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中村うさぎ / 新潮文庫 (46件のレビュー)
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総合評価:
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ノジ
このレビューはネタバレを含みます
今回は中村うさぎさんの体験等をもとに、自己分解?をされているお話でした。 確かに、わかる。と思うことが多く、普段の生活で感じていても言語化することがなくもやもやとしている気持ちをうまく言語化してくださっている感じでした。 「女であること」を拒否した女は、どんなに出世して「勝ち組」になろうと、惨めな「負け組」に分類されてしまうのだ、と。 ここはとてもわかる。女だからと舐められたくなく努力して成功したとしても、今度は女としての評価で負けてしまう。 どちらも勝ち組でいることは、今の社会だと難しいのだな、と改めて感じた。
投稿日:2022.06.12
jam
デリヘル体験記というより 女性であることへの深い考察。 女性であることでの生き辛さの深い闇の分析。根が真面目な人なんだろうな。 うさぎさんのように極端な行動は取らないけれど、うんうんわかるよって頷き…ながら読了。続きを読む
投稿日:2021.12.30
ハイ
文庫版の伏見憲明さん解説がkindleには載ってない....。「『私という病』は結局、風俗という現場で何を見たのか、というルポタージュではなく、風俗という体験を通じて自分の内側から何を抽出できたのか、…という深い自己分析の軌跡であった。それはうさぎさんが自分という身体に自らメスを入れ、臓物を掻きだし、そのにおいを吟味するようなグロテスクな作業であり、麻酔もかけずに開腹手術をしていく残酷で怜悧な実験だった。その躊躇のない手さばきこそが、中村うさぎという作家の真骨頂なのだろう。」続きを読む
投稿日:2021.05.08
yuya
女性という作者の実存。そこから風俗の経験を通して、また東電OL事件という記号を通して考えてみる。人間どうしても自分の属性に依存したものの考え方しかできなくなってしまう。男なら男目線で女を見る。筆者は、…そういった無知の眼差しに敏感である。これですべてわかるというわけではないが、相手を理解する知性を身につけるために読むべき本。続きを読む
投稿日:2021.01.24
badaada
期待以上に深かった。中村うさぎの「だって、欲しいんだもん!ー借金女王のビンボー日記」を読んだ時には語り口があまり好きになれなかったけれど、本作は自らの女性性を嫌悪して閉じ込める自分と、男性に愛されたい…、性的に魅力的でありたい、性を奔放に楽しみたいという自分との二面性を深く考察している。女性なら多かれ少なかれ誰しも持っているであろう二面性。自分の中の「女」を押し殺して振る舞う自分と、女として魅力的でありたいという自分、どちらも本当の自分で、それを場面や相手ごとに使い分けながら矛盾しないように見せているという感覚、疑問にも思っていなかったけど、それってもしかしてこの社会で生きるために身につけた処世術だったのかな…。続きを読む
投稿日:2017.11.04
notanumber
堕ちるところまで堕ちて、自分をとことんまで曝け出したと言ったところか。万人にオススメはしないけれど、男女問わず一度くらいは読んでみていいんじゃないかと思う本。
投稿日:2017.08.22
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