【感想】1985年のクラッシュ・ギャルズ

柳澤健 / 文春文庫
(11件のレビュー)

総合評価:

平均 4.9
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  • 久々に現れた素晴らしいプロレスノンフィクションライター

    柳澤健の処女作『1976年のアントニオ猪木』は衝撃的なおもしろさだった。

    久々に武道、格闘技、プロレスのジャンルですごいライターが出てきたと思った。

    プロレスとはとても不思議なスポーツであり格闘技であり、エンターテイメントだ。

    ”プロレス”という言葉がシナリオのあるガチという意味で使われるようになって久しいけれど、
    観る人は目の前の出来事が、決められたシナリオに沿っていながら、
    どうしようもなくそこにのめり込んでいってしまう。

    戦後の荒廃から立ち上がってきたプロレスは、
    時代の空気を感じ取りながら、人々の欲求不満のはけ口となってきた。

    10代の少女たちがクラッシュギャルズとして国民的アイドルレスラーになっていく過程、
    そして活躍と確執、プロレスにかける思いと裏切り。

    二人の生い立ちから、その後2010年まで女子プロレスが辿った道と結果まで。

    興味のない人にとって、プロレスは色物にしか見えていないかもしれないが、
    その裏に驚くような人間ドラマがあることを、この本はものすごいおもしろさで語ってくれるのだ。
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    投稿日:2015.07.08

ブクログレビュー

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  • dennotai

    dennotai

    著者の柳澤健さんが自ら「最高傑作」とおっしゃるだけのことはある作品。ライオネス飛鳥と長与千種とで結成された女子プロレスのコンビ・クラッシュギャルズの評伝。これもまた人間世界のあらゆるドラマが織り込まれた女子プロレスの青春記。女子プロに関心がない人でも読めば必ず引き込まれると思う。

    ちょっと時間がないので、またヒマな時に詳細を必ずや書き足します。
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    投稿日:2019.01.04

  • largeaslife

    largeaslife

    キンドルのセールで購入(200円弱)。

    クラッシュギャルズの時代と絡めた時代考察かと思いきや、クラッシュギャルズそのものについての考察だった。

    世代的にはドンピシャだが、女子プロは見ていて涙が出てきてしまうので、あまり見ていなかった。ここに書けなかったことも多いだろうが、それでも十分に面白く、まだまだ読み足りないという印象を受けた。

    続きを読む

    投稿日:2018.10.12

  • haruyato

    haruyato

    最後まで著者を勘違いしてました。やられた。
    クラッシュギャルズは世代的には少々当たってるのだけど、全くはまれなかったので、ハマってた人達の心境が面白い。
    そして女子プロの過酷さはもはや感動モノ。

    投稿日:2018.02.07

  • 古泉智浩

    古泉智浩

    このレビューはネタバレを含みます

     冒頭を読み始めたら最後まで読むのを途中でやめられないほど面白く、読むのが遅いオレには滅多に無い読書体験だった。クラッシュ・ギャルズに全く思いいれもないしそれほど興味もなかったのだけど、それでも大変おもしろくてぐいぐい引き込まれた。普遍的なものがたくさん描かれているからだろう。間違いなく名著である。中でも中高生の女子がかっこいい同姓に惹かれる理由が語られているのが面白かった。全日本女子プロレスの経営のいい面と悪い面も面白い。

     長与千種の方が圧倒的に人気があったことも初めて知った。彼女の天才性が周りをざわつかせている感じや、ファンが彼女の計算高さを知っていても熱狂するのも面白かった。改めてあの時代にきちんと見ておけばもっと面白かったのだろうともったいない気持ちになった。

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    投稿日:2017.01.26

  • reinou

    reinou

    このレビューはネタバレを含みます

    2014(底本11)年刊。本書は1980年代半ば一世を風靡した女子レスラー、クラッシュ・ギャルズ/長与千種とライオネス飛鳥の評伝。が、そこに彼女らのファンが高じてプロレスライターになった伊藤雅奈子氏の視点が加わることで、読者としては同時代感が付与される。自分の物語として読めるような本書の仕掛けは上手い。私自身は伊藤氏より少し上の世代。また、当時でも、彼女らが歌も歌うアイドル・レスラー程度の知識はあったし、それより前のプロレスブームもあって、巧妙な演出下で行われる興行がプロレスだ、程度の知識は持っていた。
    ゆえに、彼女らに嵌ることはなかったものの、会場を埋め尽くす女の子たちの黄色い歓声が、従前のプロレス(特に男)とはだいぶ違うなぁとの感はあった。が、彼女らもアスリートながら、集客力を要するプロ。アスリートとしては恵まれなかった長与と、「プロ」としては長与に見劣りした飛鳥とが、各々の立ち位置を探し続ける相克物語としてみれば、多くの類似の物語を探せるし、彼女らに感情移入し得るはず。加え、80年代と10年代の断絶を雄弁に語る11章以降が秀逸。

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    投稿日:2017.01.23

  • 芋がゆ

    芋がゆ

    見てたんだよねー。小学生の時、母と一緒に。女子プロレス。
    華奢な千草とボーイッシュな飛鳥と、そして極悪同盟の皆様。。

    本著では、当時見えなかった舞台裏をもう一人の少女の物語も絡めながら進行していく。その絡め方が秀逸で、アラフォーの読み手は昭和のあの頃を思い遠い目。時代は変わった。

    時を同じくして見たYouTubeダンプ松本のルポも同時視聴オススメ。
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    投稿日:2014.12.07

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