【感想】夢うつつ

あさのあつこ / 文春文庫
(11件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • mutotsu55

    mutotsu55

     エッセイを物語へと昇華させる6編収録の短編集。現実が物語の世界になると、どのように変化するのかを楽しむことができる。こうした作品は今まで読んだことがなく、新鮮な印象を受けた。
     最後に収録された「生姜湯のお味は?」という作品は他の作品とは性格が異なり、ややミステリ仕立てになっている。他が何となくファンタジックな作品であったために、妙に現実に引き戻された感じがしてしまった。続きを読む

    投稿日:2023.03.21

  • おれんじ

    おれんじ

    このレビューはネタバレを含みます

    くじら坂
    もう一回読みたくなる。いつから男の方が生きていると思い込んでいたのだろうか。思い込みは本当に怖い。本当は至るところにヒントが隠されている。死者は当時の年齢から歳を重ねない。

    まぁちゃんの白い花
    自分の中には本当はたくさんの感情がある。それに今まで気が付いてこなかっただけ。気が付く経験が少なかっただけ。でもそれは、とても大切な経験。知らない方がもしかしたら幸せだったのかもしれないけれど、それを知って、他人の痛みや感情に気づいてあげれるようになるのが人間。ようやく人間になれてきたかな。
    このまま黙っていたら、二度と素敵に笑えなくなる。小学生でこんな言葉が言えるだろうか。すごい小学生だ。大人の方が、この事をわかっていない。本当に真っ直ぐ生きているだろうか

    レンゲ畑の空
    確かに、自分の好きは人にとっても好きだと思っている嫌いはある。

    どっちだ?
    軽んじられずに生きていくことって案外簡単なようで、難しい。寛容でも、何か結果を残していれば、それはおおらかさ、人としての器のデカさになる。けれど、結果がなければただの偽善者だ。かといって、いつまでも過去の結果に執着していてはいけない。常に何か目標をもって、それを見つめながら生きていかなければいけない。それが見つかりつつある。
    この話しはかなり好き。自分を疑うことほど恐ろしいことはない。

    生姜湯のお味は?
    ボーッとする時間も必要。全ての物事を考え込みすぎてしまってゆとりがなくなると、かえって良いアイデアには恵まれない。北極星(自分の生き方の指針)を見て、ぼんやりしていると、見えてくるものもある。
    型通りのお説教になっていないか?本当にそれは自分の言葉か?本心なのか?明確な自分をもって、自分の言葉で語れるようになりなさい。
    他人のために感情的になれるだろうか?
    やはり信じることができる人は強い。
    どれだけ蔑ろにされようとも、人のために生きることを見失ってはいけない。恩を感じる気持ちを忘れてはいけない。恩は返し、後ろへと繋いでいくものだ。「つなぐ」って大事。

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    投稿日:2022.07.23

  • りな

    りな

    このレビューはネタバレを含みます

    あさのあつこが描く平凡な日常から想像される物語6篇。エッセイ調の短編集。

    17歳の少年と恋人。ある時2人は事故に遭う。

    小学生の少女のいやがらせ。

    都会に出てきた女性と故郷のレンゲ畑。

    家に出た大きな蛙の森くん。

    霧の中を走る車。

    旦那様が猟銃で殺された。犯人は。その動機は。

    ぼーっとしとるのって、気持ちがええで
    他人が羨ましいなんて、口が裂けても言うんじゃないぞ。

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    投稿日:2020.12.03

  • ひとこ

    ひとこ

    2016/02/20読了

    著者の日常のエピソードからそれを「フィクション」の世界に読者を引きずりこむ、面白い手法だと思った。
    現実は小説より奇なりとはよく言うが、そんな劇的なことが毎日しょっちゅうあるわけでもなく。
    でも、その毎日の導入は、フィクションもノンフィクションでも大して変わらないのでは。
    エッセイは作家とはいえ一人の岡山に住むオバチャンなのだ。
    そこから始まる物語っていうのもなかなかに面白い。

    ミステリーでトリックとしてはとってもシンプルだけど、オバチャンの立場を上手く使った「生姜湯のお味は?」

    ホラーチックで真相は不明「どっちだ?」

    ファンタジーなのかコメディなのか、少年と宇宙人カエルの「森くん」

    ジブリ作品"おもひでぽろぽろ"に似た少女時代と現代を重ねる「レンゲ畑の空」

    子どもを持つ母といじめと子どもの社会と「まぁちゃんの白い花」

    導入でこればかりはエッセイ→物語の境目が曖昧だった
    そして終わりもどこかふしぎだった「くじら坂で」

    その全てのジャンルは異なり、言い換えれば様々な小説の出でる場所、否、生み出されるのは著者の場合だと生活そのものであり、そこから空想が物語を作っているのだろう。
    その感性というか、枝のように生活から小説へシフトするのを視覚化した作品集だったように思う。
    そもそも日常を取るに足らない出来事を、ちゃんと文章として表すことが出来ることに「作家」としての「才」を感じたのである。
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    投稿日:2016.03.06

  • 文藝春秋公式

    文藝春秋公式

    【平凡な日常からつながる不思議な6つの物語】日常生活の一場面を綴ったエッセイから一転、現実と空想が交錯する物語が展開される六つの連作短編集。あさのあつこの意欲作!

    投稿日:2014.09.09

  • arukudesu

    arukudesu

    このレビューはネタバレを含みます

    エッセイと短編が一緒になった作品。
    日常のある場面がこんなふうな作品に展開するんだってとても感慨深いです。

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    投稿日:2014.09.07

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