神社ツーリズム

東條英利 / SPA!BOOKS新書
(1件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • あまぬさ

    あまぬさ

    元々神社を巡るのが好きであったのだが、昨年(2016年)に、約13年半振りに出雲大社参りに行くのがきっかけで購入。
    著者が東條英機元首相の曾孫で、かつ自分と同年代であり、「神社ツーリズム」という言葉に興味を抱いたことも購入した理由である。

    本書が著されたのは、伊勢神宮と出雲大社の遷宮が同時に執り行われた2013年であり、俗に言う「パワースポットブーム」の最中でもあったことから、出版するに至ったと考えられる。
    自分としては「パワースポット」などという軽薄な"御利益主義"など微塵も興味無かったので、実のところ内容にはあまり期待していなかったのだが、意外にも"日本文化論"的な色合いの強い著作であった。

    本書はまず、日本の常識が世界でいかに非常識であるかという、ありがちな比較文化論から始まるのだが、そこから神社や神道にフォーカスした"神道論"的アプローチで展開される。
    万葉集や記紀神話を題材に、日本の神々にまつわる逸話をちりばめながら、分かりやすい文体で日本の神道という視点から眺めた日本文化の特異点をあぶり出していく。

    更に、一般的に知られているようで知られていない(歴史の教科書では決して触れられることの無い)「伊勢と出雲」や「神道と仏教」の関係性についても、筆者独自の視点で述べられており、日本文化の成り立ちを多面的に学ぶ取っ掛かりとしても、有効な視点であると感じる。
    また、著者は「歴史は"心理学"で読むべき」と主張していることも、斬新ではあるが共感する視点であった。

    著書名でもある「神社ツーリズム」に関しては、最終章になってようやく述べられるのだが、筆者は「神社ツーリズムとは、全国約8万社に点在している神社それぞれの点を線で結び、これまで気付かなかった多彩な個性と出会おうという新たな試み」であるとしている。
    歴史・文化・宗教といった、どちらかと言えば従来型の旧態依然としたアプローチではなく、神話のストーリーや神社の系列等をテーマにした"聖地巡礼の旅"や、個人・企業レベルにおける"御利益参拝"といったアプローチでも、新たな発見や気付きを得られるというという意味での「ツーリズム」というのだ。
    自分も事ある毎に日本の聖地と言われている神社を訪れるが、確かに参拝する度に新たな気付きを得られ、日本の歴史と文化の深さを(頭ではなく肌で)実感することが往々にしてある。

    筆者は最終章にて、「神社の面白さは、学びの全方位型の"プラットフォーム"として、多種多様なテーマに広く対応できるところにある」と述べている。
    これが過大表現か否かは読者の判断に委ねられようが、昨今、今上天皇の生前譲位がメディアを賑わす中、この問題(として捉えているのはメディアの表現であるので、ひとつの"考え方")を、単なる法律論や形而下的・合理的考え方云々で片付けるのではなく、太古から連綿と受け継がれている歴史や文化に想いを馳せ、尊崇の念を抱いて捉えることも必要なことではないかと感じた一冊であった。

    内容的には星4つであるが、誤字脱字が多く見受けられたので、星3とした。
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    投稿日:2020.01.29

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