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川島令三 / 講談社+α文庫 (2件のレビュー)
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源氏川苦心
本書は『〈図解〉新説 全国未完成鉄道路線』の加筆改題であります。買つてみてから気付きましたが、その本は持つてゐました。川島氏の本は似たやうなタイトルが多い上、文庫化に際して改題されることも多多あるので…、購入の際には注意が必要であります。 さて、その改題された『超新説 全国未完成鉄道路線』であります。超新説ですよ。「超」つて何ですかね。 まあいいや。著者は全国未成線の痕跡を実地調査し、何故放置されたままなのかを含め、その全容を明らかにせんとするものであります。 第一章は「首都圏の地下線に眠る謎の構造」。 愛知県人としてはいづれの項も興味深いですが、特に大田区役所の地下に地下鉄用のスペースがあるといふ話は面白いと存じます。 第二章「東京郊外に蠢く準備設備」では、こんなに準備設備(つまり新線計画)があるのかと驚きます。いくら人口が多いといつても、この全ては到底実現できないのでは。もしできたとしても、わたくしが死んだ後ですなあ。 第三章は「知られざる新幹線計画の真実」であります。上越新幹線は全通してゐないといふ話は、以前の川島氏の著書でも言及されてゐました。現在は当然のやうに東京駅に発着してゐますが、本来は新宿駅に乗り入れる筈だつたと。しかし今後劇的に乗客が増えない限り、実現しないでせう。 また、東九州、羽越、山陰、奥羽、四国の新幹線はまづ実現しないでせうね。少なくともフル規格では。 第四章は「全国に広がる未完成路線図」。名古屋の話題も少しあります。例へば城北線が環状線になるかといふ話ですが、まあやらないでせうね。名駅からの放射状鉄道を充実させる方が先でせう。 最後の第五章は「幻に終わった計画」といふことで、完全に日の目を見ることがなくなつた路線であります。しかし施設の建設は、かなり進んでゐる路線もあり、いかにも勿体ない。名古屋の南方貨物線も建造物が朽ちてゆくだけか...... テツならば常識かも知れませんが、わたくしはテツではないので、特に首都圏の話題は興味深いものがありました。川島節は健在ですが、少しソフトになつてゐる印象であります。もつと暴れていただきたいと、関係ない感想も抱きました。 デハデハ、ご無礼いたしました。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-777.html続きを読む
投稿日:2019.02.13
講談社+α
不自然な空き地、変なコンクリートの構造物、開業したときから線路が接していないホームや路盤―日ごろみなれた光景に疑問を感じることはないだろうか?よくよく調べてみると、新しい路線をつくる壮大な構想をもとに…用意されているものが大半である。だれがなんのために、どんな路線を引こうとしていたのか、それらが実現されると、日本の鉄道路線図はどう変わるのか。ミステリー小説を読む以上に面白い「鉄道計画の全貌」を探る旅に出よう。続きを読む
投稿日:2015.05.26
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