【感想】パインズ ―美しい地獄―

ブレイク・クラウチ, 東野さやか / ハヤカワ文庫NV
(33件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
5
7
12
5
1
  • とにかくぶっ飛んだ小説

    捜査官イーサン・バークは川沿いの芝生の上で目を覚ます。彼は所持品を失い記憶を失くしていた。最寄りのパインズという町に助けを求めるが外部とは連絡がつかず、町を出ていこうとする彼を何かと理由をつけて引き止める。この美しい景観の町がどこか狂っている事に気づいたイーサンは徐々にエスカレートする妨害に業を煮やし、遂に強行突破を決意する。。

    作者が言うように設定は「ツイン・ピークス」に良く似ている。また前半に何度も繰り広げられる脱出劇と合間に挟まる主人公の過去と現実の行ったり来たりは読んでるコチラが混乱し、何が真実なのかがわからなくなる点も然り。ところが後半はアッと驚く展開となりトンデモない結末へと行き着くことに!

    前半が面白いと感じた人が後半の急展開を面白がれるかどうかが本作の評価の分かれどころ。私的には大変楽しく読めました。とにかくこの後が気になるので次巻も続けて読みます。
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    投稿日:2015.09.02

  • 悪夢のような

    悪夢を見ているようなストーリーで、もどかしく訳のわからない謎を追ううちに話に引き込まれていきます。謎の答えは・・・異次元とかオカルトとかいろいろな想像をみごとに裏切られる嬉しさを感じました。今は第3部を読み始めていますが、ずっと高いテンションが続いて飽きさせません。FOXでこれを原作にドラマが始まっていたみたいで、読み終わったら映像のほうも見てみたいと思っています。続きを読む

    投稿日:2015.09.18

  • ドラマが気に入ったなら小説も

    マット・ディロン主演でドラマ化されている作品の原作で、ドラマの6か7話位までのストーリーが3部作の第一部に当たる本作の範囲です。
    目が覚めると見知らぬ町にいる主人公が、なんとか町の外と連絡を取りたい、脱出したいと四苦八苦するというのが大まかなストーリーですが、ドラマと原作を比べると、ドラマの方がキャラクター設定も不気味さや話に膨らみを持たせやすいように変えられているように思います。また、映像の特性を活かして、よりミステリアスな雰囲気を深めてくれていると思います。
    小説も主人公の回想シーンなど無駄に思える描写もありますが、見知らぬ町で助けも無い主人公の苦悩や焦燥感など内面的な描写は映像よりも小説のほうがじっくり味わえると思います。また、いささか陳腐かもしれませんが、ドラマには無いラストは、それまでの主人公の苦労を思うとなかなか感慨深いシーンになっていると思います。
    小説を読んでからドラマを見るか、ドラマを見てから小説を読むか、どちらでもよいと思いますが、片方が楽しめたなら、もう片方も楽しめると思います。
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    投稿日:2015.08.09

ブクログレビュー

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  • Gen.

    Gen.

    通常のミステリーのつもりで、読んでいくとあれ?何これ?SFやんと思いながら、先が気になりほぼ一気読み。
    面白かった。
    三部作のようだがSFやからなー。次どうしようかなー。

    投稿日:2019.12.20

  • ゆうだい

    ゆうだい

    時間を取って一気読みすべき本。途中で読むのを一時停止すると、あまりに気になって&気持ち悪くて、他のコトが手につかなくなりそうなのでご注意を(笑
    (ハヤカワのSFにしては、スイスイ読める方だと思うので数時間で読み終わるかと)
    既にFOXでドラマ化もされているんですね。あまりアメリカのドラマは見ないのですが、数少ない見た作品の中だとXファイルに近いかなぁ。

    本著のストーリーは、アメリカの田舎街へ捜査に向かったところ、事故に巻き込まれて記憶喪失状態で目覚めた捜査官が、この美しいながらもどこかがおかしい街の謎に挑んでいくという話。
    読み進めていくと、「えっ!?」と引っかかる矛盾とも思える要素が次々と出てきて、捜査官の過去のトラウマとも相まって、一体誰がおかしいのか?と混乱の極みに達するのですが、最後は「おー、そう来たかー!」と驚かされます。裏表紙のあらすじに「絶対予測不可能の衝撃のラスト!」と書いてあって、そこまでかなぁとは思いつつ(笑 でも、そう書くのもわかるドラマチックなストーリー展開でした。

    著者の筆力は素晴らしく、文章を読んでいて非常に落ち着かない気持ちにさせられます。途中の閉塞感と言ったら、個人的な読書経験の中でここまで追い込まれた感覚を味わったコトは無いってくらい。
    諸々の謎が明かされた後の展開は、逆に少しアッサリしすぎていて、これで良いの?って感もありましたが、全般的には楽しませていただきました。
    しかし、もし自分があの街の住人だったとしたら遠からずおかしいと思い始めると思います。あんまり書くとネタバレなので言えませんが…。

    SFの中でも、知的な気付きがあるものと言うよりはエンタメ寄りだと感じました。続編読むかなー、どうするかなー。
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    投稿日:2019.09.29

  • まこと

    まこと

    行方不明になっていたシークレットサービス捜査官のエヴァンズとケイトを捜していた特別捜査官のイーサンバークは交通事故に遭い、負傷したが、命からがら事故現場から逃げ出す。
    偶然とどまった、ウェイワード・パインズの町の屋敷で、行方不明になっていたエヴァンズの死体をみつける。
    外部と連絡を取ろうとするが、意識を失い、ウェイワード・パインズの病院に入れられて、そこから出してもらえなくなってしまう。
    イーサンは外部の人間と全く接触できなくなってしまう。インターネットも電話も通じない。
    町の保安官に車を借りることすらできない。
    「おかしいのはこの町のほうだ」
    ケイトが知らない家の主婦となっていて、イーサンのことを全く知らないという。が、問いただすとケイトはイーサンを実は覚えていた。だけど、ケイトは歳をとりすぎている。二十は上だ。イーサンが事故に遭ってまだ4日しかたっていないのに。
    ケイトは「この町でだってすばらしい人生を送ることはできる」という。
    イーサンは車を盗難してパインズを出ようと試みる。
    しかしポープ保安官にみつかって止められてしまう。
    ポープは言う「きみは芝居をしているんだよ。きみがエヴァンズを殺したんだ」

    ウェイワード・パインズ 美しい地獄
    ラストシーンでは、真実を突き止めたイーサンがどういう選択をするのか息をのみました。
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    投稿日:2019.08.29

  • kazzu008

    kazzu008

    記憶を無くしたシークレットサービスの特別捜査官が、アメリカの田舎町パインズで目を覚ます。自分の名さえ思い出せない。しかも全身がやけに痛む。病院で少しずつ記憶を回復し、自分が捜査官だと思い出した彼は、町の保安官や住民に助けを求めるも、まったく要領を得ない。自分の身分を証明するものは何も無く、携帯電話もお金も無い。しかも外部と連絡が取れないし、取ろうとしても邪魔が入る。この町で過ごすにつれ、少しずつこの美しい町パインズが何かおかしいと感じてくる。何となくおかしい。何かが狂っている。

    読者は本書を読み進めるにつれ、彼が本当に捜査官なのか、彼が思い出した記憶すら本当のことなのか分からなくなってくる。何がいったい真実なんだ。

    駄目だ、これ以上は書くとネタバレになってしまう。
    ただ、すごく面白い、まさに一気読みだった。
    この本のジャンルの詳細を書いてしまうとそれもネタバレになるので、ものすごく大きく分けるとすれば「脱走・脱出もの」ということになるのかな。

    筆者は幼少の頃、往年の傑作ドラマ『ツイン・ピークス』にはまり、自分でもこのような物語を書いてみたいと思い、20年間構想をあたためて本書を書いたそうだ。『ツイン・ピークス』と本書の話はまったく違うが、アメリカの美しい片田舎の町が実は・・・という感じは非常に似ている。

    本作を読み終わるまで本作が3部作であることは知らなかったし、映像化されていることも知らなかった。この1冊で十分面白いし、完結している。でも、続きがあると知ったら読まずにはいられない。第二作『ウェイワード-背反者たち-』、第三作『ラスト・タウン-神の怒り-』、早速、読んでみよう。
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    投稿日:2019.06.03

  • winder

    winder

    ひょっとしたら苦手な不条理系の暗いミステリーかと思っていたんだけど、イヤイヤどうして。どうなってるの?どうなっちゃうの!?そうきたか!のエンターテイメント。とても楽しめました。三部作になるそうで、このあとも楽しみ。早く続編が読みたいです。続きを読む

    投稿日:2018.12.25

  • fumi19850511

    fumi19850511

    途中、昔みた映画「トゥルーマンショー」を思い出してしまった。
    話のオチも雰囲気も全然違うのだが、そんな瞬間がある。
    共通点は監視だからであろうか。

    途中でてくる、ジュラシックパークの一節。
    「人類が明日滅亡しても、地球は気づきもしない。」
    2秒ぐらい手を止めて考えた。
    続きを読む

    投稿日:2018.08.15

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