【感想】流れよわが涙、と警官は言った

フィリップ・K・ディック, 友枝康子 / ハヤカワ文庫SF
(72件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
5
26
24
5
0
  • すごいタイトルだ

    まず、タイトルがすごい。こんなセンスのあるタイトルはめったにない。内容もめったにないほどよくできている。これは、読む本じゃない。一緒に考え、参加する本だ。そして、各所にSF要素があって、いいアクセントになっている。僕は「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」より好きです。続きを読む

    投稿日:2014.04.19

  • 主人公は誰?

    自分の存在が社会から消えたらどうなるか?
    現実と非現実の境界線が曖昧となり、世界が歪んできます。
    主人公は誰何だろう。考えさせられます。

    投稿日:2013.11.24

ブクログレビュー

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  • RT

    RT

    ディックの名作とされる作品。ただ後半はよくわからなかった。なぜ警官はタヴァナーに罪を押しつけなければならなかったのか。タヴァナーが世界を異動したことの意味、エピローグの意味は何なのか、とか。もう一度読む必要があるか、、、。続きを読む

    投稿日:2024.01.11

  • kemukemu

    kemukemu

    アイデンティティという薄っぺらな幻想

    「悲しみは最も完全で圧倒的な体験、だから悲しみを味わいたいのよ。涙を流したいの」

    愛するということの人それぞれの解釈、そして、愛を得て失うという痛みが、主人公ジェイスンの置かれた状況に絡みつく登場人物達によってもたらされる。
    キャシイ、ルース、メアリー・アン、バックマン、アリス……

    「ブレード・ランナー」のような世界観とはひと味違うが、これもまた、特別なフィリップ・K・ディックの世界。
    続きを読む

    投稿日:2023.07.18

  • 解熱

    解熱

    タヴァナーが主人公かと思いきや、バックマンが実質的な主人公。ただ、バックマンにはあまり魅力を感じられなかった。文章は読みやすい一方で、時折読みづらくなる。タヴァナーの状況は想像するだけで恐ろしいけど、彼は顔が良いので大丈夫。「俺はスィックスだから我慢できたけど人間だったら我慢できなかった」そんなノリでさまざまな困難を乗り越えていくジゴロさん。

    SF小説に登場する人物は、舞台設定の為に用意されているだけなので記号的、そんな勝手な偏見を持っていたけど、この小説は人物の描写こそが面白かった。

    特にルースレイとタヴァナーの会話や、ウサギや犬の話が印象的だった。嘆きと悲しみは素晴らしい感情であり、悲しみは愛の終局を意味する。タヴァナーには分からないけど、バックマンには分かるんだろうなぁ。悲しみは、失ったものと自分自身を再び結びつけ同化させるもの。愛するものや人が離れようとしているときには、その人と共にいくのだ。自分自身を分裂させて、相手とともに旅をする道連れとなり、行けるところまでついていく。

    結局のところ、愛に関する物語なのかな。

    いつか天国に行く愛犬にも分裂した私がついていってくれるといいなぁ。
    続きを読む

    投稿日:2023.06.11

  • 端日露光

    端日露光

    最愛の人に去られたディックの自伝的小説という趣の強いこの作品は、自己の同一性や認識している世界の崩壊というディックの作品に通底している恐怖をベースにしつつ、もう一つのテーマとして愛を割と純粋に語っている作品でもある。愛は自己保存の本能を凌駕し他者への献身、執着をもたらす。
    作中で様々な人物が自分なりの愛を見出そうとしているが、その中で主人公であるジェイスン・タヴァナーだけは愛を理解しない。それは彼がスイックスだからかそれとも生来のものなのか。

    現実の分裂は観測者だけのものではない。観測されるものもそれに巻き込まれる。
    また絶望の底に落ちてからの再生を匂わせて終わるところもらしい部分である。
    その他にも警察機構、大学、学生運動、ドラッグなどディックの実体験も物語の随所に散りばめられている。
    続きを読む

    投稿日:2023.03.03

  • 座頭

    座頭

    このレビューはネタバレを含みます

    近未来的で、どこか古臭い。
    この本が出版された当時想像されていた“近未来”が、頭の中に浮かんでくる。
    どこか退廃的で薄暗い雰囲気は、前に読んだ電気羊を思い出させてくれた。ディックの書く近未来は、なぜか心地良い。

    巻末の解説を読むと、執筆当時の著者の状況が色濃く反映されているようだ。
    読み始めた当初、スイックスという存在の謎やタヴァナーの記録抹消の解明がなされていくストーリーかと思っていたので、やけに回り道が多い話だなーと思っていた。(恥ずかしい)

    涙と愛にまつわる物語。
    嘆きと悲しみに対して新しい考え方をくれた

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.11.02

  • いななが

    いななが

    かなり文学的というか作者の感性が多種多様な登場人物によって語られる。個人的にはSF要素のオチも嫌いじゃない。名作なんだなあ。

    投稿日:2021.12.27

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