【感想】「独裁」入門

香山リカ / 集英社新書
(11件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • quazism

    quazism

    努めて冷静に反橋下論を展開しているが、多少感情的になっていることが伝わってくる。
    人間なんだから悪口を言われればムカつくのは仕方のないところ。
    内容は確かに「イエスかノーか」という二者択一、反論するには代案を用意しないといけない、曖昧を許さない、ムダの排除など、一見よさそうで実は危険とも思える。
    中間層の庶民を味方につけるやり方は上手だが、こちらが思考停止にならないよう気をつける必要があるのは著者と同意見だ。
    今後はさらにネットやツイッター、メディア報道、テレビのニュースにいたるまで鵜呑みにせず吟味して判断しないといけない。
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    投稿日:2019.09.23

  • 宮本知明

    宮本知明

    ものごとは白か黒か、正義か悪か、に二分されるわけではなく、どちらかに決めかねることもあれば、部分的に賛成といった曖昧な立場を表明しなければならないこともある。人の発言には必ず理由があり、背景がある。諾の一言にも、そこに至るまでの様々な逡巡があり、複雑な経緯がある。機微に敏感に反応し、想像力を巡らせる必要がある。軽率な短絡は誤解を生み、無益な争いや悲劇にまで発展する。「香山氏は一回も面談もしたことがないのに病気だと診断した。一度も接触せずに病名が分かるなんてサイババか」。謂れのないつぶやきで大炎上させられた著書が、苛立つ民意を掬い取る嗅覚に優れた独裁型ヒーローの誕生に警鐘を鳴らす。警鐘は他者への思いやりを喪失した我々大衆に対するものでもある。続きを読む

    投稿日:2014.12.30

  • bax

    bax

    [ 内容 ]
    最近、著者の診察室を訪ねる初診患者の九割が、漠然とした不安感とイライラを訴える。
    経済大国の地位を失い、震災・原発事故に見舞われ、近隣諸国との摩擦も激化。
    将来への展望を失った国家を、不信と苛立ちに満ちた「民意」が覆っている。
    不寛容な大学生、言葉の真意によらず過剰反応するツイッターの世界、想像力の欠如したメディア報道など、様々な場面から日本の現状を考察。
    苛立つ「民意」をすくい取る嗅覚に優れた独裁型ヒーローの誕生に警鐘を鳴らす、今こそ必読の書。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]
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    投稿日:2014.10.26

  • たけ坊

    たけ坊

    ハシズムを前に香山さんがいろいろ述べてる。独裁者の条件は漠然とした不安の対象を指させる人間、これかあれかの二択を好むのはスプリッティングではないかってこと、白紙委任したくなる心理、ツイッターとゆう短文形式のメディアのもつ危なさとか。
    確かに効率とか生産性の名の下に切り捨てていいのかって思いもあるが、同時にそうしないとダメだろって思いがある。ただ文化的な国を目指してくべきだと思うし、国民もゆっくり考えるようになったらいいなと思うわ。他人事みたいだけど。
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    投稿日:2013.06.09

  • パトラッシュ(ツッコミ)

    パトラッシュ(ツッコミ)

    田原総一朗さんの朝まで生テレビで橋下大阪市長と討論に反橋下派として出席していた著者だが、その裏側というか、個人の思想がわかったという点に関していばそれなりにおもしろい。

    私は橋下大阪市長のTwitterをフォローして主張に普段から触れているためどうしても橋下氏目線で討論を見てしまっていた。この本では香山さんがどんな思想を持って反橋下派にいたか、どんな考えで討論に臨んだかが折に触れて書かれている。

    この本を見る限りやっぱり橋下大阪市長を病気だと言いたいんじゃないかなあと感じる。本書では一生懸命否定しているけれども。

    まあ、本というか、文章としての面白さは、ふつう。ふつう。
    あと、タイトルは半分くらい詐欺だと思う。
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    投稿日:2013.03.07

  • douthin

    douthin

    自律した生き方を望んでいる様に見えない学生たちに関する記述に始まり、文章の全体の意図を読み取らず、狭い部分を切り出して「短文」で主張を理解しようとする事の危険性、また「短文ソーシャルネットワーク」ともいえるツイッターを多用する橋本徹の傲慢さ、問題点を指摘するに至るという、一冊の中での流れが見事。

    短文でも言ったもの勝ち、言う事を言ったやつが善である、文章の全体を捉えず一部をつまんで非難する、という橋本的思想に全く共感できない自分には、この本がまさに橋本徹に感じる危険性、問題点をピタリと指摘しており、香山さんの本の中でも稀にみる良作だと思う。
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    投稿日:2013.01.30

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