【感想】know

野崎まど / ハヤカワ文庫JA
(185件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
43
70
44
6
1
  • 意味深なラスト

    Google Glassがさらに進化したような“電子葉”の移植が義務付けられた未来。人類は自由にネットワークにアクセスし、情報を引き出せる身体を手に入れたが、得られる情報量とプライバシー保護のレベルには社会的な格差が生じていた。
    日本でも有数の特権階級に属する“連レル”は、すべてを知りたいと願う少女“知ル”を連れて、究極の知を求める手助けをする。
    彼女が本当に知りたかったものは何か?
    そして人類は新たな知の領域に踏み出すことができるのか?
    ラストで明らかになる真相に、思わず唸ります。
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    投稿日:2013.10.06

  • SF作家・野崎まどの本領発揮

    野崎まどといえば、メディアワークス文庫から変格ミステリ作品を多く発表しているライトノベル作家ですが、本作はミステリ要素抜きの本格SFです。
    人間にインプラント型通信機器・電子葉が装着され、世界を過剰な情報が飛び交う未来社会。
    そこに出現した、未来すら予測できる量子葉を持つ少女の4日間の冒険が描かれます。
    少ないページ数でやや駆け足気味ではありますが、バトルありロマンスありと密度は濃いです。
    そして何より特筆すべきは、ラストの美しさ。なぜ仏教が引用されるのか。量子葉でしか為せないこととはなにか。すべての要素がピシッと噛み合った感動を覚えました。
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    投稿日:2013.10.08

  • 分かりやすいストーリーと分かりやすい結末と分かりやすいオチ

     いきなり読み手の反感買いまくりな主人公らしき男が登場して読むのを止めようかと思いましたが、そこはそれ、わたしももういい大人なので最後まで読みましたさ。
     そしたらなんでしょうね、これは、なんて読みやすいんでしょ。分かりストーリーに分かりやすい結末に分かりやすいオチ。もちろんだからダメなんてことは全然無いので、SFがあまり得意じゃないと思っている人は、ライトノベルの延長だと思って読んでみるといいかも。
     ただ、どちらかと言えば「何が書いてあるのかよく分からないけど、なんか凄いことだけは分かる」お話の方が、SFっぽい気がするのん。個人的には、ね。
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    投稿日:2013.12.10

  • ありきたりの人物設定や展開にゲンナリ

    もしある事柄について、一切の外部機器に頼らず、電子葉というものを入れられた自分の脳内だけで、しかも瞬時にわかってしまうとしたら?
    「最初から知っている」ことと「調べて知る」ことの差異はなくなってくる
    その時、「知らない」という感情は起こらないか、一瞬すぎて痛みも感じないか?
    逆に調べられない時に感じる「知らない」気持ちとはどんなものだろう?
    面白そうだ。
    が、謎の少女が登場したところで我慢しきれず、ねをあげました。
    人物設定も展開もなんら新鮮味を感じない。
    同じツボを刺激されて気持ちよくなれる人ならいいのかも。
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    投稿日:2013.12.11

  • かなりSF

    表紙の印象から低年齢向けのライトノベルなのかと思ったけど違った。これは表紙でかなり損をしてると思う。
    若くしてエリートと呼べる地位を手にしている青年や特殊能力(とはちょっと違うけど)を持つ美少女などキャラはライトノベルだけど、話はすこぶるSF。
    頭に電子葉を入れた人々が暮らす未来は携帯端末を使わずにネットとつながり、なんと街を作る建材にも情報を取得する機能が備えられ、現代よりもさらに情報にあふれた世界になっている。
    著者の情報の捉え方が、よくあるSFの設定より一歩踏み込んでいて面白い。
    こんなにキャラが立っちゃってるのにそれに引きずられないのもすばらしい。
    今はネットに流出する個人情報やどこに蓄積されているかわからないプライベートな履歴に戦々恐々としているけれど、さらに情報があふれる社会になるとたしかに考え方もこんな風に変わっていくのかもしれない。
    師と仰ぐ教授と青年の会話、青年と少女のなんかずれてる会話、いつまでも聞いていたくなる不思議な感じだ。
    ラストはそこだけ取り出すとファンタジーにしか思えないが、物語を読み終えてその一文に出会うとしみじみとした感動を味わえるだろう。
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    投稿日:2014.09.30

  • サイエンスぽいファンタジーだと思った

    最初は面白そうなサイエンス・フィクションだと思いワクワクしながら読み進みました。しかし、連レルと知ルがダンスを踊りながら銃撃を避けるシーンを読んで、ガッカリしてしまいました。スポーツをしている人なら、分かってもらえると思いますが、自分の体は思うほど動かないという事。予測できて知ってるだけでは、体を動かす事はできない。しかも量子葉を持っている知ルだけでなく、通常の電子葉しか持っていないレルまで踊りながら銃撃を避けている。いくらなんでも無理があると思った。これはサイエンスぽいファンタジーだと思った。最初からファンタジーのつもりで読んでいたら気にならなかったと思うけど、サイエンス・フィクションだと期待していたので・・・続きを読む

    投稿日:2024.03.02

ブクログレビュー

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  • 岬

    このレビューはネタバレを含みます

    世界観と物語の締め方は好き。ただキャラクターには全く魅力を感じられなかった。あえてそういう描き方かもしれないけど。終盤のロリコン的展開にはドン引き。部下の女性キャラもほぼ意味がなかった。

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    投稿日:2024.03.23

  • iyokann0

    iyokann0

    このレビューはネタバレを含みます

    最近は久しぶりに死後の世界とか霊とかおばけとな、そう言った類のことを考える機会がおおかったけど、今回もそんな感じの話にぶち当たって、やっぱり考えているものは引き当てるものなんだなと思った。2歳の息子は自分になる前を覚えてるっていうし(日本以外の国の男性で独り身だったらしい笑)やっぱり魂の生まれ変わりとか、死後の世界とか、あったらいいなって思う。知りたい!とは生きるということと言われて、ああ、良かったと思った。

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    投稿日:2024.03.13

  • ykikuchi

    ykikuchi

    情報のやり取りは脳に埋め込まれた「電子葉」で処理がされるのが当たり前の未来社会。全て、全知を手にいれるために行動する天才学者とその娘。

    ブラックホールの中を覗ける場にいたら、覗きにいくだろうか?2度と戻ってくることができないとわかっていても。知りたいという欲求を叶えるために、天才はあらゆる準備を重ねるのだ。凡人には思いもよならい方法で。
    今回も私の想像を超える世界を見せてくれた作品でとてもおもいしろかった。
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    投稿日:2024.03.09

  • マジュール

    マジュール

    友人に教えてもらい手に取った。
    今まで読んだ事のないライトノベルのようなジャンル。近未来SF.将来こんな脳葉電子葉をいれた世界が実現しそうとワクワクしながら読んだ。読みやすく映像化しやすい。

    投稿日:2024.01.30

  • ユヅ

    ユヅ

    人々の脳に『電子葉』というコンピュータを埋め込んだ近未来日本。
    高度なユビキタス社会の描写も面白かったし、主人公たちの辿る物語も非常に面白かった。
    終盤のちょいとアダルトな展開は蛇足に感じたけど、全体的にはとても楽しめました!続きを読む

    投稿日:2024.01.04

  • sagami246

    sagami246

    このレビューはネタバレを含みます

    未来の日本には、あらゆる場所に情報センサーがあり、そのセンサーを通じてあらゆる情報が集められる。そして、人間の脳には、コンピュータチップが埋め込まれ、その情報を受け取ると同時に脳内で処理する。主人公の女子中学生、知ルの脳には、量子コンピュータチップが埋め込まれており、情報処理能力が、普通の人間とは段違いだ。色々な経緯を経て、世界中でもう1人だけ量子チップを脳に持った人間と、情報のやり取りをすることとなる。それは、世の中の全てを知るための対話だ。対話を通じて、世の中の全てを知り、その後、死後の世界に旅立った知ルは、死後の世界の仕組みを知り、それをこの世界に伝えることが出来た、ということを暗示する場面でストーリーは終わる。
    ストーリー的にとても面白いSF小説。一気に読んだ。

    でも、「全てを知る」ことというのは、世の中の情報を全て集めてデータベースとして一箇所に保管し、それを処理できる量子チップの力を借りた脳を持つことなのだろうか?
    物語の中に、知ルが恋心を抱く場面がある。誰かを愛することは、経験してみないと、どういうことなのか分からないのではないだろうか。世の中全てを網羅する情報データベースに知ルはアクセス出来、愛するということの一般的な意味合いや定義を知ることは出来る。でも、それでは、「愛」とは何かを知ったことにはならないのではないか。そういう風に考えると、愛ばかりではなく、何かを失った悲しみや、何かを達成した充実感や、誰かを妬む気持ち等も同じように、経験してみないと、知ったことにはならないはずだ。とすれば、人間として生きるとは、何かをデータベース的に知ることではなく、どれだけ心を動かされる経験をするかに大きく依るのだろう。

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    投稿日:2023.09.06

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