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荻原規子 / 徳間文庫 (236件のレビュー)
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10
なつかしい名作
古代の日本の雰囲気を感じる舞台、神族である少年と、人間の少女の出会い、恋と命を懸けた冒険。 まだ学生の頃、図書館で借りて、その日のうちに一気読みした覚えがあります。少し展開が性急なのですが、それも最後…までぐいぐいひっぱってくれると思えば長所かもしれません。 もう一度よみたいなと思って電子書籍化リクエストを出したこともあります。このたび、文庫価格で電子書籍がでて、とてもうれしいです。続きを読む
投稿日:2015.01.02
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スカイフィッシュ
9
古事記・日本書紀をベースにした日本成立ファンタジー
解説によると、女性作家さんが自分の読みたいファンタジーを描いた、とのこと。読み終えて振り返れば確かに、古事記や日本書紀をベースにしつつも少女が憧れる人生や恋・冒険が満載のシンデレラストーリー。主人公の…少女は、普通に田舎暮らしていたら実は姫であり巫女。少女を迎えに来る超美形の白馬の王子。ちょい意地悪なお姉さん。そんな中で出会う〈大蛇の剣〉の主、稚羽矢との展開もまさに王道シナリオ。でも読んでいる最中はそんな裏読みをする余裕などありません。古代日本の成り立ちの過程を見事に小説として読ませてくれ、私の伝奇考古学的な興味を存分に刺激されて一気に読み終えました。古代日本の謎に興味を持っている男なら、楽しく読めると思います。読書時間は約4時間、途中興味を失うことなく2日間くらいで行けます。続きを読む
投稿日:2015.06.23
ココすけのままりん
6
なぜ豊葦原はこんなにも美しいのか、狭也が教えてくれます。
臆することのない、しかし悩みながらも え~いっと突き進むそんな少女の冒険譚。 何を信じ何を守るか?少女が決めるには重すぎる究極の選択枝。 ワクワクともドキドキとも違うような、何かに急き立てられるよう…な高揚感! 輝と闇は、二人によってどんな方法で誤解を解き真意に変えるか? 感動の波、いや感動の渦です。随分と涙しました。 それから余談ですが、この『空色勾玉』をどなたかアニメにして下さ~い!色彩豊かな神代の時代を映像でもみてみたいな。続きを読む
投稿日:2015.03.11
Hachiro
スサノオ異伝
荻原規子さんのデビュー作とのこと、私はこの作者の本を今回初めて読みました。あとがきによれば創作のきっかけは「ナルニア国物語」の作者C・S・ルイスの「自分が一番読みたいものは自分で書けばいい」という言葉…だったそうです。そして出来上がったお話は遠い昔の豊葦原の中つ国が舞台でした。 この作品に登場する神を古事記の神の名にあてはめれば、 輝(かぐ)の大御神 → イザナギ 照日王 → アマテラス 月代王 → ツクヨミ となり、そして 闇(くら)の大御神 → イザナミ 稚羽矢 → スサノオ なのでしょう。そう、稚羽矢(ちはや)が登場したところから物語は大きく動きます。日本神話最大の英雄スサノオの全く新しい壮大なファンタジーが始まるのです。 中年男の私でもとても楽しく読めました。続きを読む
投稿日:2015.06.03
pearl3
古事記を題材にした恋物語
物語は神代の昔、まだ豊葦原の国に 神々と人々が 混然と住まっていたころのお話です。 天の国の力でこの国を治めようとする輝の大御神の子共たちと それを阻止しようとする闇の女神の子孫たち。そして、それぞれ…の相争うバックボーンを持ちながら、お互いに惹かれあう稚羽矢と狭也。 原子の世界のおおらかさと恋の物語に思わず夢中になりました。 これほどの本のことを これまで知らずにいたことに 私的にびっくりでした。続きを読む
投稿日:2016.05.30
つたもみじ
1
日本神話を素材にしたファンタジー。
日本神話を素材にしたファンタジー。不老不死の輝の一族、転生で蘇る闇の一族、神々の戦いの物語。キャラクターや世界観は古事記や日本書紀がベースかな。中つ国の豊葦原。昔から同じ悪夢を見続けていた狭也は、或る…日、自分が闇の一族の巫女「水の乙女」であることを告げられる。闇の一族でありながら輝に憧れ、輝の宮にまで行き着くけれど、そこで出会うのは、誰に知らされることなく縛められ閉じ込められていた輝の大御神の末子、稚羽矢。二人の出会いから、物語は展開していきます。初読み作家さんで、デビュ作。とても面白かった。次も読もう。続きを読む
投稿日:2017.07.13
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ゆり
小学生の時に読んで、どハマリした小説。 自分が住んでいるこの日本で、古代に本当にこんなことがあったら…とロマンを感じていた。 大人になった今でもこの小説を読んだ当時のドキドキやワクワクを鮮明に覚えてい…る続きを読む
投稿日:2024.02.17
gaaco
記紀神話を題材にした大きな世界観に圧倒される思いがする。 照日王、月代王の姉弟神の総べる輝(かぐ)の国。 すべて文明の光の下に置かれ、整然としたところである。 一方、すべての命と水が帰っていく闇(く…ら)の国は、女神が治めている。 「父神」は、二つの国の中間にある豊橋原の郷に、二人の御子を遣わし、女神との間に生まれた八百万の神々を殺し、統治下に置こうとする。 そんな中に巻き込まれていくのが本作の主人公、狭也だ。 闇の氏族で、水の乙女として闇の女神に仕える出自を知らないまま豊葦原で育ち、嬥歌の夜、真実を知る。 その晩、遠征に来ていた月代王に見初められ、狭也は采女として宮中に召し出される。 宮中で、彼女は水の乙女とは、神器である大蛇の剣を鎮める役割であると知ることになる。 そして、二神にとって「できそこないの弟」として幽閉されていた稚羽矢を連れて宮中を脱出し、闇の氏族と合流し、やがて戦乱が起こっていく。 主人公の狭也がいい。 年齢相応に、直情的に行動する。 その感情のなんとみずみずしいことか。 そして彼女は失敗し、自分の浅慮を悔やみながら成長していく。 稚羽矢とのつながりを何度も見失いかけるが、その都度、必死に再び結びなおそうと立ち上がる。 悩みながらも進んでいく彼女の強さにいつのまにか捕らえられている。 狭也と関わることにより、稚羽矢にも大きな変化が起こる。 不死であり、人間的な感覚や感情を持っていない稚羽矢が、人間のように成長し、やがて死ぬ身となることを自ら選んだのも説得力があった。 面白いのは、記紀ではイザナミが恐ろしいものとして扱われているのに、この物語ではむしろすべてを抱きとめる包容力と慈悲を体現する存在として出てくるところ。 闇の氏族の語り部、岩姫と並んで、忘れがたいキャラクターだ。続きを読む
投稿日:2023.08.18
ぺと
日本神話を素材にした物語ということで、今までこのような本は手にしたことがなかったが面白かった。不思議な世界に入り込みその世界を体感しているように感じる物語だった。登場人物にあまり感情移入出来なかったの…が個人的には残念。生き続ける、もしくは死を得る、僕は前者を選ぶけどどちらが幸せなんだろう?続きを読む
投稿日:2023.08.11
mario3
おそらく人生で4度目の空色勾玉。 全体のストーリーは忘れていたが、こまかなところはいくつも覚えていた。 出だしは今見ると十二国記に似てるなーと思えた。(空色のほうが古いです) 子供の本としてはとても…長いし、難解なところも多い。 それでもたくさんの子供(というか女子!)が、この本を愛好してきたのは、本当にストーリーがうまいから。 キャラクターもみんな眩しい。 全然知らない上代の日本を思い、この土地に愛着がわいてくる不思議。 これがデビュー作ということで、いまの荻原作品すべての根っこを感じて楽しくなる。 登場人物がみんな好きになる。 稚羽矢は天然なところが好き、と読者から手紙をもらって、そうか、あれが天然か、と思った旨を作者が昔ホームページに書いていた。 この本がでた当時は天然という単語もなかった、と。 そう、これがその先のすべての荻原男子の原型(のひとつ)なんだよな。 稚羽矢、ふわふわしていてかわいいと思います。 登場人物たちが大きな決意をしたり、心変わりするシーンが多いのが荻原作品の特徴のような気がする。 (でも読者にはけっこう唐突にみえる) このスピード感が荻原作品の魅力なんだろう。 しかし今の年齢ではじめて読んでも、たぶん、ふーん?で終わっただろう。 この作品はやはり10代の少女が読んでこそ響くのだと思う。続きを読む
投稿日:2023.05.08
uohito
あとがきが良かった 神という存在(不死)としての心理描写が面白いと思ったが、もう少しこの部分を書き込んでも面白いかなと思った…でも足りないかなと思わせるくらいがちょうどいいのかも
投稿日:2023.04.01
こだまちゃん
自分が読みたいものを自分で書く という、後書きの言葉(csルイスの言葉に影響を受けての発言)に、なるほどと思った。 私は、日本神話に着想を得た話が好きで、小説や漫画をいくつか読んでいますが、中でも空色…勾玉はおもしろかっ続きを読む
投稿日:2023.01.27
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