【感想】星々の悲しみ

宮本輝 / 文春文庫
(58件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
20
14
18
2
0
  • 素晴らしい短編集

    親友の死を通じて、自身の生きる意味を見つめる……という表題作をはじめ、全7編の短編が収められています。どれも素晴らしい作品ですが、個人的にもっとも惹かれたのは「小旗」という一編。おそらく何かの障害があるであろう青年の、愚直でひたむきな仕事ぶり。それを目にして主人公は感動します。生と死や、健康と病。表裏一体となっていて、誰でもどっちに転ぶか分からないのに、私たちが日頃、つい目を背けている部分。そんな闇の部分にも、人を感動させる何かが、生きる喜びを知らせる何かがあると、この短編集は感じさせてくれました。続きを読む

    投稿日:2015.09.28

ブクログレビュー

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  • ミサキ

    ミサキ

    中学の国語の教科書にて「星々の悲しみ」が載っていたのがキッカケでした
    他のストーリーも含めて珍しい経験ですが無くはないよね、というストーリーという印象です

    個人的に非現実的な設定のストーリーは面白くて当然、日常をどれだけ面白く書けるかを期待しているタイプなのでこの作品は私に合っていて非常に面白かったです続きを読む

    投稿日:2024.04.05

  • Dull_hours

    Dull_hours

    それほどドラマティックなことが起こるわけでもなく(表題作は割とドラマティックかも)、実際に有り得そうな薄暗い日常が淡々と、容赦なく描かれる。
    しかし不良馬場のラストは世の中そんな上手く行ってたまるかと言わんばかりの容赦なさで唖然としてしまった。
    作者は実際に結核で療養していたそうなので、そこで見たものの影響が大きかったりするのだろうか。
    ジュンク堂でやっている本音屋で購入したらこの本だったのだけれど、当たり引いたと思う。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.25

  • ucst-liverpool

    ucst-liverpool

    自分の学生の頃から名前は知っていたけれど、宮本輝の本は初めて読んだ。
    大変読みやすい文体、内容であることに驚いた。


    大阪弁の会話のなんと心地いいこと。
    解説に書いてある通りになってしまうけれど、普段から村上春樹ら「都市生活者のための現代文学」みたいなのばかり読んでいるせいか、こういう少しじめっとした地味な小品がとても沁みる。
    物語に奇を衒ったようなところはなく、社会性や思想性もないけれど、心に沁み入る文章である。軽いタッチの文体でありながら、結核療養、精神病院等の描写が出てきて、生命の儚さ、人生の切なさを感じさせる。
    この、深い・難しい問題を考察するような小説でないのに、じっくり感じ入るようにさせるのが、自分にとって新しい感じがした。日本の作家ではあまりいないような気がする。
    そして作品が1981年のものであることに驚く。こういう文学こそが実は普遍性を持つのかもしれない。
    続きを読む

    投稿日:2023.07.08

  • ランラララン

    ランラララン

    『星々の悲しみ』

    中学3年生の時に受けた模試で国語の問題として抜粋されていた本作

    中之島図書館の前の橋の上で、浪人生3人が牛乳瓶に小石を投げ入れようとする場面だった

    テスト中にもかかわらず、続きが気になってしまい、その後に文庫本を買いに行った

    まだ見ぬ喫茶店に憧れて、いつかは淀屋橋の「じゃこう」で珈琲を飲んでみたいという仄かな妄想を抱いた

    夜空の星々は輝いているけれど、実は何万光年も離れた所にいて、それぞれに孤独を抱えているのだろう

    作中で、未読の図書館の書棚に並ぶ小説ひとつひとつを星々のきらめきに例えるところに、作者の本への愛情を感じた

    再読するたびに、この本を読んでいた昔の自分と物語の中で再開するような感覚になる

    生きる事は死ぬ事と同じぐらい刹那くて儚いけれど、星々のきらめきのような希望を持たせてくれる自分にとって大切な作品
    続きを読む

    投稿日:2023.01.01

  • yuya

    yuya

    哀しい話だった。伝えたくても伝わらない想いや、思い出せない事すら忘れてしまいそうな、刹那的なエピソードの数々が、何億年も前の星の光の様に思えた。

    投稿日:2022.10.16

  • なんちゅ

    なんちゅ

    短編集
    オチ、というオチはないけれど、読後になにか引っ張りそうな吸引力を感じる作品
    死、病気が題材のものが多かった
    火…はもう一度読まないとよく分からない。
    好きなのはやっぱり星々の悲しみ

    投稿日:2022.07.16

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