【感想】The Indifference Engine

伊藤計劃 / ハヤカワ文庫JA
(134件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
28
57
32
1
1
  • 作者が長命でさえあったなら…。

    私たちは、伊藤計劃のセンスオブワンダーと独特の暗く狂気に満たされた21世紀の日本SFの極端を覗き見ることができたのかもしれません。
    近代以降、全ての哲学者、表現家にとって問題となるのは一神教下のプレディスティネーション上における自由意志の存在の有無についてです。
    伊藤計劃はこの点に非常に深く切り込んで一定の回答を得ながら、平易勝つスリリングに物語を紡げる非常に稀有な作家だったのでしょう。
    感銘を受ける作品がいくつかあると思います。
    短編ゆえのこなれないパロディも作者が死んでしまった今となっては厳しく評価する必要もないでしょう。
    短命にもかかわらず輝いた一個の才能に!
    星5つ。
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    投稿日:2016.11.30

  • 『虐殺器官』から『屍者の帝国』までのエッセンスが凝縮。

    表題作『The Indifference Engine』はルワンダ虐殺と少年兵問題を題材にした『虐殺器官』につながる一篇。その他にも、「007」や「メタルギアソリッド」などを元ネタにした短編小説、漫画が収録されていますが、どれも円城塔が書き繋いだ『屍者の帝国』と共通したイメージが感じられ、出所はこのあたりからかと思われます。
    もう新作は読めないんだなと思うとさびしいですが、いかに伊藤計劃が多才な作家だったのかということを思い知らされる一冊です。
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    投稿日:2013.11.23

ブクログレビュー

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  • じゅんさん

    じゅんさん

    単語やら難しい表現が飛び交うが特に気にせずわかった気持ちになって読めばおもしろい。
    その分野に明るい読者であれば何倍もその魅力は増すと思う。

    投稿日:2023.07.14

  • らいら

    らいら

    虐殺器官やハーモニーに対する補完作品や、メタルギアソリッドやある有名映画のオマージュ作品かな?
    From the nothing, with love.が、伊藤計劃の他の作品とも違ったまた独特の世界観のある作品で、なかなかな着眼点に基づくSF作品で特に良かったです。続きを読む

    投稿日:2022.11.18

  • こじま

    こじま

    著者の恥部を覗き見ているような感覚。

    虐殺器官や、ハーモニーの前身。学生時代に書いた漫画など。所々チープな場面はあれど、天才の片鱗は十二分に感じられる。
    ただ、メタルギアソリッドを知らないと物語に入り込めない短編もあり、読むのに骨が折れた。さすがにこの為だけにゲームはできない。続きを読む

    投稿日:2022.07.30

  • はる

    はる

    愛、とかつて呼ばれたもの。最初は確かに愛だったもの。それは年経るごとに変質し、かつての性的な情熱や孤独を癒やして欲しいという狂おしいまでの欲求を喪って、生活のリズムに、共に生きるためのアルゴリズムへと変化してゆく。愛が最終的に行き着く先、愛の究極とは、相手の痕跡を生活に刻むこと。愛する者のパターンを、互いが自身の人生に繰り込むことなのだ。続きを読む

    投稿日:2021.05.04

  • きむ

    きむ

    伊藤計劃の世界観が詰まった短編集。人間とはというテーマでリアルかつ残酷に物語を描いている。おそらく、もっと深く詳細なテーマがあり、今の自分では読み取れ切れないのが残念。虐殺器官、ハーモニーを再読したくなった。続きを読む

    投稿日:2021.03.12

  • 伊藤

    伊藤

    虐殺器官との繋がりもあり、面白かった。
    自分は、この中では『the indifference engine 』が一番面白かった。虐殺器官と比べてみることができ、また、「戦争が終わっても、本当の意味での戦争は終わっていない」というのがとても印象的だったからだ。
    その他の作品で、読みづらいものや難しいものもあったが全体的にとても面白かったと思う。
    衝撃的だった作品は、『セカイ、蛮族、ぼく』だ。冒頭から凄かった。曲がり角でぶつかる、漫画、ゲームで定番のシチュエーションで、伊藤計劃さんらしくないと思ったが、その後で納得(というか圧倒された)した。長さは短いが、内容が深かった。
    『屍者の帝国』の冒頭も収録されていた。面白かったので、今度本編を読んでみようと思った。
    続きを読む

    投稿日:2020.11.29

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