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ダン・シモンズ, 酒井昭伸 / ハヤカワ文庫SF (8件のレビュー)
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一条浩司(ダギナ)
『エンディミオン』に続くシリーズ第四弾。オールドアース到着の4年後、エンディミオンの新たな冒険が始まる。 前作までの大冒険の末、たどり着いたオールドアースにて4年を過ごした一行。少女アイネイアーが1…2歳から16歳へ成長する姿を見守っているのかと思ったら、いつしか弟子のような立場になってしまっているエンディミオン。やがて人類の救世主として立つべき彼女の存在感は圧倒的なものになっていた。互いに惹かれあいながらもまだ男女としての関係がはっきりしないまま、エンディミオンは一人での旅立ちを命じられる。 今度は一人で冒険することになり、前作のような転位をしつつ、これまで以上にとんでもない目にあう。ネタバレは避けるが、あの痛みの正体があんなものだったとは……リアルすぎる(汗)。さらに満身創痍になってボロボロになるエンディミオン君が心配になる。 一方、引退したデ・ソヤ神父大佐が呼び戻され、前作での失態を許されて戦線に復帰するものの……。パクス軍は一枚岩ではなく、その周辺の組織も含めて謀略の限りが尽くされるあたりが読みどころ。 仏教世界を再現した〈天山〉でのアイネイアーの説教はまさに哲学。作者はもともと途方もない博学なのだろうけれどアメリカ人なので、東洋の哲学や仏教については本当によく勉強したものだと思う。愛の力が、強い力、弱い力、電磁気力および重力に並ぶ、宇宙の力の一つなのだという発想が面白い。AIに宿る魂とキリスト教の教義を兼ね合わせた、つまり科学と宗教、SFとスピリチュアルの融合された論説が本作の魅力の一つだろう。 ナノテクノロジーの展開とアウスターの正体についても衝撃。AIと人類の「共進化」という関係について言及されるあたり、1997年刊の本作は今こそ読み直されるべきテーマを語っていると思う。続きを読む
投稿日:2023.06.08
paraparayomu
新刊の単行本でも買いたくなる面白さ 完結 表紙 7点生籟 範義 酒井 昭伸訳 展開 8点1997年著作 文章 8点 内容 811点 合計 834点
投稿日:2017.06.06
バランスボール
いじめっ子は一度いじめられる経験をしたほうがいい、そうすれば他者への思いやりの心が生まれる それを人類全体に拡大したのが この本のラストに起きたことだ レイプされる人間とする人間等々、あらゆる人々…の精神がつながって究極の共感感覚が訪れる、 そして人類はあらたなステージへと進化する 本当にそうだろうか 人は自転車に乗ったり車に乗ったりする 自転車に乗っているときは車に対して 車に乗っているときは自転車に対して思いやりがない 簡単に書くと「邪魔だ」と思いながら双方運転している この心境の変化は乗り物を乗り換えた瞬間におとづれる 立場が変わった人の心理は変化する 過去の経験は一瞬で忘れ去られる続きを読む
投稿日:2014.06.18
massy
「エンディミオンの覚醒」ダン・シモンズ/酒井昭伸 訳 SF叙事詩。ラピスラズリ。 ハイペリオン4部作の第4作。 パクス-〈コア〉と〈教える者〉アイネイアーの対峙が混乱を増しながら、新たに登場してくる…舞台役者たち。 はじめは少し"本筋から脱線"しているようで焦れったいかもしれませんが、全てはハイペリオン4部作を畳みきるエンディングに向かっていきます。 ここまでの3作をすら足場にして築き上げられる多層的、多相的、多元的な宇宙の織地…。 この年になってレビューでこの形容を使うのはこっ恥ずかしいが、これ以上に最適な形容がないから仕方ない。 「愛は時空を超える」物語です。 僕は小説を読んでいて感動して鳥肌立ったページの端を折る癖があるのですが、 本作下巻の最後200ページ超、ずーっと鳥肌立ちながら読了です。 それも2度目の再読なのにもかかわらず。 ハイペリオン4部作は本当に神懸かっていると思います。 "これまでSFを読んできたものへのごほうび"(大森望さん)とか、「最終小説」(夢枕獏さん)とか、大絶賛ですが、、本当に自分のレビューじゃ筆舌に尽くし難いスケールの傑作。 フィロソフィーではないでしょうか。オールマイベスト。(5)続きを読む
投稿日:2013.08.06
dnwtkys
超大作の完結。やや残酷なシーンがあるので苦手な人は注意。宗教観や倫理観を絡めうまくまとめている。魅力的なキャラクター。
投稿日:2011.02.08
あゆみ
これも上下まとめての感想しかメモしていなかった… えーこうやって終わるの!? 宗教書かなにかかと思った…。個人で惑星への転位ってスゴイんだけれど、大天使級戦艦とか、ホーキング航法とかのほうが面白いの…にな…。 アイネイアーの死に方が痛かったけれど、最後にオールドアースでの蜜月があって良かった… 各惑星の、パクスへの反乱描写はたのしかった続きを読む
投稿日:2010.05.29
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