【感想】無双の花

葉室麟 / 文春文庫
(29件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
6
11
7
1
0
  • 人生の中で 一度は会ってみたい武将!

    葉室さんの本との出会いは、『蜩ノ記』で その後、彼の著書を読み続けて 期待を裏切られる事なく この本に出会いました。

    最初は、『立花宗茂』の伝記みたいな感じがしましたが、読み終わった後、こういう上司と仕事が出来たら・・・・。

    貴方も 是非読んでみて下さい!
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    投稿日:2015.10.04

ブクログレビュー

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  • でんろく

    でんろく

    関ヶ原の戦い後の立花宗茂の生き様を描いている。
    滝口康彦の乱離の風は、若き日の立花宗茂を描いているが、その続編とも言うべきものとも考えられる。
    立花宗茂が何故、柳川藩主に戻って来れたのか?小説に描かれた立花宗茂の真っ直ぐな生き様がそうさせたのか?、わからないが小説としては美化した立花宗茂の生き方は素晴らしい。また、徳川家康も徳川秀忠もいい人物として描かれている。続きを読む

    投稿日:2024.04.04

  • katokicchan

    katokicchan

    このレビューはネタバレを含みます

    歴史マニアへのアンケートとして、一番好きな武将ランキングはよく行われるが、多くのアンケートで1位となっているのが、筑後柳川の立花宗茂。
    大河ドラマでの誘致活動を含め、今最も熱い武将とのようだが、正直なぜそこまで人気かということを確認する機会がこれまでなかった。
    史実を含め、書物はたくさん出ているが、やはりここは虚々実々の歴史小説からということで、安定の面白さの葉室さんの作品から読んだ。
    内容は、後半生を中心に、関ヶ原敗戦から改易、牢人からの登用、豊臣氏滅亡での関与を中心に、朝鮮出兵や島原の乱まで巧く語られ、わかりやすくまとまった物語になっている。
    もちろん小説なので、真田幸村や伊達政宗などとの効果的なやりとりなど、面白さは十分。あっという間に読めた。
    特に秀吉統一から家光の時代は、王道ではあるものの、西国大名の視点で大河ドラマを展開するのも大変面白いと感じた。
    この小説を読めば、立花宗茂がなぜ好きな武将1位に君臨していることがよくわかった。今後は史実もしっかり確認していきたい。

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    投稿日:2023.07.31

  • Bookrium

    Bookrium

    寡聞にして本書を読むまで立花宗茂という人を知らなかったのですが、葉室氏が題材にしたことが頷ける真っ直ぐな人でした。
    多くの武将たちが生き残りをかけて時に権謀術数を巡らす戦乱の世の中で、決して裏切らないことを信条に生き抜いたことは驚嘆に値する。また、彼を支える忠臣や女性も皆、この男と共に生きるに相応しい人たちでした。
    オマケに家康まで心の底では平安の世を実現するために敢えて卑怯な手も辞さない男として描かれていたけれど、これには少し疑問もある。真田も伊達も格好良すぎだしね。
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    投稿日:2022.12.22

  • jerico

    jerico

    裏切りや下剋上が当たり前の戦国時代において、義を重んじ紆余曲折ありながらも、筋の通った生き様で戦国時代を生き抜いた、西国の雄立花宗茂を描いた、時代小説らしい清々しい一冊。

    投稿日:2021.05.29

  • pupunao99

    pupunao99

    「西国無双」と称えられる立花宗茂の半生を描く歴史小説。
    戦国の世を描きつつ、この作者らしく、妻との心のふれあいが程よい加減で書かれているので、宗茂が人として生き生きと感じられる。
    立花の義は、決して裏切らぬこと。
    この時代に、これほどまでに不器用で気持ちの良い生き方をした武将がいたとは、恥ずかしながら西国に無知な私は、改めて感動してしまった。
    そして、この作品で描かれる家康にも、泰平の世を作るためには手を汚すを恐れぬ、という徳川の義がある。
    今まで自分が見ていたものとは違った角度で、関ヶ原からの歴史を見られたように思えて、とても満足の一冊でした。
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    投稿日:2021.05.20

  • fuku ※たまにレビューします

    fuku ※たまにレビューします

    関ケ原の戦いで西軍に与しながら、旧領に戻れた唯一の大名・立花宗茂の半生。

    『その忠義鎮西一、剛勇また鎮西一』と秀吉にも激賞された宗茂が婿養子として入った立花家の義は『裏切らぬということ』。

    秀吉に大名として取り立てられた宗茂は秀吉に対する義を通して関ケ原の戦いでは西軍に与するが、その西軍は寝返る者が次々現れ、毛利は宗茂が大坂城での籠城を進言しても決断出来ない煮えきらなさに愕然とし憤って九州へ戻る。
    いくら『立花の義』を貫きたくても、その戦いがそもそも『不義の戦』であるのだから何と張り合いのないことだろうか。

    ここからが宗茂の長い戦いの始まり。九州においては黒田如水や鍋島直茂に攻められるのを躱し、加藤清正の援助を受けるも彼の家臣になることを厭い京へ出て、一大名となる道を探る。

    何となくのイメージで奥州南郷の大名となるまで様々な交渉や裏取引みたいなこともあったのなかと思っていたが、京の日々はただただ耐えるだけだった。
    厳しい日々になることを承知でついてきた二十数名の家臣たちはそれぞれ身分を隠して金を稼ぎ、主である宗茂がいつしか大名として返り咲く日を『夢』として耐え忍んでいた。

    印象的なシーンがある。
    家臣たちが庭先に干飯を作るために飯を干していたのに、急な雨が降り出して留守を守っていた宗茂は慌てて室内に取り込もうとする。
    たまたま客人として来ていた本多忠勝が『暮らしに窮して主が日頃にないことをするのを目にして不甲斐なき思いをいたすのは家臣の方でござろう』と稽める。
    後に帰ってきた家臣たちの中にはせっかくの干飯がダメになって落胆する者もいるが、長年使えてきた重臣は宗茂の主たる態度に胸を張る。
    武士は食わねど高楊枝の更に上をいく、主たる矜持に切なくなるも感心する。

    その後、大坂城での戦いを前に徳川家に召し抱えられることになるのだが、宗茂は最初徳川家康に対してあまり良い印象を持っていない。
    それはいわゆる真っ向勝負ではなく、『汚い手を使っ』た天下取りだったからだ。
    しかしそこにこそ家康のいう『徳川の義』があることを知り、将軍家に『立花の義』を尽くそうと決意する。

    この作品には様々な『義』が登場する。
    『徳川の義』に『真田の義』、家康に仕え様々な謀を用いてきた本多正信にもまた彼なりの『義』があった。

    印象的な人物は正室の誾(ぎん)千代。
    父・道雪から立花城の城督を譲られていた彼女は、宗茂を婿養子として迎える際に『この城の城督はわたくしで、あなたは代官です』と言い切る。まるで「女城主直虎」のようだ。
    女ながらに武者姿で屋敷を守り、夫・宗茂を助けるために清正勢に向かって女武者たちに銃を撃ち牽制したり、賊に襲われていた公家らしき姫君を助けたり。
    これほど勇ましい女性だけに周囲からは『鬼女』と呼ばれることもあるようだが、宗茂にとっては優しい妻であり同志だった。
    宗茂が京で耐え忍ぶ生活をしている最中に病死してしまったのが残念。しかし妻亡き後も宗茂は常に彼女のことを思い、彼女なら何と言うだろうと考えながら行動している。

    当時の男性だけに側室や継室もいるが、いずれも自ら積極的に動いたということではなく成り行きでそうなったという感じ。実際のところは分からないが、主として慕われるのとは違いモテモテというタイプではなかったようだ。

    十九年の時を経てついに旧領へ戻るシーンは感慨深い。心の中で亡き妻と対面するのも映像が見えるようで良いシーンだった。
    何より不遇の時をずっと支えてきた家臣たちの感慨は如何ほどだったろう。共に『夢』を持ち続けて良かった。
    いつか大河ドラマの主役に取り上げ欲しいなと思う。
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    投稿日:2021.03.30

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