【感想】遥かなる水の音

村山由佳 / 集英社文庫
(61件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
16
22
14
4
1
  • 失恋したとき読みました。

    「遺灰をサハラに撒いて欲しい」という遺言を残した周
    周の姉、同居人、親友が弔いの旅にサハラに向かう。その旅路で彼らの愛についての悲しみ、迷い、不安等それぞれの想い、心の動きが語られます。

    愛についてみんな何かしらの悩みを抱えている、丁寧に語られる主人公たちの心の動きに感情移入しながら、私も一緒に自分の周りにある愛について考えさせられました。
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    投稿日:2013.10.12

  • 不思議な読了感

    うまく説明できませんが・・・
    最初から最後までなんかふわふわした感じで、それでいて物語りに引き込まれているというこれまでで初めて経験した不思議な感覚でした。

    「僕が死んだら、その灰をサハラにまいてくれないかな」。亡き周の希望を叶えるために共にモロッコへと旅立つ4人。いまの恋愛関係の行き先に不安を覚える緋沙子。近づきつつある老いにおびえるゲイのフランス人、ジャン=クロード。ふとしたはずみで身体の関係ができ、気持ちの整理がつかない幼なじみの浩介と結衣。愛の深さ、強さとは。そして生きることとは。様々な愛の形を描いたロードノベル。(BOOKデータベースより)
    亡くなった周の遺言で散骨するためにサハラ砂漠を目指します。旅を通して登場人物それぞれの視点から、恋愛、結婚、宗教、文化、生きるということ・・・様々なテーマが表現されています。あまりにもスケールが大きすぎてちょっと現実離れした観もありますが、とにかくいろんなことを考えさせらた作品でした。描写が繊細で、読み終えたときに感じた疲労感が、本当に旅をしてきたかのようで心地良かったです。
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    投稿日:2014.01.21

  • 一人の青年を弔う旅

    ここまで想ってくれる人がいるっていうのは幸せもんだろうと思うんですよ。もちろん若くして亡くなってしまうってことは残念なことだとは普通には思われるんですけど。

    その人の姿はこの世から無くなっても想いは残るというのを強く描いた作品です。

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    投稿日:2016.09.25

ブクログレビュー

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  • planets13

    planets13

    弔いというひとつの目的のために集まった 4 人とガイドのはずなのに、なんとちぐはぐな集団なのか。[more]それぞれの越し方があり、それぞれの思いがあるのだけど、まさに「雨降って地固まる」のごとく落ち着くのはよくあるパターンか。魂 (というものがあるとして) を最後に受け止めるのが、超越的存在としての自然というのは、あながち悪くは無いとは思う。続きを読む

    投稿日:2023.12.24

  • まぁ

    まぁ

    再読
    とにかく、モロッコの風景描写が素敵。
    フェズの旧市街、マラケシュの市場、サハラ砂漠…まるで自分も一緒に旅しているような気分になる。
    写真や映像以上に、文字だけで匂いや光、その場の空気感までもが頭の中に広がる。
    ミントティー、ヘンナの刺青、ファティマの手…現地で見てみたいな。

    風景描写もだけど、心理描写もとても繊細。
    周の遺言で、サハラに遺灰をまく旅に出る4人。
    弔いの旅の中で、彼らがそれぞれ大切な人への想い、自分自身の内側を見つめ直していく。
    姿のない周が、彼らに寄り添う。
    切なく悲しい旅のはずなのに、どことなく穏やかで優しさを感じる。
    ラストまで読んで、タイトルに納得。

    目に浮かぶような鮮やかな風景と、目には見えない心の動きのコントラスト。
    両方を存分に味わえる、極上の小説。
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    投稿日:2023.08.23

  • あらたく

    あらたく

    このレビューはネタバレを含みます

    フランスの都市からモロッコの様々な市街地を経てサハラ砂漠まで大切な人の遺灰を弔う物語で、
    ロードムービーを観ているかの様な感覚で読み入り浸りました。純愛小説にはとどまらないスケール感があり今までの作品とはまた異なった純度に満ち満ちたインパクトで、異国情緒ただよう感動的でもある作品でした。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.06.07

  • みかん

    みかん

    一人の青年の「僕が死んだら、その灰をサハラにまいてくれないかな」という希望を叶えるために、青年の姉、恋人、友人2人の4人が共にモロッコへと旅立つ物語。
    モロッコの美しい景色の描写が見事で、まるで共に旅をしているかのように楽しめた。
    また、ガイドとの会話の中でイスラム教の「ラマダン(断食)」に対する考え方についても触れていて、これも印象深かった。
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    投稿日:2023.04.30

  • az

    az

    私もよく、オタクゴトで死ぬほど嬉しいことがあると私の遺灰はどこどこに撒いてくれという表現をしてきたのですが、死後の自分の魂が宿る場所(自分の気持ちが一番強く残る場所)がどこかと聞かれたら、私はやっぱり国立競技場だろうなと思った。
    さて、各登場人物の心の声を追っていく中で(周の声は物語的にやや蛇足に感じたけど)、一番に感じたメッセージとしては、「言わないことの美徳」が根強いこの国ですが、特に「好き」と思う気持ちについてはそれってやっぱり違うよねと。推しは推せるときに推せも同じだけど、好きな人に好きと伝えられる環境に甘えてはいけなくて、自分にとっても相手にとっても有限なこの時間にきちんと伝えることの重要性を再認識したと共に、私自身、一度も実ったことはなくても笑、好きな人に気持ちを伝えてきたことをもっと誇りに思おうと思いました。
    (たまたま、レンブラントの身震いを読んだ後に読み始めたので、砂漠の情景はAIでも見分けにくいほど人間の肌と酷似していると知った上で、座って心地が良いというのもなんとなくわかるな〜とか思った)
    続きを読む

    投稿日:2023.01.14

  • MaRU

    MaRU

    情景が目の前に浮かんできて旅しているような気持ちになるから好きと友人に勧められ読み始めました。

    一人の死をきっかけに共に旅をすることになった4人の話という感じでしたが、後半になるとモロッコやサハラ砂漠の情景がたしかに目の前に浮かんできて一気に読み進めてしまいました。他にも人の命、宗教、多様性、なども考えさせられる部分もあるお話でした。続きを読む

    投稿日:2021.08.10

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