【感想】元素周期表で世界はすべて読み解ける~宇宙、地球、人体の成り立ち~

吉田たかよし / 光文社新書
(34件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
16
11
5
1
0
  • リーダーでは周期表のページへ移動するのがめんどうなので

    途中で周期表を印刷して片手に持って照らし合わせながら読みました。
    この本に限らず、図表を含む本は紙の方が読みやすい。

    本の内容とは関係ないのですが、電子ブックリーダーだと小説やエッセイを読むのに向いているのかな。

    周期表についてロマンを感じているのがとてもよく伝わってきます。
    理科、生物、物理などの授業で、こういう見方をする教師には出会うことができませんでした。

    授業方法を工夫している教師はたくさんいるのでしょうが、私はそれに気付かなかったのか、本当に出会わなかったのか。
    いずれにしても残念だなぁと思いながら読んでいました。

    文系でしたので、数十年もの間、物理とは無縁と思い込み、学ぼうとはこれっぽっちも考えていませんでしたが、昨年から自然科学系を読み始め、今自分が就いている仕事の内容に対しても考え方が深まりました。







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    投稿日:2014.04.10

  • 元素周期表を片手に

    周期表の意味するところなどほとんど考えたこともなかった。周期表を手元において読むべし。

    投稿日:2013.10.27

  • 長年の謎がようやく今解けた感じです

    周期表は誰がどう使うんだか良く分からないでいたけど、ようやく見方が分かって面白いと思えるようになりました。
    ところで著者は最初化学の専門家かな?と思い、途中に宇宙科学の人かなと思い、最後はお医者さんかな?と思ったのですが、調べるといろんなジャンルの本を書いていて何者かわからないですね。
    しまった❗今なら50%offではないか!なんとお買い得な❗(^-^)/
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    投稿日:2016.01.05

  • 元素と日常生活との関わりをとても分かり易く説明

    水銀やカドミウム、福島の原発事故で有名になったセシウムやストロンチウムがなぜ人体に有害なのか、元素周期表を見れば一目瞭然ということが分かりました。中国がなぜレアアースを独占出来るのか(ほとんど偶然)なんて豆知識も多数。
    自分も学生時代、周期表はつまらないものだと思ってましたが、この本を読むと目からウロコ、難しい数式や化学式なしでとても興味が湧きました。
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    投稿日:2018.01.19

ブクログレビュー

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  • rafmon

    rafmon

    著者吉田たかよし氏は、医学博士であり、大学教授であり、そこまでなら何となく分かるが、元NHKアナウンサーであり、タイタンに所属するタレントでもあると聞くと、何だか胡散臭くなってしまうのである。そして、そのせいで出版された本も程度の低いものではないかと、偏見をもってページを開いたが、これはもう、心でお詫び。非常に分かりやすく、読んでいてワクワクするような。何より勉強になりました。

    スイへーリーベーの元素周期表だが、その読み方や面白さを伝えてくれる。これを作成したメンデレーフは元素の一覧表の中で、該当する元素が見当たらない場所を空欄とした。そして、そこに入るべき元素を予言。例えば、アルミニウムの真下にはエカアルミニウム。エカと言うのはサンスクリット語で1を表し、1つ下という意味。ケイ素の下にはエカケイ素。今、エカアルミニウムと名付けた空欄にはガリウムが埋まった。ケイ素の下には、ゲルマニウムが埋まった。

    元素と周期表の関係で大切な事は、①周期表の縦1列は、最も外側の電子がよく似た状態であることが多い。②最も外側の電子の数で元素のおおよその性質が決まる という事だという。そこから考えると、セシウムはカリウムと同じ列の2つ下にある。カリウムは、神経や筋肉の細胞を働かせる人体にとって不可欠な元素だが、最も外側ある電子の数が同じセシウムを間違って体内に取り込むことがある。ストロンチウムはカルシウムと同じグループに属するため、骨に取り込まれてしまう。このため、放射性ストロンチウムが骨に悪性腫瘍を作らせ、骨肉腫が発生する。また、骨の内部の骨髄で赤血球や白血球を作っているが、骨髄の細胞にもダメージを与えるため、白血病を引き起こす。セシウムやストロンチウム。福島原発で有名になったアレだ。

    人体を構成する元素は、1番多いのが水素、順に酸素、炭素、窒素と続き、これらの4つの元素だけで全体の99.5%を占める。そして水素は第一周期、酸素、炭素、窒素は第二周期にあたる。宇宙に多く存在する元素ほど人体にも多く含まれる。周期表で人体がよく使う元素の真下にある元素は毒性があることが多い。例えば亜鉛とカドミウム、水銀。よくあるものから我々は生まれた。そして、似たようなものに、苦しめられる。

    後は以下のようなトレビア。ためになる。

    ー ギャバニューロンの細胞膜には塩素イオンを通す小さな穴が存在する。普段はこの穴は閉じているため、細胞の中に入っていけないが、アルコールや睡眠薬が作用すると穴が開き、細胞内に塩素イオンが一斉に入っていく。塩素イオンはマイナス1価のイオンなので、細胞の中も電気的にマイナスになっていく。そうするとギャバニューロンが働きやすくなり眠くなる。お酒を飲むと眠くなる理由。睡眠薬と飲酒を同時に行うと塩素イオンが流入しすぎて制御不能に陥るため命を落とすことがある。

    ー 二酸化炭素に比べて酸素は水に少ししか溶けないため、体の中で運ぶのが難しい。特に冷水なら酸素はそこそこ水に溶けるが37度まで上がると溶解量はぐっと下がる。ちなみに、南国の海が透明なのは、熱帯の海は水温が高いので、酸素の量が少なく、プランクトンが多く生きられないため。水温が低い海だと比較的多くの酸素が溶けているため、プランクトンが繁殖し水が濁って見える。水温が低いほどプランクトンを食べる。魚も豊富に育つ。

    ー 体内の血液は温度が高いので、酸素を水分に溶かして運ぶのが難しい。そこで登場したのが赤血球の中にあるヘモグロビン。ヘムと呼ばれる赤い色素に鉄がくっついている。この鉄が酸素を効率よく運ぶ。酸素の運搬と言う役割を果たす。金属は手だけではなく、クロムやマンガン、コバルト、ニッケル、銅などでも理論的には可能。しかし、こうした多くの候補から鉄が役割を果たすことになったのは、存在量が多かったからと言うことだ。もし宇宙がコバルトだらけだったなら、私たちの血液はコバルトブルーだったかもしれない。

    ー レアアースの各元素は、それぞれ電子配置がよく似ているので、化学的な性質も似ていて、同じ場所から産出される傾向が高い。レアアースの鉱床は、アジア、北欧、アフリカ、南北アメリカ、オーストラリアと世界各地で見つかっているが、そのほとんどが軽希土類の鉱床。重希土類の鉱床は現在のところ、中国南部でしか開発されていない。
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    投稿日:2024.02.09

  • こうけん

    こうけん

    人体における各元素の働きには興味があったので手にとった。しかし、私は学生時代から周期表を覚えるのが苦手。ちゃんと理解できるだろうかと不安だったが、本書は誰にでも分かるような言葉で丁寧に解説されており非常によく分かった。
    もともとの目的であった人体については、特に神経や筋肉がナトリウムとカリウムによって動いているという話が興味深かった。オン / オフの切り替えを細胞の内外の電気的プラスマイナスで切り替えており、それを同じ 1 価で大きさの異なるナトリウムイオンとカリウムイオンで行っている。なぜナトリウムとカリウムなのかということにも言及されていて面白かった。
    他にも宇宙というスケールの大きい視点から元素の起源について語られていたり、少し前から注目されているレアアースについても解説されている。
    本書を読んで一気に周期表が理解できたし、好きになった。学生時代に読んでおきたかった一冊。現在勉強中の学生や私と同じように周期表に苦手意識のあった人に是非読んでみて欲しい。
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    投稿日:2022.02.14

  • kumalibre

    kumalibre

    目に見えない一見難しそうな取っつきにくい世界を魅力的なサイエンスストーリーとして解説した本。知的好奇心をくすぐる内容ばかりで読後の満足度が高い。正直、電子や原子やイオンのプラスマイナスの話などを完全に理解しながら読めた訳ではないけれど、それでも十分に納得しながら元素および周期表の神秘さや不思議さ、美しさを感じることができた気がする。著者自身も魅せられていると語っていた「希ガス」の話は特に興味深く惹き込まれた。理科離れが叫ばれて久しいけど、こういう話を中高生の時にもっと知る機会があればサイエンスに興味を持つ学生も増えるように思う。続きを読む

    投稿日:2021.11.10

  • ふくお

    ふくお

    【手に取ったきっかけ】
    学生時代、電気化学寄りの材料科学分野を研究していた。
    詳細な説明は省くが、求める性能を発揮する材料の候補を検討する際に、周期表を眺める時間が多かった。
    周期表が便利なことは知っていたが、より詳細な解説はぜひ読んでみたいと感じたので、この本を手に取った。
    東大で修士を取った後、NHKでアナウンサーを務め、その後医者になるという著者の珍しい経歴も興味を持った点の一つである。

    【概要・感想】
    量子化学を専攻し、医師免許も持つ著者が、周期表をあまり知らない人にもわかりやすくかみ砕いて周期表を解説してくれている。
    まずは化学の側面から、元素は周期表上でなぜあのように並んでいるのか、縦の列(一般的には「1族、2族、・・・」という言い方をするが、著者は「グループ」という言い方をしている)、横の列にはどのような意味があるのか、
    といったことを解説している。
    この辺りは学生時代習ったことなので軽く読めた。
    次に元素と人体の関係の解説へと進む。
    例えば福岡原発事故の際に話題となったセシウムなどがなぜ人類の健康に影響があるとされているのか、どうしてアルコールを摂取すると眠くなるのか、高血圧の予防・治療に緑黄色野菜の摂取が推奨される理由はなんなのか、
    といった人体にまつわる疑問は、周期表を用いて解答することができる。
    化学をほとんど知らない人でも、周期表と照らし合わせながら読むことで、楽しく読める読み物だと感じた。
    続きを読む

    投稿日:2020.11.11

  • 5757274

    5757274

    ビッグバン
    →素粒子誕生
    →水素原子核誕生
    →水素が集り恒星誕生
    →恒星内部でヘリウム誕生
    →炭素、窒素、酸素が誕生
    →核融合エネルギーに依り恒星が輝く

    投稿日:2019.03.24

  • ryo16

    ryo16

    周期表を用いて宇宙や人体などの事象を上手く説明しており、高校程度の化学の知識があれば面白く読めると思う。

    冒頭で述べられている「周期表とは量子化学の結論を数式を用いずに表したもの」(だったかな)という定義は本質を上手く言い得ている。続きを読む

    投稿日:2017.02.15

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