【感想】サバイバル宗教論

佐藤優 / 文春新書
(28件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
4
7
10
1
0
  • 概論ではないから面白い!

    いつも思うのだが、佐藤さんの宗教論は偏っている。
    だから、面白い。
    キリスト教には様々な宗派があるし、同じ宗派の中でもどのように神や教会に向き合うかは人それぞれである。
    佐藤さんはどの本でも「佐藤優」としてキリスト教を論じている。
    「同志社の野本先生は」や「チェコスロバキアのプロテスタントでは」という、「佐藤優」が出会った個別のキリスト教のあり方である。
    だから、網羅的な知識を得るのには向かないが、「そんなキリスト教もあるのか」という意味で非常に面白い。
    また、「佐藤さんはそんな状況(逮捕時など)で聖書のあの言葉をそんな風に受け止めるのか」という意味でも面白い(笑)
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    投稿日:2014.07.18

ブクログレビュー

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  • いかり

    いかり

    民族と宗教。仏教とキリスト教。死と救済。国家と宗教。オウムなど新興宗教の考察も面白い。
    イスラエルの帰還法。日本には日本人という目に見えない憲法がある。実態との乖離を拒まない。
    ウクライナとロシアの対立も紐解く。プーチンは選挙で選ばれた王様。共和政から王政へ。続きを読む

    投稿日:2023.01.22

  • koochann

    koochann

    著者にしては少々荒っぽい主張が気になった。仏教寺での講演内容が本になったので、やや過激な主張をしていたのだろうか?サウジの王族が葡萄酒は飲まないが、葡萄で作ったものでなければアルコールではないとの解釈でウィスキーを飲んで酔っ払っている!本当?サウジを英のサッチャー首相が訪問した際には見た目は女性だが、明らかに男性だとして受け入れた!沖縄の独立が現実味を帯びてくるとの主張もかなり大胆で、本当? 「一神教は不寛容で、多神教は寛容」との世の中の論調に対して、「一神教は本来自分の救いにしか関心がないので寛容だ」との主張はなるほどと賛成だったが。ところでスターリンの息子がナチスドイツの捕虜になって、切り捨てたために収容所で死んだとの話が紹介されている。これは初耳で驚きだった。また1880年に日本政府は宮古島以南を中国(清)に割譲しようとしていたが、拒絶され日本に残った!これも驚きの話だった。そういう意味では実に興味深い読書になった。続きを読む

    投稿日:2020.09.02

  • TAKAHIRO

    TAKAHIRO

    佐藤優氏の宗教論。タイトルからは、国内でどこの教団がこれから伸びるのか拡大するのか、どこの宗教団体が衰退し、没落していくのかを論じてるんだろうと思ったが全く違った。売り上げ確保するためとは言えるタイトルと中身がミスマッチと思う。まぁ中身は面白かったのでよしとしよう。

    普段お坊さんなどと接する機会ないのでよくわからないが、臨済宗相国寺派の僧侶は、面白い話し聞いても笑わないんだ(笑)
    講師に失礼に当たるから?それとも喜怒哀楽出さないのが教えなのだろうか?

    米国で強い影響力あるのがユニテリアンということは初めて知った。ユニテリアンは教派横断的に存在する。カルヴァン派やルター派にはいないがバプテスト派やメソジスト派にはいる。その特徴は、キリストは偉大な教師で模範と言えるが神の子ではないとのこと。なるほど。

    イギリスの社会人類学者ゲルナーの「民族とナショナリズム」という著者、機会あれはトライしてみよう。
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    投稿日:2020.07.18

  • midnightwakeupper

    midnightwakeupper

    まず父の死の話で惹きつけ‥同志社大学はミッション系ではなく、「キリスト教主義」を標榜するだけあって「日本のキリスト教を作るんだ」と神学部の授業には仏教学(本格的)も採り入れられていた。佐藤は「サンスクリット語も学べますか」「金と暇がないと出来ない、君には無理」と有難い教示で脇道に外れなかったが仏教の知識はそこらの僧侶よりあるかも知れない。葬式仏教と揶揄される現状を「葬儀をするというのは一番大事なこと」と聴衆を持ち上げる(いつもの事だが場に合わせるのが上手い)。話は国際情勢にまで及んで青年僧侶の質問に答える続きを読む

    投稿日:2019.04.17

  • ysuke5588

    ysuke5588

    同志社大学大学院神学研究科出身の佐藤優さんが相国寺で僧職の方に向けて行われた講演会の内容が書かれています。

    正直、話の展開が早く、なかなか難しい本でした。

    宗教の人類に果たす役割について、神学学者の観点で書かれています。なかなか、話を聞く機会の無い神学者の思考に触れられて興味深かったです。

    原発問題。新興宗教について。イラン問題民族問題。沖縄問題等々

    様々なテーマについて話をされています。

    私自身、特に特定の宗教に対して信仰が有るわけではない、典型的な日本人の宗教観を持っていると思っています。

    自分が死んだとき、何となく仏教式の葬式だろうとおもっています。ただ、かといって仏教について深く理解しているわけではないです。

    ただ、色々な思考の奥に仏教が影響しているのか?すごく興味が湧いてきました。

    今まで考えたことの無いことを考えるのも、本のよさですね(^-^)
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    投稿日:2018.07.07

  • キじばと。。

    キじばと。。

    臨済宗相国寺派主催の研究会で著者が4回にわたっておこなった連続抗議の内容をまとめた本です。

    現代の国際政治において、宗教間の対立が重要な問題としてクローズ・アップされています。本書は、宗教を単に社会現象として扱うことで国際政治の動きを解説するのではなく、それぞれの宗教における神学ないし教学の内在的な論理から、なぜそのような事件が生じたのかを読み解くという試みをおこなっています。また、ロシアと沖縄の民族問題において宗教がどのような役割を演じているのかということも、外交官だった著者ならではの視点から論じられています。

    さらに、グローバリズムが加速する中でファシズムの台頭が懸念されるという危惧を述べた上で、中間団体が民主主義の砦になりうると主張し、現代日本において仏教の果たすべき役割についての提言をおこなっています。

    キリスト教神学を基軸に、ナショナリズムとマルクス主義を三一的に統合するというのが著者の政治評論の特有の視座であることはよく知られていますが、本書はどちらかというと民族の観点が中心となって、宗教の果たしている役割を見積もるというスタンスで考察が展開されているように感じました。その意味では、「サバイバル宗教論」というタイトルは本書の内容をうまくいいあてているように思うのですが、個人的にはもう少し宗教の方に基軸を置いた濃密な議論を期待していたので、若干期待はずれに感じてしまったところもあります。
    続きを読む

    投稿日:2017.08.27

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