【感想】いやしい鳥

藤野可織 / 文藝春秋
(16件のレビュー)

総合評価:

平均 3.1
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ブクログレビュー

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  • チャバンムシのちゃいちゃい

    チャバンムシのちゃいちゃい

    「胡蝶蘭」
    胡蝶蘭の「顔」を思い浮かべると、確かに猫だの鳩だのゴキブリだの殺せるに違いないと思った。
    不気味さと吐き気を感じるが、私はベジタリアンではないので、と思い直し読み進めるうちに、分け前を欲しがるシーンでは胡蝶蘭を可愛く思うようになっていた。
    「溶けない」
    ユーリノルシュティンの「話の話」で狼が脅しに使われる子守唄が出てくるけれど、恐竜が今回のそれで、それに年を重ねても引き摺り込まれて連れ戻される感じ。
    「いやしい鳥」
    自宅のレースのカーテンを見る度に連想してしまうようになった。上手なのかもしれないが、ひたすら不愉快な物語だなあという感想を持った。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.24

  • wish

    wish

    このレビューはネタバレを含みます

    え、、、どうゆうことー!!?

    怖かった。。。
    話が三つあるうちの
    話の順番が、
    いやしい鳥→
    溶けない→胡蝶蘭
    でよかった。。。

    いやしい鳥が怖すぎて、、、


    いやしい鳥、、、なぜ色んな人の証言なのか、
    入りづらかった。。。理解するのに時間かかる。けどなんとか読んだ。そして、怖くなった。

    なんた。これは!作戦なのか。。。

    どれにも共通してるのが食われるって感覚なんだけど、夕方、グエムルって怪物出てくる映画見たせいで、余計に想像された。

    三つの話の中では、
    溶けないが、面白いと感じるところが多々あった。
    日常感が所々あったからだろうか。

    胡蝶蘭は可愛らしくも思えた。

    おんなじ人が三つ書いた感じがしなかった。

    いやしい鳥は、妙にグロテスクな映像が頭に想像されて、、、だから、凄いのか。
    うん。妙に、怖かった。文の感じも全体的に荒い空気が漂っていた。妙に雑な感じが、息継ぎもないような主人公の語りが続く所が、綺麗に作られた作り物というより。本当にあるものを羅列して。錯乱して、切れっぱなしの布みたいに、だから。怖かったのかも知れない。どこかそこが街頭インタビューかニュース番組でも見てるような、ドキュメンタリーのコメントのような、あーそう思ったら、面白い作品かも知れない。怖くて拒否反応がすごかったけど、後になって、そう思わせてきた、構成?というか、書き方というか
    、、なんで三つの中で『いやしい鳥』がメインになってるんだと思ったけれど、こう考えていくと、なんだか、腑に落ちた。

    怖かった。。。最初、星2にしようと思ったけど、
    あの書き方は、似たような題材を使いながら、
    それぞれにあった、文の書き方で書いてるのかも知れない!?と思ったら、星4つになった。

    恐怖のち、不穏のち、謎の達成感と汗をかいた後の爽快感?がある本だった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2020.11.28

  • ryokutya87

    ryokutya87

    ここまでわけのわからない小説を読んだのは初めてかもしれない。
    奇をてらったかのような擬音もしっくりこない。
    感情的にも感覚的にも文章的にも、まったく反りが合わなかった。

    投稿日:2019.10.18

  • 東雲

    東雲

     胡蝶蘭はなにも言わなかった。当然だ。
     けれど、そのとおりになった。私の言ったことに従って、胡蝶蘭はしんしんと真面目に咲き、花びらに受けた茶色い傷を数日のうちに治してみせたのだ。曲がった茎まで元通りになった。私は大した手入れはしていない。
    (P.177)
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    投稿日:2016.11.04

  • しろかぎ

    しろかぎ

    「いやしい鳥」ピッピが食いしん坊なのか、トリウチが卑しいのか。
    「溶けない」食べられても、大丈夫。恐竜は絶滅したんだから。
    「胡蝶蘭」ここまでの「鳥」や「恐竜」に比べると、この胡蝶蘭はかわいい。

    投稿日:2016.03.22

  • コノハ

    コノハ

     表題作は、どうも世界に入り込めなかったので、特に感想は書かず、併録されている「溶けない」について。

    <溶けない>
     子ども(小学校低学年)のころ、夜眠っているときに足を引っ張られるような感覚があり目が覚めてしまうことがたびたびあった。あの頃はオバケの仕業かとびくびくしていたのを覚えている。この小説で幼い「わたし」が恐竜に遭遇するシーンを読んだ時の印象が、ちょうどこれに似ていた気がする。
     私の「足を引っ張られるような感覚」はもうなくなった。幼少時代の不思議な体験など、大人になるにしたがってそれが何か分かるあるいは気のせいだと思い、雲散霧消していくものだ。
     しかし、この小説では終わらない。じわじわと日常に忍び寄ってきて、あろうことか大学生にまでなった「わたし」まで飲み込んでしまう。
     周囲の人間の反応からすれば、その体験は「わたし」のもうそうだろうとは思うのだけど、「わたし」の視点が妄想を見ているそれとは到底思えないほどにくっきりしている。
     こうしたズレはどうして生まれたのだろうか、この幻想は何かの隠喩なのか・・・そういった疑問は解けないままで心残りだけど、もっと同著者のほかの小説も読んでみたいと思うものではあった。独特の気持ち悪さこそが物語の醍醐味なのだろうか?
    続きを読む

    投稿日:2015.09.05

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