【感想】プレイヤー・ピアノ

カート・ヴォネガット・ジュニア, 浅倉久志 / ハヤカワ文庫SF
(18件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • mktr

    mktr

    ある種のディストピア小説ではある。だがこの著者の手にかかると、どうもシリアスな感じにはならないようだ。ほとんど全てを手に入れることができる立場でありながら、ここではない場所の暮らしに憧れるポール・プロデュース博士の選択は果たして。皮肉ともいえるラストが印象を残す作品。続きを読む

    投稿日:2021.04.04

  • ravenclaw55

    ravenclaw55

    ヴォネガットの処女長編。
    機械を壊す革命が成功したイメージでいたけれども、読み直してみて、そうではないことを知った。

    ページ数は多いけれども、長さは感じさせない。
    以降の作品に比べれば、時間も場所も、オーソドックスに展開するけれども、読み手をつかまえてはなさないストーリテーラーとしての手腕は、最初のこの作品からもある程度うかがえると思う。続きを読む

    投稿日:2020.07.07

  • yamano111

    yamano111

    久々に再読
    こんなにま正直なディストピア小説だったのだね
    処女長編ということで、皮肉とユーモアは控えめだけど、そのぶんもっともリアルにガチンコ勝負を挑んでると思うんです、はい。

    投稿日:2020.06.29

  • のっぴ

    のっぴ

    すべての人間のデータが機械によって、一人につき一枚のカードで管理される。そのカードで人間の運命が左右される。カードの内容評価が下がると、そのカードの人間はたちまち職を失ってしまう。機械が人間の職を奪いつつある時代のお話。よくある話と思ってしまうが、1950年代に書かれているのに驚く。
    ラストちょっとかっこいい…
    続きを読む

    投稿日:2017.04.17

  • megukoyama

    megukoyama

    舞台は第三次世界大戦後のアメリカ。大半の人々はテクノロジーに仕事を奪われ、少数のengineers & managersが富を得る形へと変わっていっていた。そんな物語の主人公は、東海岸に位置する架空の都市、Iliumの大企業Ilium Worksのマネージャー、 Paul Proteus。妻、Anitaと何1つ不自由のない暮らしを送っていた。しかし橋を渡ればそこに住むのは仕事もなく、社会から見放された大勢の人々。明らかな格差と人間の存在意義を問う姿勢が皮肉にも今の世界と通用する。

    Vonnegutのデビュー作でもあり、のちの作品の原点とも言える。物語は定番のディストピアを題材としていて割と単調。しかし共感できる部分はたくさんある。SF好きには読んで欲しい一冊。
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    投稿日:2016.08.08

  • ますく555

    ますく555

    このレビューはネタバレを含みます

    1952年に書かれた近未来小説。現代を言い当てているようなところだとか、現代からつながっていく近未来を感じさせるところもあります。全体としてはレトロな未来ですけどね。たとえば、個人のもつIDカードがパンチカードだったりする古さがあるし、半導体はでてこなくて、真空管がでてきます。駒を動かす盤ゲーム(チェスみたいなものかな?)で人間を負かすための機械がつくられたり、機械に仕事をとってかわられてリストラされたり、格差のある階級社会になっていたり、21世紀を予見している(洞察している)ところがでてくる。内容そのものもとてもおもしろいです。また、AとBという対立があって、たとえば作者はAの意見に同調しているとすればAの意見をいうひとの描写やセリフはかきやすいのだろうけど、ヴォネガットくらいになるとBの描写やセリフも卓越している。敏腕弁護士以上に、いろいろな立場や主張を理解してくみあげて表現する力があるよなあ、と思いました。

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    投稿日:2016.05.12

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