【感想】特捜部Q―檻の中の女―

ユッシ・エーズラ・オールスン, 吉田奈保子 / ハヤカワ・ミステリ文庫
(107件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
32
47
15
0
0
  • 楽しみなコンビもの

    早い段階で犯人の目星はついてしまったが、話は面白かった。主人公のカールが当初の駄目っぷりから早々に立ち直って活躍する点が意外で、助手?のアザドもなかなか魅力的な人物で謎が多いところも良い。シリーズものの強みで解決しない持ち越しの事件はあるもののこのコンビがどうなっていくのか次が読みたい。「コールド・ケース(未解決事件)」ものではあるが、結構アクティブなこと、謎解きのタイミングなどストーリー展開も良く練られていて楽しみなシリーズがまた1つ増えた。続きを読む

    投稿日:2013.09.24

  • シチュエーションが怖い

    読み進むに連れて、だんだんど怖さが増してくる。思いつめるということが、これほどまでに悲しく、痛ましく、痛いことだということがジンジンと伝わる小説。
    しかし、寒々しさの中に、温かな人間味があふれるミステリーの傑作。北欧の空気とハードボイルドと、いい感じのくたびれた感じがなんともいえない続きを読む

    投稿日:2013.09.26

  • 北欧デンマーク産の警察小説シリーズ第1弾!

    腕は立つが周囲との軋轢が絶えず、半ば閑職としてもうけられたような特捜部Qの主任として地下室に追いやられるカール。その助手としてあてがわれた謎だらけだが非常に有能なアサド。この二人が未解決の事件となっていたミレーデ事件を追う。
    過去と現在が入れ替わりに描かれる手法で読者の興味を引きつけながらも軽快なテンポで物語が進んでいく。とらわれの身となったミレーデを取り巻く状況は悲惨そのもので、自分がその立場になったらあっという間に発狂するであろうことは想像に難くないが、そんな状況をもミレーデは強靱な精神力で乗り越えていく。一方、ミレーデ事件を追っているカールたちはずさんな捜査によって迷宮入りになったことに腹を立てつつ、一つ一つを丹念におっていき、やがて一人の容疑者を絞り込む。
    北欧ミステリという括りにされてはいるものの、謎解きの部分はそれほどの比重を置いていない印象。むしろ、終盤のタイムリミット・サスペンスのハラハラドキドキ感が物語を引き締め、ラストでほんのりと感動させるあたりがとてもうまい。救いのない状況をこれでもかと描いた後にやってくるラストは、それまでの状況があるが故に静かな感動を呼ぶ。
    シリーズ化されているので、続編も気になるところ。
    続きを読む

    投稿日:2014.05.05

  • わくわくドキドキ

    物語については淡々とすすみますが、なにしろ
    キャラが魅力的で、皮肉が多く、楽しいです。
    トリックや解決についてはいろいろ意見も
    ありそうですが、キャラの魅力にやっぱり引き付けられてしまいます。シリーズで皆さんに読んでもらいたいです。もっとお得になればいいかな?
    続きを読む

    投稿日:2015.07.03

  • 一瞬の事故から・・・

    檻の中の女
    両親を亡くし、弟も不自由な体になってしまったのに懸命に生きる彼女。
    被害者がおかれた過酷な状況、解けない謎と怒りは一つずつしか進まない。
    カールとアサドに最後はなんとか間に合って!という悲痛な願いだけに!後半はいっき読みです。続きを読む

    投稿日:2013.10.23

  • 未解決事件を追うコンビにハラハラ

    殺人事件の捜査中に同僚を撃った犯人をみすみす取り逃がしてしまい自暴自棄になっていたカール警部補をもてあました上司は、未解決の重大事件を扱う特捜部Qを新設しその統率を彼に命じる。
    部下は謎のシリア人・アサド一人。
    二人が着手したのは女性議員の失踪事件。

    やられた。
    面白かった。
    誘拐された女性議員の描写と現在の捜査過程が交互に進み、カールとアサドはその救出に間に合うのか、議員の孤独な戦いはどうなるのか、緊迫感十分だった。
    自責の念に絶えず駆られているカールと対を成すようなアサドの明るさ。
    この二人のバランスが非常に心地よく、はらはらするだけでない作品になっている。
    犯人の目星は途中でついてしまうものの、これはそこを読むミステリではないので、じっくりとその先も楽しめる。
    むしろそこから先の展開もいい。
    実は意外と地味な捜査が続く警察小説でもあったりするんだけど、そういう印象を抱かせないほど巧いつくりになっている。
    個人的にはデンマークの名前ってスウェーデンやアイルランドものほど覚えにくくなくて、登場人物紹介を一度も見返すことなくさくさく読めた。
    ポケミスで450ページがあっという間だったよ。
    続きを読む

    投稿日:2013.12.23

ブクログレビュー

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  • hayasick0103

    hayasick0103

    署内の鼻つまみ者カールを追いやるために新設されたような、未解決事件を扱う特捜部Q。その最初の事件は5年前の女性議員失踪事件。部下を1人は死なせ、1人は全身付随にしてしまいPTSDに苦しむカールが、癖の強い謎多きアサドとジワジワ手がかりを増やしていく過程と、極限状態に監禁されたミレーデの壮絶な5年間の章が交互に展開される。かなりエグい監禁生活の緊張感は凄まじい。歯痛は特にねぇ… ハーディとの関係やアサドとのバディ、シリーズの今後が楽しみ。続きを読む

    投稿日:2024.03.24

  • きゅう

    きゅう

    はみ出し刑事カール・マーク警部補が、部下のシリア系変人アサドと共に未解決事件を捜査する、デンマーク産の警察小説第1巻。

    5年前に自殺と片付けられていた女性議員失踪事件に纏わる話しで、現在と過去が交互に語られる展開に、ドキドキしながらページを捲りました❗

    キャラクターは非常に個性的で、残り100ページ以降はとても読み応えがあって、とても感動しました♫是非とも1人でも多くの方に読んでもらいたいオススメのミステリーです❗
    続きを読む

    投稿日:2024.01.08

  • kissarmy0814

    kissarmy0814

    2023.05.12
    読み進めるのに忍耐が必要。丁寧に書き進められていることと、なかなか簡単に解決させないやきもきさせるストーリーのため。
    でもそれは悪い意味ではない。私は評価してます。これを読んで歯のケアは重要だと思った。最近歯科に行けてない。予約せねば。続きを読む

    投稿日:2023.05.12

  • kemukemu

    kemukemu

    さあ、デンマークのコペンハーゲンで、ドラマが始まります。

    「特捜部Q」は「ミレニアム」とともに北欧ミステリーの代表ともいえるシリーズ
    ともに映像化され、北欧の深い森と霧、過酷で静寂な自然とは相反する壮絶な事件の物語。
    『檻の中の女』はその第一作

    荒削りなストーリーで突っ込みどころ満載でも、こんなにオモシロイと感じるのは、やはり主人公となるカールやその相棒、その他の登場人物の魅力に尽きる。

    事件は2007年と2002年の出来事が並行して語られて、徐々に一つの点へ進んでいく……とてもドラマティックな演出で、読み進めるとどんどん映像化が進んでいく。

    シリーズを通して主な登場人物となる刑事カールやアシスタントのアサドが、さっそく個性を振りまきながら事件にぶつかっていく。

    さあ、特捜部Qの始まりです!
    続きを読む

    投稿日:2023.05.06

  • mich

    mich

    なかなか疾走感のある作品で作品でおもしろかったです。
    アサドの過去であったり、冒頭にカールが遭遇した事件は解決されていないので、続編以降で取り扱うのかな。シリーズ通して人気のようですので、継続して読み進めようと思いました。続きを読む

    投稿日:2023.04.07

  • bukurose

    bukurose

    捜査中に銃で撃たれ重傷を負ったカール・マーク警部補。一人の同僚は死に、一人は脊髄損傷で身動きできない体に。そんな中、過去の未解決事件を再捜査する部署が作られ担当に任命される。

    数ある未解決事件ファイルから選んだ事件は、5年前に起きた若き女性議員ミレーデの失踪事件。自殺とみなされたが肝心のミレーデの遺体は見つかっていない。そこで部下無し、事務室は地下室、という中で、一人のシリア系のアサドを下働きにつけてもらい、解決に乗り出す。物語は事件の起きた2002年と、現在の2007年が交互に語られる。


    ミレーデ失踪の原因が分かると、ちょっとあっけない気もしたが、そこにたどり着くまでのカールとアサドの捜査の進行具合がおもしろい。舞台がコペンハーゲンとあって地図も見ながら読む。

    ミレーデ失踪の場面で、あれ? 既視感・・ なんと以前にドラマを見ていたのだった。でもドラマは画面が暗くて途中で寝てしまったらしい。本は飽きることなくずんずん読めた。

    カールとアサドのコンビをもっと読みたい、と思わされる1冊。

    早川ミステリハンドブック・胸にぐっとくる相棒ものミステリ

    2008発表 デンマーク
    2011615発行 図書館 (ドイツ語からの重訳)
    続きを読む

    投稿日:2023.03.03

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