【感想】犬はどこだ

米澤穂信 / 創元推理文庫
(295件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
48
130
81
2
1
  • 犬はあまり関係ないかも。

    ジャンルがハードボイルドになっていますが、米澤さんの文章は読みやすく、
    ユーモアが織り交ぜてあり、終盤のスピード感は見事。
    一気に読み終わってしまいました。

    物語の結末は、なんとも言えない重いものを胸に残しますが、
    それがこの小説の味なんだと思います。

    登場人物のいずれにも強い印象は感じませんでしたが、
    ミステリー好きではなくとも、十二分に楽しめるクオリティを感じました。
    爽快な読み味を求める人には合わないかもしれませんが…!
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    投稿日:2017.07.27

  • ボソッとつぶやく『役不足』『靴屋の小人』ツボにはまりました。

    パリティチェック論、「埋伏の毒」、SOHO、など。
    それ以前の問題から入ることになり、なかなか前へ進めず、それでもなんとか追いつく?と、
    今度は雲行きが怪しくなってきて、ありゃりゃなんてこと・・・!
    2人の探偵さんの人物像、人となりの描きかたが、読み進める程にますますと新鮮さ?を帯びてきて
    印象を覆されてしまう、そんな面白さも。
    誰もが知っているあの立派なお城ではない、山の中の「城」の存在意義とは?
    そして、それを知ることが・・・。
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    投稿日:2017.02.07

  • 会話が笑える

    心が折れて疲れ果てた青年が主人公です。この青年に好感がもてます。透明感がある人物で、静かに再起しようとしているひたむきさが良いなぁと思いつつ読みました。
    助手も対照的に濃いかんじでユーモアが有って笑わせます。出てくる人達が殆ど良い人達で、それが後々ひっくり返るのがスパイシーでした。
    物静かで、本当は芯の強い青年が少しづつ能力を発揮していくのが爽快でした。
    続きを読む

    投稿日:2015.09.10

  • 犬…の印象がない

    探偵志願の助手が意外といい働きをする話です。

    希望の職業に就けないなんてざらにあることで、そういう挫折を経た主人公。
    「犬捜し専門」で開いた探偵事務所もまた、前途多難です。
    アクション要素はないかわりに手堅く状況をつかんでいくのですいすい読んでいたら、最後にゾッとしました。続きを読む

    投稿日:2015.02.28

  • 耳の奥、引き金を引く音を聞いた。

    ハードボイルド犬探し専門(希望)私立探偵に舞い込んで来たのは、失踪人探しと古文書解読の依頼。

    ある程度事件の目星がついた、ところからの急転直下が好き。ラストに潜んだトリガーポイント。耳の奥、引き金を引く音を聞いた気がして、なぜか背筋が凍った。
    前半ぱら見して読むのあきらめた方ー!奇をてらわないゆったりスタート、それすらも伏線かもですよ?ミステリーっていいなぁ。
    続きを読む

    投稿日:2014.06.28

  • 落とし方が米澤節

    犬探し専門調査事務所を開業したはずだったのに、なぜか舞い込んだ依頼は古文書解読と失踪人探し。
    高校時代の先輩後輩の男二人組が手分けして調査にあたるわけですが、無関係と思われた地味な依頼がリンクし、やがてのっぴきならない状態へもつれ込むあたりは、安定のストーリーテリングです。
    途中で「オチが見えたかな~これ」と思ったら、最後の一撃にやられました。
    あれで一気に後味が悪くなって(褒め言葉です)、物語が引き締まりました。
    途中から物語も一気に加速しますし、米澤作品を初めて読む方でも入りやすい一冊かと思います。
    続きを読む

    投稿日:2014.04.05

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ブクログレビュー

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  • カズレゴ

    カズレゴ

    犬を探すつもりだったのに、なぜかしら失踪人捜索と古文書の解読をすることに。
    そしてその2件が…。
    読み易く面白かったです。最後も米澤穂信さんっぽくもありました。

    投稿日:2024.03.10

  • takosuke

    takosuke

    爽快な私立探偵小説!と、思っていたけどちょっと想像とは違ってたかも。スピード感あってテンポもいいのですが、ラストは賛否両論ありそうな気がします。
    なんとなくですが羅生門を思い出しました。あれは生きるためなので、今回の自分を守るためというのとはちょっと違うかもしれませんが、広義的に同じことではないかと思います。ただ下人や老婆がリアリストだったことに対して、本作のラストは狂気的なものを感じました。紺屋さんには逃げ切ってほしいですが、逃げるということはずっとその存在を気にすることに繋がります。また皮膚炎になってしまいそう。せっかく探偵事務所を開いたのに気の毒としかいいようがないです。
    そういえば番犬とか今どき聞かない単語を久しぶりに見ました。最近の犬は家畜じゃなくて家族ですもんね。とりあえず手荒れ対策を考えながら素直にお好み焼き屋を開いた方が幸せだったかもしれません。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.03

  • こーじ

    こーじ

    このレビューはネタバレを含みます

    一見全く関係ない2つの依頼が、思わぬところで交わり、最後に全ての答えに繋がり、伏線が回収されて行く展開はとても面白かったです。
    最初と最後で全く違う意味だが、「犬はどこだ」なのが洒落が効いていると思いました。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.01.26

  • yama3plus

    yama3plus

     「黒牢城」に続き、ついこの間「可燃物」を読み、「犬はどこだ」にも期待しながら読んだのですが、私にとってはあまり物語にのめりこめませんでした。
     探偵モノは嫌いではないですが、展開が都合良すぎた?のと、結末もしっくりこなかったように感じました。
     この本がどうやら今年の読み納めになりそうです。読書グラフを見たら2023年はちょうど70冊でした。2022年が34冊だったので、今年は頑張った方かな?これも作家さんとブクログスタッフのおかげです。ありがとうございました。
     皆様、良いお年を!
    続きを読む

    投稿日:2023.12.27

  • planets13

    planets13

    予想外の展開、予想外の結末。前半の掴みは弱いかもしれないけど、良くも悪くも予想外だった。一般的な銀行員でもこんなにネットの知識あるのかな? もしできるならば綺麗に...というのは過分な望みだったろうか続きを読む

    投稿日:2023.12.24

  • gabrielpetajirio

    gabrielpetajirio

    体を壊し銀行員を辞めて、犬探し専門の調査事務所を開いた紺屋長一郎。開所早々に持ち込まれた2件の依頼はどちらも犬探しではなく、失踪した女性探しと古文書の由来調査だった。
    探偵に憧れ事務所員となった半田平吉(ハンペー)と共にそれぞれの調査を始めるが、この2件、妙にリンクして行く。次第に明らかになる事件の全容は?


    人生に挫折してやる気を失い、運命論者的に何もかもを受け入れるようになった主人公と、一見チャラいもののその実なかなか使えるハンペーの取り合わせが絶妙。
    ミステリとしては人探しという単純な調査の割になかなか進まずちょっと中弛みしたけれど、ハンペーのキャラクターが要所要所を引き締める。
    一人称が長一郎パートの「私」とハンペーパートの「俺」で書き分けてあるんだけど、気を抜くとこんがらがる。

    ネットでの[白袴]と[GEN]のチャットのやりとりが面白かった。
    副題?の英文タイトルが秀逸。
    ミステリだけど全体としては紺屋の再生物語で読後感はそっちが強めだけに、復活した紺屋の仕事ぶりをぜひ続編で読みたくなるんだけど、予定されてたのにいまだに書かれていないようで残念。
    続きを読む

    投稿日:2023.10.08

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