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岩井三四二 / 集英社文芸単行本 (3件のレビュー)
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総合評価:
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momo0707
公事についてのアドバイスをすることを裏の生業とする、薬種屋の時次郎。彼が手助けするのは、簡単にはいかない面倒な案件ばかり。公事宿の人間が難色を示したり、何年もかかるようなものだ。そんな事件を調べていく…と、思いもかけない“裏”が見えてくることも。そんな話を描いている。現代の裁判である公事のことが描かれていて、その厄介さがよくわかって面白い。続きを読む
投稿日:2017.07.25
choco-rin
大好きな岩井さん作品だったため、ハードルを上げてしまい、残念な星二つ。 煽るような帯の宣伝文句もダメだったかな。 岩井さん初の、お江戸町人モノ、いつもの飄々としたユーモアが炸裂するのかなぁと期待してい…たので、うーん、物足りなかったです。 公事指南というのも面白そうだったのに、あまり専門的なことも書かれてなくてこれも残念。 シリーズものなら、今後の方向転換に期待、かな。続きを読む
投稿日:2013.05.01
ひつじぐも
「小説すばる」に掲載された6話に、書き下ろし1話を加えて単行本化した作品。 生薬屋を表看板にしている天竺屋時次郎は、公事(訴訟)を手助けする「出入師」を裏稼業としている。 江戸時代の裁判権は、大名…領国では藩に、天領では代官と勘定奉行に、寺社がらみは寺社奉行に、江戸市中の町人がらみは江戸町奉行にあったが、いずれも弁護士のような代理人制度はなく、公事宿という宿泊施設が手助けをしていた。 なので、時次郎の仕事は非合法で、町奉行所から目をつけられているが、弁護士ドラマのように、様々な手づるを使って依頼者と訴訟当事者の身辺を探り、弱点を見つけて段取りを決め(これを「絵図面を描く」と言っている)、ひと細工することで裁判を有利にしてやる。 第1話では夫が「密通」現場で殺され、殺した男が御定法どおり無罪となったのが不満で、実は借金を踏み倒すために計画的に殺されたと主張する依頼者に、貸金返還の民事訴訟で、ある証言をさせ、事態を一転させる。 捕物でもなく、勧善懲悪でもなく、現代の法廷ドラマに通じる新たな手法の時代小説になっている。続きを読む
投稿日:2013.03.21
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