【感想】海のふた

よしもとばなな / 中公文庫
(163件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
48
59
39
3
0
  • 故郷は田舎でしょうか。

    女性2人の西伊豆、一夏の物語。

    物語は起こる大事件、または激しい心の浮き沈みを中心に描かれる訳ではありません。
    大切な何かを意識しながら暮らしを描く優しい内容です。

    登場する人に考え方に故郷を思い出す、
    また自分の今の日々を俯瞰させられる力のある本でした。
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    投稿日:2014.11.09

ブクログレビュー

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  • 17

    17

    すーーーーごく好きだった。
    見たことも行ったこともない海沿いの町が目の前に現れたような感覚がした。あとがきにあった作者が訪れつづけている町がモデルなのかな、いつかこんなふうに好きな場所についての話を書けるようになりたい。

    それから、読みながらずっと穂村弘と東直子の本にあった文章が浮かんでいた。〈好きな人ができると一緒に海へ行きたくなってしまうのは、なぜなんだろう。お互いの身体の中に眠っている遠い記憶を、一緒に確かめたくなるからではないかと思ったりします。〉
    海にも行きたいし、この本も読んでもらいたい。
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    投稿日:2024.01.24

  • nora.

    nora.

    好きなフレーズがいくつもあり、とても心に残る本になりました。夏が終わる前に読めてよかった。また夏が来たら読みたくなるような作品。挿絵の版画もじんわりと心に響いて、泣きそうになりました。

    投稿日:2023.09.18

  • CER8ERUS

    CER8ERUS

    感覚的なものの表現が上手でどの場面も情景が鮮明に浮かんできた 何か忘れていたものを取り戻したような気持ちになった 丁寧に自分を大切にするということを書かれていてそのように生きたいと思った

    投稿日:2023.07.23

  • hwendyyy

    hwendyyy

    「実はいろんなことってそんなに確かなものじゃない、っていうことに気づいたら苦しすぎるから、あんまり考えないでいられるように、神様は私たちをぼうっとさせる程度の年月はもつような体に作ってくれたのだろうか
    この世の慈悲と無慈悲のバランスは、私たちが想像するには大きすぎる。ただその中で泳いだりびっくりしたり受け入れるしか、できることがないくらいにでっかいみたいだ。」

    「お掃除っていうのは、きっとその人がその空間をうんと愛しているという気持ちで清めることなんだなあ、と私はしみじみ思った。形だけやって
    とわかってしまうし、木でも人でも動物でも空間でもものでも、大事にされてるものは、すぐにわかる」

    「どんないやな人にも平等に夕焼けとか、台風の後の空とかがふんだんにきれいなものを降り注いでくれたの。考えられないくらいきれいな日っていうのが 年に数回あって、光や海や空の色の変化があまりにもすばらしいので誰もが何をもらっているような気持ちになったものよ。」

    「男の人はゆるされるかぎり、どこまでも淋しくて暗くて深すぎるところに行くよね。わざわざ探求心なのか、人類のしくみなのかな。」
    「しくみって思ったことはある。男の人はどんどん暗くて淋しいほうへ行って、女の人は毎日の中で小さい光を作るものなのかなあって。どっちもあってはじめて人類の車輪が回っていくのかも。」
    「倒れるまで仕事するとかいうのは女もあるかもしれないけど、体力の限界まで何かを突き詰めるとかって、そこまで深くならないところでストッパーがかかるよね。ああ、暗くてくだらない、おいしいものでも食べて寝るか、ってすぐ明日になっちゃうよね、女の人はね。根本的に役割がちょっと違うところって、きっとあるんだろうね。 体が違うっていうことは、何か役割が違うということだからなあ。きっと男の人は帰るところがあるからそんな思い切ったことができるのかな。 お母さんとか奥さんとか・・・・・・そういう命綱があるから、どこまでも探求できるんじゃないのかな? 宇宙とか、そういうことを。」
    「宇宙は、深く暗く果てがなさそうだし、それが真実っていう感じがするもんね。どっちかが実際に調べにいくとなると、やっぱり男が行くんだろうねえ。」
    「だから、命綱は、なるべくしっかりしていて暗すぎず、大地に根をはっているほうがいいんだろうね。それに子供を生むとかっていうのも、よく考えたらものすごく深くて暗いことだから、女の人はその勉強で充分なのかも」

    「私たちみたいな、そういう速さそのものについていけない人たちって、この世にけっこうたくさん、いるんです。ただ、ゆっくりとして暮らしていたいだけで」

    「人を傷つけて得たものって、きっと小さなしみみたいに人生につきまとうよ。どうせはじめちゃんの家族のように誇り高い人生にはならないから。」

    「どれほどのことを彼女の心と体が処理しようとしているかはよくわかった。絶対に受け止めたくないことをふんばって受け止めようとしている」
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    投稿日:2023.07.11

  • Suuuuuusan

    Suuuuuusan

    このレビューはネタバレを含みます

    土肥っぽい〜
    西伊豆に行きたすぎるのよ。景色がすてき。
    原付でも持って行って、西伊豆でぼーっと数週間くらい過ごそうかしら。好きなときに泳いで、好きなときに本を読んで。ときどきは勉強や仕事もして。
    いつもダイビングいくところに住まわせてもらってさ。すごく素敵なアイデアな気がしてきた。トップシーズンなる前か後がいいね。

    かき氷やさん。エスプレッソがあるかき氷やさんというのがいい。あと、こだわったシロップを用意しているのもいい。舞台芸術をやった主人公が手作りでお店を作るというのもなんかいい。

    あとは、主人公が元彼とかき氷を食べて、それをきれいというはじめちゃんもいい。わたしもその人と話してるときが一番自然で、きれいになれるような、そんな人と出会えたらいいな。

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    投稿日:2023.07.06

  • の(・◇・)

    の(・◇・)

    普段は図書館利用。久しぶりに手元に残しておきたいと感じた本。廃れた海辺街でかき氷屋を営む主人公と達観した大人びた少女と過ごす一夏の日常。設定だけで自分好み。海との付き合い方や日常の些細なことを大事にしていこうと前向きな落ち着いた気持ちになれる。続きを読む

    投稿日:2023.06.01

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