【感想】閉塞経済 ――金融資本主義のゆくえ

金子勝 / ちくま新書
(10件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
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ブクログレビュー

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  • サム

    サム

    主流派(新古典派)経済学と非主流派の関係性を実際の経済政策に当てはめて整理できた。
    全体的に新書ゆえのさらっと感、主張(結論)中心で説明が少ない印象があり、下記は自分で確認したい。
    ○2004年年金改正など社会保障の話
    ○新古典派は本書が批判するように単純なのか
    構造改革の全体像、情報の経済学、インセンティブなども詳しく知りたくなった。
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    投稿日:2020.07.22

  • 板橋区民

    板橋区民

    バブルの発生メカニズムとその要因、新自由主義とケインジアンとの相克、経済と倫理との関わり、の3つのテーマについて大括りで語られている。
    どれも説得力のあるロジックではあるが、どの経済学者の主張もそれぞれに説得力があり、一体どれが真実なのかわからなくなる。従って本書も素直に100%信頼することができない。例えば、経済政策として教育と再生可能エネルギーへの投資が重要というが、見習うべき例として挙げられていたドイツQ-Cellsは既に中国企業の手に渡り、FIT制度も破綻の危機にある。
     結局歴史のフィルターを通してしか経済政策の正しさを証明できないとすれば、果たして経済学はこれでも科学といえるのだろうか?
     最終章の倫理学と経済学の深い関わりは当然の帰結に思える。詰まるところ経済学とは哲学である。
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    投稿日:2014.03.09

  • junsugimoto

    junsugimoto

    今日の世界を覆っている不自然な金融資本主義では、バブルや格差の発生は不可避である一方で、もはや神の手も公共対策も十分に有効ではないとの主張です。危機感はよく伝わってきましたが、それでは具体的にどんな処方箋が市民に受け入れられ得るかという点は言及が少ないと感じました。続きを読む

    投稿日:2012.04.25

  • アキヤマ ヨウイチ

    アキヤマ ヨウイチ

    このレビューはネタバレを含みます

    古典経済学ではうまく説明していない、所謂バブルについての解釈が興味深い。
    著者の説によると、金融改革を経て以降の世界ではバブルの成長と破綻はなるべくしてなると。
    また、経済の中ではとかく原因と結果が逆に見られているのではないか、という意見に新鮮味があった。
    経済学という側面から見ると、世界は発展しているのか、混迷しているのか、はたまたそういう見方自体がすでに何かしらのイデオロギーに染まっているのか、考えさせられる。

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    投稿日:2011.09.24

  • bax

    bax

    [ 内容 ]
    サブプライムローン危機が世界を揺るがしている。
    その原因を知るには、バブルの発生・崩壊のメカニズムと、七〇年代以降の世界のお金の流れを押さえる必要がある。
    一方、日本国内を見ると、九〇年代以降、政府当局は「構造改革」と「金融自由化」により長期不況を脱する道を選んだが、この選択は果たして正しかったのか。
    政策のバックにある主流派経済学では、もはや問題を解決できず、格差の拡大など、社会の傷を深くするばかりだ。
    経済学の限界を指摘し、日本社会の現状と将来を見据えた新しい経済学の可能性を探る。

    [ 目次 ]
    序 戦後最大の米国不況をどうとらえるか?金融資本主義の経済学
    第1章 バブルの経済学-サブプライム危機はなぜ起きたか(バブルはなぜ起こるのか バブルはなぜ繰り返されるのか バブル崩壊に対して経済学は役に立つのか)
    第2章 構造改革の経済学(供給サイドか需要サイドか 構造改革はどういう結末を迎えたのか 制度改革にはどういう思想が必要か)
    第3章 格差とインセンティブの経済学(「正義の問題」と経済学 インセンティブ理論の落とし穴 新しいタイプの不平等)

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    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]
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    投稿日:2010.08.29

  • tsubasa0206sky

    tsubasa0206sky

    現資本主義体制の限界を露呈している。

    政府及び中央銀行が行う需要側・供給側からの財政政策と金融政策の繰り返しは、もはや現在の経済には通用しなくなっており、その限界がサブプライプをはじめとする証券のバブル崩壊で明らかになった。

    アメリカの経済、そしてそれを追随している日本経済は現状体制のままでは大丈夫なのだろうか。

    この著はそんな問いをかけている。

    具体的な答えを金子氏が述べているわけではないが、その懸念を私たちに感じさせる良書だと思う。

    ぜひ金子氏の論文を読んでみたいと思った。
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    投稿日:2010.07.18

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