【感想】夜と霧 新版

ヴィクトール・E・フランクル, 池田香代子 / みすず書房
(1215件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
618
341
119
6
0
  • やっぱり名著

    以前読んだ『知の教科書 フランクル』から、名著をやっと読む決心ができた。
    ナチスの強制収容所でのお話ということから、内容が重くて手にするのをためらっていたけれど、精神科医の視点から見た本著を読むと、“怖い”よりも“興味深い”印象が残る。

    極限まで追い込まれる過酷な状況下でも、生き残れる人と死んでいく人の違いは?
    心の支えになっていたこととは?
    フランクルはこれを残すことが心の支えになって、生き残ることができたのだろう。

    名著と言われるのがうなづける。
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    投稿日:2017.04.16

  • 壮絶な強制収容所の体験記

    心理学者である筆者が体験したドイツでのユダヤ人強制収容所での出来事を心理学者としての視点で書いたものである。
    Reader Storeではあまり人気はないようだが、世界的ロングセラー作品である。
    悲惨な強制収容所の実態について知ることができるだけでなく、そのような環境下で人はどのように考え、行動するのかリアルに感じることができる。
    しかし、この本はただの体験記ではなく、そこから現代のおける生き方についても考えさせられる作品である。

    「強制収容所ではたいていの人が、今に見てろ、わたしの真価を発揮できるときがくる、と信じていた」
    けれども現実には、人間の真価は収容所生活でこそ発揮されたのだ。おびただしい被収容者のように無気力にその日その日をやり過ごしたか、あるいは、ごく少数の人々のように内面的な勝利をかちえたか、ということに。

    上記は本作品の一部だが、強制収容所においても一部の人は自分の心を持ち続ける人がいた。
    作品の後半は「生きること」「生きる意味」について書かれている。
    これは現代においても通じるものがある。
    多くの人に是非一度読んでほしい作品である。
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    投稿日:2016.12.29

  • 読み継がれなければならない名著

     本の内容は、作品情報に書かれているとおりであり、「みか」さんと「uyu」さんのレビューのとおりであります。これまで、強制収容所については数々の著作や映画などで紹介されてきましたけれど、収容された心理学者が自分の心情の変化を冷静に見つつ、何とか生き残った末の著作という点が、とても生々しいものになっています。
     「わたしたちが生きることから何を期待するのではなく、むしろ、ひたすら、生きることがわたしたちから何を期待しているかが問題なのだ」これは、正直言って、平々凡々と生きている我々には、理解しがたいことなのかもしれません。
     また、私が一番興味を持ったのは、収容所から解放された後の心情の描写であります。ドラマ等では、開放された時点でハッピーエンドとなるわけでありますが、実際はそうではないことがわかります。「今や開放されたものとして、今度は自分が力と自由を意のままに、とことんためらいもなく行使して良いのだと履き違えるのだ。」この一文は、衝撃的でありました。
     このような内容の本は苦手だと言う方もいらっしゃるのでしょう。でも、ページ数も少ないですし、是非躊躇せず手にとって欲しいと思います。名著と呼ばれるものは、名著と呼ばれるだけのことはあるのです。
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    投稿日:2017.10.23

ブクログレビュー

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  • _

    _

    強制収容所という語感から漂う戦争のおぞましさに、学生自体は目を背けていた作品の一つです。
    どうして早く読まなかったのかと悔やむほど、"生きる"に関する疑問や不信感を払拭する答えがここにありありと書かれています。
    私が生きるために、心の拠り所としている形ないものも確かに私の中に存在していること、忘れないでいたいです。
    続きを読む

    投稿日:2024.09.02

  • 1881606番目の読書家

    1881606番目の読書家

    このレビューはネタバレを含みます

    想像していたよりもすごく読みやすい、読書レベルが高くなくても読める
    内容が重いのでそこがつらいかも


    本書の内容紹介にも書かれている、「言語を絶する感動」とは一体どのようなものなのだろうと思い拝読。
    訳者後書きにある訳者の感想を引用させて貰いますが、「読んで震撼し、そこにうねる崇高とも言うべき思念の高潮に持ち上げられ、人間性の未聞の高みを垣間見た思いがした。」これに尽きる。

    これが100年も経っていない現実で起こったことなんて考えたくもないけど、知らないは罪だと思う

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.08.27

  • あきら

    あきら

    20代のうちに読んでおくといいと言われている意味がよくわかった。人はその場しのぎのような一瞬の心の慰めとともに生きていければそれで十分なのかも知れない。そして未来への希望や信じる気持ちは出来るだけ失わないようにしたいと思った。続きを読む

    投稿日:2024.08.27

  • こたんちゅ

    こたんちゅ

    何か成し遂げること、幸せに生きる人生こそが正しいと思ってきた。苦しむことも生きる意味になる、これを実感するときがいつか来るのだろうか。

    投稿日:2024.08.22

  • さお

    さお

    本は読んだら処分したいと思っていたがこの本は永久保存。
    1947年初版、長く読まれているものはやっぱりすごい。もっと早く出会いたかった一冊。

    投稿日:2024.08.21

  • M−D

    M−D

    重厚。
    多少の基礎知識はあったが、遥かに痛くて寒い。冷静な語り口が焦燥感を駆り立てる。生きることの捉え方を死生観と言ってしまって良いのであれば、葉隠にも通ずるものがあるなという印象。

    投稿日:2024.08.20

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