【感想】池波正太郎「自前」の思想

佐高信, 田中優子 / 集英社新書
(5件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 読生

    読生

    池波正太郎ファンによるトークブック。です。
    二人とも池波正太郎…特に鬼平犯科帳がとても好きで仕方ないみたい。反面、司馬遼太郎はお好きではないようで、なんだかものすごくあたりが強いのです。
    池波さんに関する本なんだから、そんなに引き合いに出さなくても…って思ったり。続きを読む

    投稿日:2019.01.30

  • bax

    bax

    [ 内容 ]
    二十三回忌を迎え、なぜ今なお池波正太郎が愛されるのか。
    そこには池波が描き、そして生きた、たとえ貧しくとも「世間」というセーフティネットが機能し、誰もが「自前」で生きていける社会に対する我々日本人の郷愁と憧憬があるのではないか。
    「ワーキングプア」「孤立死」「世代間格差」…社会が個人を分断し、突き放している今の日本。
    辛口評論家と江戸研究家の最強コンビが、『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』など池波のヒット作はもちろん、池波自身の人生をも読み解きながら、これからの日本人に相応しい生き方を共に考える。

    [ 目次 ]
    序章 池波正太郎、愛される理由
    第1章 仕事の流儀
    第2章 遊びに磨かれて
    第3章 家族の肖像
    第4章 正義は誰のため?
    第5章 江戸と東京のメンタリティ
    終章 答えは池波正太郎にあり

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]
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    投稿日:2014.10.10

  • kuma0504

    kuma0504

    佐高信 鬼平も小兵衛も剣は強いですよ。梅安も強い。何かひとつ持っていればいい、ということかもしれない。
    田中優子 確かに。何かひとつ持っていればいいんですよ。それが心の強さを支えますから。
    佐高 そのことを学校では教えないんですよね。
    田中 何かひとつ持つというのは、権威に頼らないで済む生き方ですよね。例えば農民は非常に多くの能力を持っているので、自分と家族だけで生きようと思えば生きられます。職人なら腕ひとつでどこへ行ってもなんとかなる。商人も才覚と知恵があれば、どんな社会でも自立出来ます。武士だけは人の働いた金で食べているので、権威に頼らないと生きていけません。みじめな存在です。何かできるとすれば「剣客商売」のように、剣の腕を商売にすることぐらいかしら。だから「剣客商売」は、自前で生きる様になった武士の物語なんですよね。
    佐高 それが池波さんの型ですよね。同じく型があっても、「水戸黄門」とはまったく違います。水戸黄門は泥棒にも理があるとは絶対に言いませんから。(26p)


    池波正太郎はバリバリの自民党支持者だった。しかし、そのことを知っても私は大好きだった。全てとはいかないが、作品は6割くらいは読んでいると思う。鬼平、小兵衛、梅安に至れば8割くらいか。佐高信、田中優子もリベラル派の論客だけれども、大ファンだという。この対談を読んで、どうして池波正太郎が良いのか、やっと腑に落ちた。

    三つの物語はどれも田沼意次の時代であるが、佐高信が田沼をダーティなハト派、松平定信をクリーンなタカ派だと言い、自民党の系譜で言えば前者を田中角栄、後者を福田赳夫、小泉純一郎に例えていた。佐高信が今の時代、池波正太郎を話題にするのが分かる気がした。安倍はクリーンなタカ派である。アメリカ主導の新自由主義や強欲な金融資本主義等々競争主義礼賛の社会を進めるだろう。表の顔と裏の顔とがあるのが人間だよと池波正太郎は言う。「自前」で「世間」が生きている社会を描き、その中で何度も何度もテレビ化されるキャラクターを作った。保守の思想とは、思うにこうでなくてはならない。
    2013年1月28日読了
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    投稿日:2013.03.15

  • mighio

    mighio

    失敗表彰、恩送り、陋規。今まで知らなかった素敵な理念がいっぱい学べた。とくに清規と陋規については、自分の仕事上ほんまに考えさせられる考え方で胸に残った。自前と自立は違うよ、というのは、橋本治も一人前になる/自立するは違うと言っているのと同じかなぁと思う。続きを読む

    投稿日:2012.11.03

  • dysm3636

    dysm3636

    池波正太郎本はほとんど読んでます。
    小説、エッセイも 彼が書いたお店で美味しくいただいています。
    佐高さんはあまり好きではなかった、法政の田中さんは良く解らなかった。今までは。
    この一冊は、普段偉そうにしてテレビに出ている二人を身近に感じさせました。
    池波正太郎に蘊蓄はいりません。とりあえず一冊読みましょう。それが二冊、三冊に
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    投稿日:2012.08.30

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