【感想】家、家にあらず

松井今朝子 / 集英社文庫
(17件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
2
9
5
0
0
  • 働く女。女が働くということ

    読み始めてから、これは時代小説を借りたミステリーかと思いましたが、最後はやはり時代小説でした。
    瑞江が家族という単位から離れ、勤めを通じて社会を知り(まあ特殊な社会ですが)、そこで女のあり方を真正面から考えるという成長物語でもあります。
    ただ、舞台が奥御殿なので、登場人物の殆どが女性です。
    しかも女の園の戦いですから、そりゃあ凄絶です。
    こうしたものに耐性がない人は、読むと「うへぁ」ってなる可能性あり、です。
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    投稿日:2014.04.06

ブクログレビュー

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  • なー

    なー

    このレビューはネタバレを含みます

    「御殿奉公」もの。ちなみに藩主も正妻も出てきません。舞台が江戸屋敷なのに藩主なんか国元で死んじゃうからー。
    なんと、大名の江戸屋敷にも、大奥同様に男子禁制の奥御殿が存在したとは。考えてみれば、藩主は参勤交代で1年おきに留守なわけで、そこに男が出入りするとややこしくなるわな、そりゃあな。

    解説の杉江松恋は「ゴシック・ロマンス・ジャポネスク」なんて茶化してますが、いやいや、真相に直前でようやく気付いた私は、大概な大うつけ。なんか沢之丞サイドが煮え切らないなあとは思っていたけど。

    個人的には、前作『非道行ずべからず』で荻野沢之丞を贔屓としたもんで、微妙に活躍しないのが残念だったけど、主人公の実の父親とは!実は良い役回りだったじゃないの!こうなったら第3作も読まずにいられないわー。もう、松井今朝子の思惑にどハマり(笑)
    ……あ、でもコレを先に読んでたら、笹岡の娘が実は沢之丞の実子であるってわかってて『非道、行ずべからず』を読めたわけで、そういう楽しみ方ができなかったのは残念だったかも……再読するか?

    サラッと杉江松恋がバラしてますが、松井今朝子の実家は祇園の老舗料理屋で、祖母が初世中村鴈治郎の娘だそう。

    ひとつ「あれれ?」なのは。
    おたけに毒を調達させたのは貞徳院なの?んじゃ、あの濡れ場って、真幸とじゃなかんたんだ…??でもおたけって、上屋敷を出られないんでは??

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    投稿日:2021.09.06

  • jitan

    jitan

    内容(「BOOK」データベースより)
    江戸北町奉行同心・笹岡伊織の娘瑞江は、おば様と呼んでいる御年寄職・浦尾の勧めで、大名砥部家奥御殿に奉公へ。否応なく、陰湿ないじめや、長局内の勢力争いに巻き込まれていく。折しも、砥部家に勤める女が役者と起こした心中事件を、伊織が探索することになり…。閉ざされた“女の城”で瑞江が遭遇する不可解な事件の数々。家と血の絆を巡る長編時代ミステリー。続きを読む

    投稿日:2014.07.22

  • tsucchy

    tsucchy

    大名奥御殿が主な舞台の犯人捜しミステリー
    「非道、行ずべからず」(1809年)から遡ること35年、萩野沢之丞はまだ若く、笹岡平左衛門は未だ14歳、父親の笹岡伊織が同心として働いている頃の話

    「非道、行ずべからず」の中で、沢之丞が、以前同心の手伝いをしたことがある、と言っていた事件が描かれている。
    家とは?親子とは? が主題となっている。
    大名などの家をつづけていかなければならない者たちの後継者づくり、歌舞伎役者の名跡の引き継ぎ、同心など下級武士の家の相続、様々な形の家と親子の関係が描かれていて、考えさせられる。
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    投稿日:2014.05.17

  • lavandulol

    lavandulol

    松井さん、今回も面白かったな。

    大奥でのお話のなかに、「仲蔵狂乱」の中の登場人物がちょこっと出てきたりしたのも良かった。

    終盤では涙がちょっと出てしまった。

    家、家族、親、子。
    何だろう、サラッとしている中に濃厚なモノを感じた。
    今井さんって凄いなぁ~と感じた作品でした。
    続きを読む

    投稿日:2013.10.17

  • yuko0802

    yuko0802

    時代小説。
    どういう立ち位置なのかなーと思いつつ、読み進めていたのだけど、
    結果、ミステリだった。
    いくつかの殺人事件を一つに繋げるのは意外な事実。
    あーそうきたか!と読み応えあり。
    一気読みでした。

    投稿日:2013.06.16

  • mi-key

    mi-key

    舞台は江戸、砥部和泉守の奥御殿(将軍家でいうところの大奥)。女中たちの頂点に君臨する御年寄である“おば様”こと浦尾にすすめられて奉公することになった同心の娘瑞江は、奥御殿で次々に起こる怪事件の謎に迫るうちに…。
    同心である父親ゆずり(実は母親ゆずり?!)の正義感と豪胆さで、下っ端女中にあるまじき活躍をみせる瑞江のフットワークの良さが痛快である。ラストで明かされる真実を知った後、すぐに再読すると随所に用意された伏線に気付いてまた面白い。
    続きを読む

    投稿日:2012.09.19

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