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大江健三郎 / 新潮文庫 (10件のレビュー)
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総合評価:
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トグサ
このレビューはネタバレを含みます
大江健三郎の描く戦後文学は、戦後生まれの僕達にとって、もはや神話である。 鬱屈した自意識過剰な主人公。 19世紀西洋小説的。 ロマン・ロラン的。 文庫本あとがきによると、大江健三郎自身が終戦当時、そのような感慨を抱いていたらしいが、この長編は、第2次世界大戦の戦線に立つのに”遅れた”という意識を持つ青年が主人公であるところが、戦争を全く知らない僕には興味深い。 ある意味、必然的でない後半の犯罪が、小説に影を彩る。
投稿日:2019.02.03
longirostris
10年ぶりくらいに再読。以降の長い作家生活の中での作品を思うと、これは初期の総括と言える作品かもしれない。政治的と対比させた大江健三郎の性的な、負け犬的なモチーフが些か中二病的な趣きを讃えながら、漲っ…ている。続きを読む
投稿日:2017.12.24
venezia
再読。作中にも一瞬顔を出すジュリアン・ソレルを下敷きに、そしてまた『芽むしり仔撃ち』の面影をも揺曳させつつ、逆説的に語られる「わたし」の自叙伝。「すでにわたしはいかなる人間の情熱をかきたてるヒーローで…もなく、いかなる世代の証人でもない。わたしは、あなたとおなじだ。」―こうして閉じられるエンディングはまことに寂寥感に満ちている。大江自身にとって、それは同時に60年安保の敗北と終焉でもあったのだから。この作品は、ここでもレビューがそれほど多くはない。もはや、熱い共感を呼ぶことはないのだろうか。続きを読む
投稿日:2013.09.24
keith68
人間が自分の運命的な出自に対して、どこまで抗えるかの挑戦を描いた作品。 戦後期という混乱の時代だからこそ成しえた生き様は、只々鮮烈。
投稿日:2013.04.22
27
青年の純粋さが突き抜け過ぎていて狂気でした。 みんな狂気。 こういう本を定期的に読まないと、気が済みません。 13.03.16
投稿日:2013.03.20
nakaizawa
(1971.02.04読了)(1971.01.07購入) 内容紹介 地方の山村に生れ育ち、陛下の勇敢な兵士として死ぬはずの戦争に、遅れてしまった青年。戦後世代共通の体験を描いた半自伝的小説。
投稿日:2011.11.15
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