はい、泳げません

高橋秀実 / 新潮社
(35件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
7
11
12
2
0
  • 村上春樹推薦

    村上春樹さんが「無類に面白い本です」と単行本の帯で推薦しています。
    また「走ることについて語るときに僕の語ること」の著書の中で、若い女性の水泳コーチに教わる話が紹介されているのですが、おそらく高橋桂コートのことと思われます。続きを読む

    投稿日:2016.02.04

ブクログレビュー

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  • 地球っこ

    地球っこ

    4年前読んだ「弱くても勝てます」がとても面白かったので、高橋秀実さんの本はいつも読みたいと思ってた。読みたい本メモには、4年前からこの「はい、泳げません」は入っていたのだけど、なかなか出会うこともなくズルズルと今に来てしまった。タイミングですよね、本との出会いって。


    超がつく水嫌いのヒデミネさん。大人になっても、海・湖・川などたくさんの水を見るだけで足がすくんでしまう。そんなヒデミネさんが、なぜか水泳教室に通う羽目になり……
    悩みながら、愚痴りながら、「泳げる」と「泳げない」の間を漂った2年間の記録である。

    今回も面白かった。
    頭のなかでごちゃごちゃ考えながら、水泳と向き合っていたヒデミネさん。本当に悪いんだけど、そのごちゃごちゃ考えてることに笑ってしまった。
    他にも、おもいっきりツボにハマってしまった場面は何ヵ所にものぼる。笑いがとまらずヒィーヒィー、お腹が痙攣するほどだった。

    ちらっとそんな場面を紹介。
    まず最初にフッと軽めの笑いが訪れたのは、このヒデミネさんと桂コーチの会話。

    「考えてるでしょう、水の中で」
    ──はい、すごく。
    「考えちゃダメですよ。何も考えないこと。泳ぐのは歩くのと同じです。歩く時、右、左と考えます?」
    ──考えません。
    「同じように無意識で、泳ぐんです」
    ──もっと、こう、リラックスすればいいんですね。
    「それはやめて下さい」
    桂コーチ、即答。
    ──なんで、ですか?
    「リラックスして、と言われてリラックスする人はいません。だから、リラックスしようとしないで下さい」
    考えない、そしてリラックスもしない。ではどうすればよいのか?
    「それも考えないことです」
    ──……。

    ふふふ、面白くないですか?
    もう一ヶ所だけ、わたしが最初にツボにハマって笑いがとまらなかった場面をちらっ、ちらっと。
    それは生徒の浅倉さんが、泳いでいるときの息苦しさの原因について気づいた場面。

    「えっ、息って吐くの?」
    息苦しさに悩む浅倉さんが、びっくりしたように言った。
    桂コーチともども全員が驚いた。彼女は息を吐かずに、ずっと泳いでいたのである。それも立たずに。息を呑み込んでいたのだろうか。
    「なんで吐かないんですか?」
    桂コーチがたずねると、浅倉さんが毅然と答えた。
    「だって、もったいないでしょ。せっかく吸ったんだから」

    そうなのだ。
    このノンフィクションは、ヒデミネさんが考えちゃダメなのに頭でごちゃごちゃ考えてしまうことや、桂コーチとのやりとりの他に、生徒さんたちの言動がピカリと光ってるのだ。
    たぶん、私よりも若干年齢層が高いと思われる女性陣たちは、呼吸の仕方や水中での姿勢の保ち型など、独自の解釈の仕方で実践している。
    だからヒデミネさんへのアドバイスも個性的。
    彼女たちは、ヒデミネさんのようにごちゃごちゃ考えてはいない。
    桂コーチの「進化」する指導法にも、聞いているふりをして、自分にとって有益な部分だけをうまい具合に取り入れているのではないかと、わたしは密かに睨んでいる 笑
    つまり柔軟性と発想力、自分で考える力があるのだ……あ、いや、そんな大層な言い方じゃなくて、彼女たちが創意工夫しながら日常生活を送るなかで培ってきたワザ?みたいなものが、水泳にも活きてるのだ、とわたしは思ってる。
    そう、家族や近所・親戚付き合い、育児に介護、仕事、家事などなど、自分なりのやり方を見つけないと大変なのだよ 笑
    だからなのだろう、ときには桂コーチの指導法より、あ、そっかと思うときも。
    人生の先輩方の言葉がヒデミネさんにとってはピンとこなくても、わたしにはよく分かるのだ。
     
    さて、ヒデミネさんは泳げるようになったのだろうか。その先にきれいな泳ぎ方を身につけることができたのだろうか。
    笑って笑って最後は何だか感動するノンフィクション。大満足の一冊。
    続きを読む

    投稿日:2020.10.19

  • mikahayashi

    mikahayashi

    このレビューはネタバレを含みます

    オリンピックや世界水泳を見ていつも思うこと。それは…
    「泳げない私って、変」

    私はカナヅチです。
    「一度溺れたら泳げるようになるよ」と言われますが、私は3度も溺れています。

    この本の著者も泳げない者が泳げるようになるのか?ということで、自ら体験して綴った本です。でも、彼は完全なカナヅチではないのです。浮くんですね。数ページ読んだところで「泳げません」って言わないじゃん!とちょっと腹が立ちました。
    しかし、浮きはするものの、前に進まない、息継ぎができない…という著者が、コーチに厳しく(?)しごかれ、何度も挫折しながら、悩みながらもいつの間にか泳げるようになっていきます。

    「私が水の中を恐れる理由のひとつは、ボコボコという音である。」

    ここを読んだときに。思い切り頷いていました。私の場合、3度もこのボコボコを聞いて溺れています。完全にトラウマになっていますね。

    コーチが言った一言。
    「だって、もともと泳いでいたんだから。胎児の頃、お母さんの羊水の中で」
    そうです。やっぱり浮かない、泳げない私は変なんです。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.02.04

  • booska17

    booska17

    これは、小説ではなく、記録・・・?
    読んだら泳げるようになるかというと、そんなことはないです、たぶん。でも共感できるところはあったかな。

    投稿日:2019.01.02

  • bookkeeper2012

    bookkeeper2012

    日経BPオンラインの書評より。自分を見つめる視線が的確&珍妙、水の中の描写もフンフンと思わせる。あと、ちょっと、こんなコーチに教わってみたい。

    投稿日:2018.11.05

  • ぴくぴく

    ぴくぴく

    「出来ること」と、
    それを人に「教えられること」の能力は別もので、
    たぶん「出来なかった頃のこと」を認知していると、
    寄り添えるから教えやすいんだろうなあ。

    桂コーチの教え方と、
    教えに向き合う過程が興味深い。
    いいコーチに出会ったね、高橋さん、と思う。

    私は物心ついたときから水が好きで
    泳げる側の人だったので、
    泳げない人の気持ちについて
    考えたことがなかったなあというのを思い知った。
    それにしても高橋さんは思い悩みすぎでは、と
    感じなくもないが、なるほど泳げないというのにも
    パターンがあるのだなと思った。

    これを読むと泳げるようになる指南書!
    というではないが、
    苦手なことに向き合う姿勢と受け取る姿勢から
    学ぶことは大いにある。
    続きを読む

    投稿日:2018.02.26

  • ruiko7

    ruiko7

    おもしろかったけどそんな悩むなら泳がなければいいのにって思ってしまう。
    腰悪かったりするとプールいいみたいだし年取ったら泳ぎたくなるものなのかな。

    投稿日:2017.11.02

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