しなければ命の危機という絶望的な状況にも関わらず主観的には幸福感と万能感で満たされた日々を送る。しかし手術が成功し命の危険が無くなり不自由のない生活が訪れた後、自身の生活において一切の幸せを感じることができなくなってしまう。 後の手術で、何に対して幸福を感じるかを自分自身で選択できるという状況になるが、幸福や興味の対象を自分でボリュームつまみを回すかのように選択することで得た幸福は本当の幸福なのか… 人間にとっての幸福とは極めて主観的なものであるということをストーリーを通して再認識した。
投稿日:2022.07.11
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