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大江健三郎 / 新潮文庫 (24件のレビュー)
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マサ
相変わらず、大江健三郎さんの短編集は、どの話もダークな雰囲気の中に皮肉や人間の本質が描かれていてとても面白い。これは他の短編集に比べるとちょっと難解だったかな。 しかし、「敬老週間」はとても皮肉が込め…られたラストで笑っちゃうし、「スパルタ教育」「犬の世界」などは自分は大好物。「空の怪物アグイー」は長編「個人的な体験」の逆のモチーフでとても興味深かった。 大江作品は亡くなってから読み始めたけど、こうなったら全作品読破するしかないな。続きを読む
投稿日:2023.08.14
ヨーダ
恐怖からの逃避と自己欺瞞、ここから個人的な体験に繋がるのか、すごい 街の愚連隊だった時分もかれはいかにも卑小な快楽にストイックに充足して生きていたにちがいないという気がするの。
投稿日:2023.04.27
1768159番目の読書家
なかなか難解ではある。 最後の解説を読んで何となーくテーマが明らかになる。 人間の恒常的な状態は恐怖である。 現代人間の欠落した内面は、恐怖という非存在によって埋められる。→恐怖の発見と、その恐怖か…らの逃亡の拒否(という矛盾)によって人間は成立する。 ↑ 「恐怖の前での自己欺瞞」 が全体のテーマとして描かれているらしい。続きを読む
投稿日:2023.04.16
昔南京にいた女
短編集。めちゃくちゃ心震え感動に胸打たれた!というものはなかったが、どれもそれなりに面白かった。『不満足』は暗すぎて好きではないが。 全体的に暗いのはいつも通りだが、それプラス諧謔、皮肉が効いている…印象を受けた。 『スパルタ教育』、『敬老週間』、『アトミックエイジの守護神』は特にそう。『スパルタ教育』は特に好き。「恐怖は負け犬でいるよりマシ」というメッセージがとてもストレートに描かれている。 『空の怪物アグイー』は、『個人的な体験』と同じテーマを扱いながらだいぶ軽やかだなと思った。 解説の「副題をつけるとしたら『現代の恐怖』」というのは的確だなと思った。様々な恐怖が描かれていて暗い。続きを読む
投稿日:2023.04.10
しんめん
どれも安定して面白い貴重な短編集。 オーケンが文字で表したい事がしっかり明示され、最初期と比べるとライトさも感じる。彼の入門書として最適解かもしれない。
投稿日:2022.09.15
takaseki
30年ぶりの再読。いや、再再読か再々再読か。 いくつかの長編の間の短編集だったと記憶する。 物語世界としては、「不満足」は『個人的な体験』へ、そして「空の怪物アグイー」は『個人的な体験』の赤ん坊が死…んだ、(火美子の言うところの)多元的な宇宙の話と受け取れる。 今から30年くらい前の大学生の頃は大江健三郎の韜晦趣味の文体は非常に気持ちよくてしかしみずみずしさがあって中毒になったものだが、今読み返すとうじうじしてちょっと恥ずかしい。ヘンリー・ミラーの影響がそこかしこにうかがえてそれも鼻につく。読み手の私が年を取ったせい、おっさんになったせいだろう。 でも、その後の『洪水は我が魂に及び』『同時代ゲーム』など、彼の小説に対する向き合い方は好き(政治思想は大嫌いだが)。 というわけで次は『個人的な体験』を30年ぶりに再読しよう。昔付き合った女性に会うみたいでちょっとドキドキする(笑続きを読む
投稿日:2022.06.16
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