新刊・予約
ランキング
セール
特集・キャンペーン
ジャンル一覧
詳細検索
0
遠藤周作 / 新潮社 (38件のレビュー)
レビューを書く
総合評価:
"powered by"
1/35少年
『イエスの生涯』の前にこちらを読んでしまったがものすごく興味深く読ませていただいた。 日本人にとって、仏教よりもよほどとっつきにくいのがキリスト教、イスラム教だと思う。キリスト教について知りたいとは…思うが、聖書はとても読めないなということできっかけとしてこちらの本を読んだ。 神格化される前の無力な人間であったイエスが、如何にして人類にとってここまでの大きな存在になったのか。人間の弱さ、悩み、もがき足掻く姿が遠藤さんの読みやすく飾らない文章で綴られている。 原始キリスト教団の群像劇として読んでも面白いです。 この本を読むと“沈黙”という言葉の重みがより解るのだなぁ。 キリスト教ってなんなん?と思っている人にぜひ読んでいただきたい一冊。 自分もイエスの生涯も読まなければ。 続きを読む
投稿日:2022.08.01
マサユキ
☆☆☆ 2022年7月 ☆☆☆ P287 原始キリスト教のみじかい歴史を調べる時、私がぶつかるのは、いかにそれを否定しようと試みても否定できぬイエスのふしぎさと、ふしぎなイエスの存在である。なぜこん…な無力だった男が皆から忘れ去られなかったのか。なぜこんな犬のように殺された男が人々の信仰の対象となり、人々の生き方を変えることができたのか。 『イエスの生涯』『キリストの誕生』の2冊で筆者が読者に語りたいのはまさにこの点である。『キリストの誕生』では弱虫で臆病だった弟子たちが原始キリスト教の創始者となり、キリスト教が広まっていく頃の事が語られる。 ペテロやポーロ(パウロ)といった弟子たちの物語。続きを読む
投稿日:2022.07.23
蓮子
愛を語り、愛に生き、十字架にかけられて死んでいったイエス。そしてそのイエスを見棄てた弟子達。しかし弟子達は己の弱さ、卑怯さ、罪悪感の中で改めてイエスが遺した言葉と向き合い、信念の使徒と目覚めてゆく。本…書は新約聖書や伝承を引用しながら、小説家としての豊かな想像力を駆使してイエス亡き後のキリスト教団、キリスト教の伝導、指導者であったペトロやポーロ達の足跡、またエルサレムの壮大な歴史までも繙いた一冊。あくまでも遠藤周作の想像や推測にすぎないけれど、どのようにキリスト教が発展していったのかを丁寧に描いており、とても勉強になりました。聖書には矛盾や語られてないことが多く、その解釈によって色々な見方ができますが、遠藤周作が著した「キリストの誕生」は個人的には筋の通った解釈だと感じました。これからもキリスト教関連の本は読んでいきたいです。解説が高橋たか子なのも良いです。続きを読む
投稿日:2022.07.09
ばあチャル
『イエスの生涯』読了後、続巻のこれを読まないと、と思いつつなかなか進まなかったのに、読めば読んだで、早く読めばキリスト教のことがもっとよくわかったのにさ、という思い。ほんと、この2書はセットで…読むべし。 西欧の文学作品を読むにつけ、神の存在が日本人と全く違って意識され来るのだが、その多くを占めるキリスト教とは何か?の知識は、新書版などの解説書を少々読んでもなかなかわからない。それだから遠藤周作氏が小説家の目で解き明かしてくれたキリスト教の成り立ちに目を開かされる思いがする。 前に読んだ『イエスの生涯』には、元大工でユダヤ教徒だったイエスという名のひとが、律法に縛られたユダヤ教ではしっくりしないと悩み続けているうちに、ある時啓示を受け「寄り添う愛」にたどり着いた。しかし弟子は多くつどえど、弟子たちは本当のイエスを理解せず、裏切り、挙句の果てイエスは処刑され無駄に死んでしまう。その犬死のような死に意味があったのだった。 『キリストの誕生』では聖書(使徒行伝、マタイ、ルカの福音書・・・)などの文献から作者は、その後の弟子たちの動きを追う。原始キリスト教団の歩みというような語り口で、だんだん「なぜイエスの死」がキリスト教の普及に繋がったのかがわかってくる。一口に言えば裏切った弟子たちの猛烈な反省と後悔なんだけど、イエスと言う人の卓越した温かみがじわじわと「裏切り弟子たち」の胸に沁みとおってくるのを遠藤氏は切々と描くのだ。 西暦というのはイエスが生れたときから始まったと思っていたが、生まれたのは紀元前4年というのが通説らしい。ともかく紀元0年~紀元30年にイエスが生き、その後紀元50年、紀元60年までにエルサレムから地中海沿岸を通ってローマ、スペインまで伝播してしまった原始キリスト教の発信力はものすごいと思うし、それから現代までいろいろに歴史を重ねて(宗教戦争など酸鼻をきわめることがあるし)いるのだから、なんとも怖ろしい勢いと持続。ユダヤ教しかり、イスラム教しかり。いえ、一神教のみならず、主義主張にてこの世を動かす権力争いも宗教のようである。 根本的なことは「人間は誰かに、何かに」寄り添ってもらわないと生きられない」というのは真理だと思うから、それが何であれ続くものならば、互いに認め合っていってほしいものだ。続きを読む
投稿日:2020.11.29
碧岡烏兎
烏兎の庭 第三部 7.26.08 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto03//diary/d0807.html#0726
投稿日:2020.05.08
sho012b
このレビューはネタバレを含みます
凄まじい名著。 イエスの死、ヤコブ・パウロ・ペテロの死、ユダヤ戦争の災禍ー。繰り返される「神の沈黙」と「神の不再度降臨」に対する思考と信仰。そしてそれらを途切れさすことのない、イエスの中にあった「何か」(筆者はXという)。 どのようにキリスト教が立ち上がってきたのかを、人間的リアリティを持って味わうことのできる一冊。 キリスト教理解のはじめにこの本を読むと、凄まじくとっつきやすいが、小説家・遠藤の視点がかなり内在化しそうな気もする。 ーーー - イエスの死後... - 原始キリスト教団の誕生 - 12使徒たち中心に - 師の本物の愛と、師への裏切りの痛み - 「イエスの死の意味は何だったのか?」 - イザヤ書での一致 - 人間の罪をかぶって、イエスは死んだ - イエスは人間の罪を被って死んだ - イエスは復活する - イエスは再臨する - 神の怒りの犠牲でイエスは死んだ - 神の怒りに疲れていたユダヤ教徒に染みる - 指導者ペテロ - 慎重派。神殿と戒律を遵守。 - イエスは神殿と戒律を遵守せず殺された。 - ただしばしば弾圧。 - 「イエスを用いて布教するな」 - よりイエスのことを考えるように - 愛の義人からメシアへ思考の変化 - 保守派(ペテロ)と革新派(ステファノ) - ヘブライ語とギリシャ語(ディアスポラ・外を知りリベラル) - イエスは神殿・戒律より大事なものを説いていたではないか。 - ステファノの処刑 - 第二の見殺し。革新派グループのイスラエル外への離散 - パウロの会心 - 厳格なユダヤ教徒 - 厳格であるがゆえに、本質をよく考える - 何故、イエスはここまで人を惹きつけるのか? - 異邦人にも宣教していく - 第二の弾圧 - 暴君カリグラ帝によるユダヤ教弾圧 - ユダヤ教徒の「勝利」 - 神・戒律・神殿への正しさへの意識高まる。排外主義的に。 - キリスト教徒への迫害 - by ユダヤ人 - by ユダヤ人を敵に回せない分国王 - さらにイスラエル外にキリスト教が広まる - ユダヤ人が特に大事にしていたもの - 安息日 - 割礼 - これらなしでもOKという革新派キリスト教が国外で広まる - 異邦人問題 - イエスの教えは、異邦人にも必要だ (順応すべき) - イエス教えと、ユダヤの戒律、両方守るべき(同化すべき) - 沈黙の問題にも通じる - 律法に囚われすぎて逆に罪を犯す人間を許すために、神がイエスを送り、イエスが贖罪した。 - パウロ、アテネ(汎神論的世界)では布教に失敗 - 捕らえられ、ローマへ。 - ヤコブ・パウロ・ペテロの死。そして死の描写の沈黙。神の沈黙。 - キリストの死と同じ。 - 何故、熱烈に神を信じ信仰を広げた彼らは、死ななければいけなかったのか?死の意味は何か? - 原始キリスト教団が筋肉質になっていく。(脱落するものもいた) - いざこざ→ユダヤの反乱(ユダヤ戦争)→ローマがエルサレム落とす→原始キリスト教団(保守派)いなくなる。理由は不明。 - ユダヤ教 - サドカイ派の没落(神殿なくなる・司教殺される)。 - 原始キリスト教団の苦しみ - 神の沈黙(イエス→ヤコブ・パウロ・ペトロ→ユダヤ戦争) - 神の不再降臨 - 脱落者&逆に信仰のエネルギーにも。 - やましいことをした場合... - 相手の否定(裏切り) - 他の世界への逃亡 - イエスの愛の前では、両方不可能だった。 - 神の沈黙に対し、イエスは今もなお人間にその謎と回答の自由を与えている。 - 人間は永遠の同伴者を求めるからである。
投稿日:2020.04.20
ポイントが追加されました。ポイント明細ページからご確認いただけます。
クーポンコードの形式が正しくありません。半角英数12桁で入力してください。
エラー(エラーコード: )
本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック
スマートフォンの場合
パソコンの場合
このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?
ご協力ありがとうございました 参考にさせていただきます。
レビューを削除してもよろしいですか? 削除すると元に戻すことはできません。