【感想】孤虫症

真梨幸子 / 講談社文庫
(129件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
16
57
39
11
0
  • 一気読み必至!ドロドロミステリーへようこそ

    いや~、非常に、非常に、非常に(しつこい?)面白かったです。何だか読み終わった後、小さくまとまらず随分広げた内容になっていたなぁと感心しました。

    後半部分は、「え?え?どういうこと?」の繰り返し。そんなこと可能なの?という箇所もまま見受けられましたが、何だか 力業で納得させられました。

    本当は主役だったはずの人物が、実はそうではなかったという驚愕の展開は必見です。

    あと天を貫くようなタワーマンションに住む人々の人間関係のドロドロ感。主婦って大変~。
    何だか同じマンションでも高層階と低層階に住む人の優越感と劣等感とか、それに近隣住人との間でもたれる不貞行為にお腹いっぱい。あと病気、ヤバイ
    です。ダメ、絶対!

    みんな真面目に生きたいですね…。
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    投稿日:2016.08.13

  • ポルノチックな話から、最後は。。。あー語るのもおぞましい~!

     最初は、欲求不満で、ありきたりのセックスには飽きてしまったような主婦が主人公の、エロ小説まがいで始まります。その内、人間のドロドロとした嫉み、そねみが全面的にてできます。私自身は、かつて公団住宅に住んだことがあるだけですが、同じ棟でも価格帯にかなりの開きがある超高層高級マンションだと、色々と思惑が行き交うのかもしれません。
     物語は、自由にセックスを謳歌している主婦が、とてもおぞましい、また、とても気色の悪い事件に巻き込まれます。そして、彼女が主人公かと思って読み進めていると、途中から姿を消してしまって、その妹に主役が変わります。あれあれ?と思っている内に、おぞましき事件が次々と起こり、誰が犯人で、いやいや何が原因かも判らぬまま怒濤の展開を見せます。どーなる?どーなる?とページをめくる手が早くなるというものです。そして徐々に、私の推理の範囲をはるかに超えた犯人像が、次第に明らかになってきます。「ことくさん」のレビュー通り、一気読み必須の小説なのであります。
     何といっても、おぞましきは寄生虫です。未知の生物、とくに微生物に体を食い荒らされる話は、小説にも映画にもあります。でも、これは一味違います。なんせサナダムシの変形みたいなものが相手ですからね、今でも少なからず事例が報告される、あの巨大な寄生虫の姿が嫌でも目に浮かんできます。つまり話が少々リアルなのです。
     ただ一つ残念だったのは、総ての結末、というか種明かしを、研究論文式のレポートでまとめてしまったことかな?勿論、これだけ練り込まれた話ですから、その説明方法を採れば複雑な内容を理解しやすいでしょう。しかも、名探偵が登場するような推理小説でもないので、ホームズやポアロが種明かしをするわけにもいかないのも判ります。それに、このような型式にした方が、あたかも実際に発生した孤虫症のようにも感じます。でもちょっと、小説としては安易な方法に見えてしまう気がするのですけれど、どうでしょうか。
     とは言え、これは、最初はエロ、次第にグロ、最後は、ドロドロの性いや業?となる、流石はメフィスト賞と、納得の小説なのでありました。
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    投稿日:2017.06.30

ブクログレビュー

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  • ゆる

    ゆる

    このレビューはネタバレを含みます

    久しぶりの真梨作品。
    安定のドロドロイヤミス

    地の文っぽいところとそうじゃないところが混ざってた理由がわかってスッキリしたけど、最終的に誰も幸せじゃない終わり方すぎた…
    謎の感染症×女の嫉妬こわすぎる。

    やっぱりイヤミスの女王はレベルが違う。

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    投稿日:2024.03.06

  • 栗まんじゅう

    栗まんじゅう

    この寄生虫が実際にいること、人間関係の闇深さも相まってゾッとしました。読み終わってこの後のマンションの住人の事考えるとまたゾッとします。

    投稿日:2024.02.05

  • ホイコーロー

    ホイコーロー

    不穏な空気感か終始漂っていて怖いけど興味をしたまま読み終えれた。
    後半の怒涛の種明かしが圧巻だった。
    振り返った時、最初の語り手に救いが無さすぎた。
    狭いコミュニティの怖さ、視野の狭さによる顛末にも感じた。続きを読む

    投稿日:2024.02.01

  • ポプラ並木

    ポプラ並木

    このレビューはネタバレを含みます

    新年早々ヤバイ本でした。タワーマンションに住む主婦の麻美はセフレ男性3人とアレを楽しむ。性依存症かな。しかし男性達が相次いで瘤状のデキモノ(感染症?)で死ぬ。しかし麻美が右手を切り失踪する。次に第2のヒロイン麻美の妹の奈未。麻美の旦那とくっついたり非常に不穏な展開。次に登場するのはタワマンの女性住人。麻美に対する嫉妬心から麻美を滅茶苦茶にしていく。麻美の家に盗聴器を仕掛け、ドロドロの展開と超胡散臭い人間関係は人間の悪意が極大化した!しかしラストは淡々と終了。うーん、ラストの息切れ感以外は最高級でした。⑤

    【ネタバレ注意】
    目黒寄生虫館には何度か行きました。 https://www.kiseichu.org/ 

    自分は今年、小野不由美・『残穢』をGWに読む計画です。

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    投稿日:2024.01.02

  • m

    m

    このレビューはネタバレを含みます

    続きが気になって一気読みしちゃいました!
    叙述トリックによるどんでん返しめちゃくちゃよかったです^_^
    梶原さん、山上さん、吉田さんたちの嫉妬や脅しを巡ったドロドロや麻美と奈未の母親のエピソードなど、全体を通して普通の感覚では理解できない女たちの描写が多い中で、麻美がゆり子の笑い方を不快に感じるシーンなど絶妙に共感できてしまう些細な描写もあったのが個人的に好きで面白かったです!
    元々真梨さん好きでしたが、デビュー作がこんなに強烈だったと知ってより好きになりました^_^

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    投稿日:2023.12.11

  • ワオヶ島

    ワオヶ島

    このレビューはネタバレを含みます

    本編を通して不穏な雰囲気が漂う。描写の気持ち悪さはものすごかった。

    未知の寄生虫に侵されてエグい死に方をするバイオホラーなのかと思ってたけど、登場人物も相当なエグさだった。

    三章の種明かしがちょっと雑すぎてそこは残念だった。アキコのセリフが2、3ページに渡って続いてて、演出も何もなかった。あと一章、麻美の実体験ではなく梶原が書いた小説だったと言う仕掛けは、無理があると思う。夢オチみたいな残念感があった。ハラハラドキドキを返してくれといった感じ。

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    投稿日:2023.12.04

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