【感想】風の陣【天命篇】

高橋克彦 / PHP文芸文庫
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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ブクログレビュー

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  • Ryohei

    Ryohei

     再読。第二作で手を貸した道鏡が巨大権力を握っていく中、嶋足と天鈴がそれを阻止すべく奮闘する。
     本作は最後を除き天鈴の策が尽く外れる。それだけ道鏡が狡猾だったということを表しているが、聖武天皇以前の藤原氏の権勢(称徳天皇自身、祖母も母も藤原氏)を知っているだけにこの一瞬で藤原氏の勢いが減退したという事実は改めて見ると面白い。もし称徳天皇が藤原氏の血を疎んで意図的に道鏡を利用していたらという妄想も…(澤田瞳子氏の『月人壮子』に感化されて)。
     いずれにせよ、道鏡の試みはあっさり阻止され、蝦夷にとっては苦難の時代に入る。道鏡が皇位についた方が蝦夷にとっては良かったのかとも思ってしまう辛い歴史が…。
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    投稿日:2024.02.22

  • yappinkun

    yappinkun

    牡鹿嶋足、物部天鈴のシリーズ第三弾。
    弓削道鏡が、孝謙太上天皇を担ぎ、陰で政治を操っていく。
    道鏡は、自らが天皇になろうと画策するが、和気清麻呂らと嶋足、天鈴が協力し、道鏡は天皇への夢を絶たれる。
    なる蝦夷と朝廷という図式ではない、この時代の権力闘争、歴史小説として、非常に読み応えがある。続きを読む

    投稿日:2020.09.04

  • nao

    nao

    恵美押勝討伐後一年、内裏では女帝の寵愛を受ける弓削道鏡が台頭し始める。
    恵美押勝討伐の功績により破格の昇進をした嶋足は道鏡の謀により最愛の女性を失う。
    帝位をも狙う道鏡の欲望をいかに阻止するのか。

    投稿日:2019.12.13

  • Bookrium

    Bookrium

    3巻目に入ってなお延々と続く内裏での勢力争い。そんな状況でも読んでいて嫌気がささないのは、偉くなっても武士の魂を忘れない嶋足の戦闘シーンのおかげかも。
    とは言うものの、このままじゃあ陸奥三部作ではなく平城京物語なので、そろそろ次の展開に進んで欲しいです。続きを読む

    投稿日:2017.10.22

  • kirikekanan5

    kirikekanan5

    天皇の周りの権力者が劇的に移り変わる物語に目が離せず、はらはらしながら読み進められます。それぞれの思惑と欲望を読みながら、「策」を進めるところが見どころ。

    現代にはない「天皇への権力の集中」と「貴賎、階級制度」が、一族の栄華や滅亡を簡単に予感させるほどの激動の時代を生み出しているのかと、この時代への興味が湧きました。

    余談ですが、「麻呂」の名前が付く登場人物が多く、頭の中が「マロマロ」で一時混乱しかけました。名前の流行がこの当時からあったのかしら。
    続きを読む

    投稿日:2017.09.18

  • 風太郎

    風太郎

     奈良時代、蝦夷の存亡と誇りを懸けた、新たなる闘いを描く大河ロマン第3弾。

     この巻の大きな敵は、前巻まで共闘していたあの道鏡、嶋足と天鈴の二人が道鏡を倒すため、様々な策略を図っていくところが歴史を動かしていく醍醐味を感じさせ、読みごたえがありました。

     歴史上の人物も次々に登場し、今まであまり縁のなかった奈良時代の歴史を身近に感じることができました。

     大義を貫くため、犠牲を払わさざるを得ない苦しさに悩む嶋足の人間性にもとても魅力を感じました。

     次巻でついに道鏡が最高の権力を手にしてしまうのか、まだまだ読ませる力が止まらない感じで、とても楽しみです。
     
    続きを読む

    投稿日:2017.06.11

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