細雪(上)

谷崎潤一郎 / 新潮社
(132件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
46
43
24
4
0
  • 憧れの時代。

    ふたつの大戦に挟まれた、近代日本史上もっともハイカラで華やかだった時代の物語。結婚をめぐる四姉妹のお話というとオースティンや若草物語を思い出すけど、日本にもこんな「娘さん文学」があったのですね。
    大きな事件が起こるわけでもないけど、関西弁の会話でまったりはんなり綴られる当時のお嬢さんたちの日常や、昭和モダニズムの魅力的な文化の描写を眺めているだけで愉しくてどんどん読めちゃいます。祖父母の若者時代だと思うとそんなに遠い話でもなく、自分の幼い頃にはまだこんな空気が少し残っていたように思います。続きを読む

    投稿日:2015.09.03

ブクログレビュー

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  • imemuy

    imemuy

    読もうと思っててずっと積読だった本。この本の雅さ、暖かさ、繊細さがわかるような年齢になって読めてよかった。

    お見合いなど何につけても悠長で、直前になって慌てて。花見、舞、着物。亡父の全盛期を懐かしく偲びながらも時代に合わせつつ、優雅さを失わないで過ごす。私は東京なので上方の言葉の違いは分からないけど、この言葉が雰囲気を出すのにふさわしく感じます。続きを読む

    投稿日:2019.07.02

  • 初老の図書館員

    初老の図書館員

    大阪船場に古いのれんを誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子が織りなす人間模様のなかに、昭和十年代の関西の上流社会の生活のありさまを四季折々に描き込んだ絢爛たる小説絵巻。三女の雪子は姉妹のうちで一番の美人なのだが、縁談がまとまらず、三十をすぎていまだに独身でいる。幸子夫婦は心配して奔走するが、無口な雪子はどの男にも賛成せず、月日がたってゆく。 続きを読む

    投稿日:2019.06.18

  • きつねとぶどう

    きつねとぶどう

    三浦しをんさんの「あの家に暮らす四人の女」を読んだことをきっかけに、神戸に暮らしているうちに読みたいと思っていた作品。
    関西上流階級の浮世離れしたお話なんだけど、だからこそ美しくて、でも地名は耳慣れているものが多いから想像は膨らみやすくて楽しくて、予想以上に読みやすい。
    長編苦手だけれど読めそう。
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    投稿日:2019.06.07

  • mattopernatto

    mattopernatto

    上中下の3冊で、中の途中で挫折しそうになったが、なんとか持ち直して最後まで読むことができた。
    4人姉妹の主に次女の視点を中心に、三女の結婚への道のりと四女の恋愛と自立が季節の移り変わりとともに語られる。女の生活の色々(家庭のゴタゴタからお洒落、人付き合いその他)が女の視点からうまく語られているのだが、でも書いてるのは男なのだった・・・。それくらいリアルということなんだろうなと。

    季節の移り変わりの中で出来事と会話と食べたものと着ているものを書いているだけ、長女と次女の結婚生活は平凡なもので、おとなしくて内気な三女は数人と見合いしてどうのこうの、四女は好き勝手にやりつつ手に職をつけて自立して・・・というある意味では何もすごいことが起こらない物語なのに、ここまで読ませるのはさすがとしか言いようがない。

    最後、四女が嫁に行く日に「下痢が止まらない」と書いて終わるなんて、なんという小説だろうか。大騒ぎした見合い・結婚も、長い目で見たら女の一生の1つの通過点か・・・としみじみ思った。四女の恋人の表紙も娘の死産も三女の婚礼前の下痢も、そういうことなんだと。戦争があっても人生は続くんです。
    続きを読む

    投稿日:2019.01.29

  • タテヨコ

    タテヨコ

    先般、小川洋子さんのエッセーで細雪への言及があった。果たしてこんなにぴったりのタイトルがあるものかという、小説における題名の大事さを語った項だったが、はたと自分が細雪を読んだことがないことに気づいて急いで読み始めた。いや急ぐまでもなく、面白くて上中下巻を一気に読んでしまった。姉妹それぞれの個性、家柄に縛られる悠長な家族間の腹の探りあい、大阪京都の風情…どの側面から切り取っても面白い。小川洋子さんは、あるいは当初もっと三女の雪子に焦点をあてるつもりで題名がついたのではと書いていたが、どうだろう。主人公はやはり本家の旧時代な姉と、行き遅れの妹たちの間で細やかに気遣う幸子であろう。そんな四姉妹の中が、例えどんな行き違いが起きようとも決して仲違いしない、現代の私たちや同時代の男たちにさえ理解しがたい不思議な絆で固く結ばれている、そんな静の関係を言い得た題名であるような気がした。続きを読む

    投稿日:2019.01.18

  • y-mitsu

    y-mitsu

    関西の有産階級の家族を題材に、3女の見合いを中心に展開される物語。一読して平板な日常が展開する長編小説のように思えるも、感傷的に読み浸らせる何かがある。
    傾きゆくこの家族の様子が、人生の後半戦にさしかかった自分のありようと重ね移しに感じるのだろうか、と思ったりもしたが、後書きを読んで腑に落ちる。
    すなわち読者は雪子が早く縁付いて欲しいと願う反面、俗世間の穢れに染まらぬ"永遠の女性"のままでいてほしいと願う、エロティシズムに根ざした普遍的な二重構造をテーマにしている、と。
    続きを読む

    投稿日:2018.12.09

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