【感想】忍びの国

和田竜 / 新潮文庫
(347件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
76
131
90
13
3
  • 無門の破天荒さが、暗い陰湿さを気持ちよくバッサリ切り捨ててくれます。

    映画『忍びの国』製作決定。大野くん主演と知り、早速読んだ次第です。
    しかし、毎日正面 目線の先に、伊賀上野城を見ながら生まれ育った私には、非常に複雑な想いを、最後まで持ち続ける事となりました。
    浮かれ気分の忍者の子孫なんて、冗談ゆうてる場合じゃない!ショッキングな、易々と覆されていく忍者像が、圧倒的な迫力で描かれています。
    戦乱の時代、記録に残る歴史の中に編み込まれた、無門とお国そして鉄の姿は、唯一ほほえましく、このまま続いてくれたらと・・・。
    日置大膳いうところの『虎狼の族は天下に散ったのだ』この言葉ある意味、伊賀忍者そのもののアイデンティティーが薄まって、真っ当な人間に変わっていくことなのかなあ と勝手に解釈しました。
    伊賀にとって『天正伊賀の乱』と『第二次伊賀攻め』は、現世の私たちが平穏に暮らせる為の、ターニングポイントだった様な気がします。

    そして無門もきっと・・・。




    続きを読む

    投稿日:2016.06.04

  • 忍び vs 武士道 生き様正反対の両者のバトル。どちらがどう勝つのか楽しい!

    忍び代表伊賀 vs 武士代表伊勢(織田信雄)。両者が激突したのが、天正伊賀の乱。今までこの乱についてはほとんど知識なかったけど、この作品を読では、単なる勢力争いではなく「忍び」の価値感と「武士」の価値感のぶつかり合いとして描かれているのがすごく新鮮。戦国時代の武士の価値感は、他の時代小説でも描かれることが多いが、この本は忍びの価値感や生き様を分かりやすく描いていて面白い。両者の価値感の違いが、戦前の交渉のやり方の違い、戦場での戦法の違い、戦意高揚のやり方の違い、にすごくよく表れている。まるで日本の中で異質な文化を持つ民族同士の戦争を見ているよう。どちらがどうやって勝つのかは、読んでみてドキドキしながら楽しんで欲しい。続きを読む

    投稿日:2014.11.12

  • 映画化してほしい。→されて楽しみです

    伊賀忍者と言えば甲賀と並ぶ有名な忍術使いとされており、ストーリーは1人の伊賀忍者を軸にした話です。
    当時の時代背景を元に脚色もあるものの時代物として、戦国ものとして、純和風スパイものとして読みきれます
    のぼうの城に続き和田さんにやられました。
    このスピード感は、映像化されると聞き期待値マックスです。
    次は村上海賊もはやく映画化されないかなぁ♪
    続きを読む

    投稿日:2014.09.28

  • 忍びの心とは。

    以前からこの作品は読んでみたいと気になっていたのですが、なかなか手に取る機会がなくて読めていませんでした。今回映画化されるということをしって読んでみました。
    最初のうちはいろいろな登場人物がでてきて、誰が主役なんだろ?と焦点が合わず少し読みにくいところがありました。それぞれが主役級の魅力的な個性をもっているキャラクターでもあったので。
    物語が進んでいくにつれて特定の登場人物にどんどんと焦点が合わさっていって、後半には怒涛の展開がまっていました。なかなか感情移入できにくかったのが、後半は一気に引き込まれてしまいました。
    映画化はどうなるのか楽しみです。
    映画を観てから読むもよし、映画を観る前に原作を読むもよし。
    オススメです。
    続きを読む

    投稿日:2016.08.19

  • 最強の伊賀忍者の魅力に。

    戦国期における伊賀者とそれに隣する伊勢武者との闘いをあまりかしこまらずに、描かれている。

    伊賀忍者と言えば主君に忠誠を誓い、絶対裏切らないという先入観があったが、全く誤解だったことに気づかされる。むしろ金で動く殺し屋といったところか。

    男と生れたからには一時は忍者に憧れる時期があると思うが、その幼少時の憧れのままに伊賀忍者は強い。その強さをもってこの物語の主人公は縦横無尽に戦場を駆け巡る。

    なんとなくファイナルファンタジーの初期の作品をやりたくなる本だ。
    続きを読む

    投稿日:2016.04.20

  • 人ではない

    さっきまで殺しあっていた相手と、戦闘終了の合図でいつもの旧知の間柄に戻って一緒に行動する。オンとオフの切り替えが物凄い。しかし、それができない者が現れることも織込み済みで仕掛けてしまう冷徹さ。たとえ身内であっても、仕事のとあれば道具としてしかみない。忍者とはそんなにも厳しい世界か。この後も、時の権力者に擦り寄って江戸時代迄は活躍の場もあったようですが。こうした冷徹な判断は、権力者に求められる才能で、戦国から江戸までの名だたる武将は、皆この様な判断を迫られた時に、どう対応するかで生き延びてきたわけで、そうすると忍者は、一人一人が一国一城の主であることを求められている様なものかと。感情を棄てて、正しい判断を下すことが出来るかどうか。それが生き残りの才覚。現代の外交にも同様の判断必要かもしれませんね。諸外国に「草」をおき、情報を集め、マスコミという感情を煽る、モノに惑わされず、正しい判断をすることがいかに難しいことか。続きを読む

    投稿日:2017.06.18

Loading...

ブクログレビュー

"powered by"

  • らいじんぐ

    らいじんぐ

    3回は読んだ。
    無門の殺生に対する考えが物語を通じて変わっていくのが感じられる。
    映画化もされているみたいだから一度は見てみたい。

    投稿日:2023.12.14

  • きたさん

    きたさん

    少し苦手なのか歴史小説を読まない私ですが、近くの中古販売でまとめ買いをしたので読んでみました。メインは戦国時代の伊勢の武将と伊賀の忍びの国をかけた戦い、戦闘シーンは上手く表現されていて引き込まれました。ただ、絶対無理な技が多く、少し格闘ゲームみたいと思ってしまって、それがマイナスかな。続きを読む

    投稿日:2023.11.17

  • やんばる

    やんばる

    このレビューはネタバレを含みます

    凄腕の忍びの無門、飄々と人を殺めるのだが女房のお国には頭が上がらない。あんだけ冷酷に見えるがお国には甘く弱いギャップが面白い。
    他の下人達も感情よりも銭金、損得勘定で簡単に手のひらを返す伊賀者の当たり前が殺伐としているが、あまりにもハッキリしているので気持ち良くも感じる。

    最期は無門もお国も互いの大切さに気づくも、時遅かった。その後の無門の復讐の大きさが歴史を動かすほどだったのだ。怒りと愛を感じた。
    終わり方も無門と文吾の意地をみせる感じであり、その先も想像を掻き立てられ良かった。
    石川五右衛門もこの先も活躍するから、、、どうなんだ?

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.10.02

  • はっち

    はっち

    資格勉強があってなかなか読めてなかったけどやっと読了!!!おもしろかった、、、、歴史小説は2、3作品しか読んだことなかったけど、この「忍びの国」をきっかけにはまりそう。

    「忍者」って聞くとナルトが思い浮かぶんだけど、イメージとこの作品に出てくる伊賀忍者たちは全然違う。体術だけじゃない、ずる賢さ非情さそういう内面の部分から忍者なんだなあ。
    何よりも無門がかっこよかったし、戦闘シーンもテンポよく迫力があっておもしろい。ところどころ史実を引用してるのもよかった。
    続きを読む

    投稿日:2023.09.15

  • ひとみ

    ひとみ

    面白かった!!インスタグラムのフォロワーさんからおすすめして頂いた本。今まで忍者ものの作品はほぼ見たことなかったので、伊賀忍者の生活風景や価値観を知ることが出来た。あと歴史の勉強も出来た!後半の戦闘シーンは戦国無双のようで臨場感あり。主人公の忍びが地獄楽の画眉丸にめっちゃ似てて、これ絶対モデルやん!と思った(^^)続きを読む

    投稿日:2023.09.11

  • り

    ひさしぶりの歴史物。エンタメ性ゴリゴリ忍法小説かと思いきや、切ないところもしっかりあっておもしろかった〜

    投稿日:2023.06.12

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。