真田太平記(六)家康東下

池波正太郎 / 新潮社
(24件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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ブクログレビュー

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  • 玉三郎

    玉三郎

    折り返し地点。いよいよ関ケ原間近。

    天下泰平のために行動する兄、
    義のために行動する弟、
    天下への野心を抱く父。
    それぞれの思いが立場を別々にし、
    上田の幸村・昌幸と沼田の信幸の距離は遠のく。

    してついに犬伏の別れが訪れる。
    一丸となってどうやって乗り切るか考え、
    あくまで策として敵味方に分かれ、
    最後まで親兄弟の絆が描かれた
    真田丸とはまるで対照的である。
    どちらが史実に近かったのだろうか。
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    投稿日:2020.01.18

  • 淳水堂

    淳水堂

    6巻家康東下

    秀吉の死後着々と力を付ける徳川家康。
    昌幸は秀吉贔屓ですが、ところどころで秀吉の采配に疑問を持つところもありました。
    家康に対しては、気に入らないけれどその采配や覚悟に感服するところもあるようです。

    上杉景勝と、石田三成はそれぞれ家康を排除しようと動きます。
    家康は上杉景勝に対して兵を挙げ、さらにその家康に対して三成が兵を挙げます。
    関ヶ原の合戦と言うのは後世から見ると家康楽勝で三成無謀として描かれることもありますが、ここでは家康はかなり決死の決意と大胆かつ綿密な計略をたて己の一心の決意で事の準備を進めていきます。

    そして三成は事前にだれにも相談せず己の信念で誰も巻き込まず準備を進めて実行しました。
    いよいよことを起こし、そこで初めて全国の武将たちに使者を出します。

    時代劇なんかでは、三成に味方になってほしいと言われた大谷吉継(幸村の妻の父にあたる)はしばし考えるがその場で決意したように描かれますが…実際は3,4日かけて三成を説得して説得して説得してそれでも決意が変わらないので味方に付いたということのようです。

    真田家はどちらに味方に付くかの決断を迫られます。

    昌幸は嘆きます「事前に打ち明けてくれれば!」

    そして真田家大イベント「犬伏の別れ」に。
    真田がメインでない歴史ものでも「父と弟が西軍につき、兄は東軍につく」という場面は取り上げられますね。

    こちらの小説では、昌幸、信幸、幸村は語らいも不要でお互いの態度や目が語ることから、お互いに相手を説得することを諦めそれぞれ自分の道へ進みます。


    昌幸が三成に着いたのは、家康キライ(ただしこの度の挙兵の見事さには感服)、三成にはまあ好意(ただし家康側の居城をまとも射落とせない三成川の武将たちに今後の不安を感じてはいる)、そして景勝に将来秀頼の筆頭家老として天下人の補佐役をやってもらいたい…という思いがあったようです。
    す。
    そして当時の武将たちの考えとしてはあくまでも豊臣家家臣として家康と三成が争うというものであり、家康が勝ったからと言ってすぐに家康の天下になるなどとは思っていなかったようです。

    しかし豊臣家の家臣同士の争いと言うなら、五大老と五奉行の大半は三成側なんですよね。五大老のうち毛利、上杉、宇喜多、小早川。つまり家康以外のみなさま。
    五奉行のうち三成の味方は増田、長束。他に前田玄以は両方に良い顔で、浅野長政は家康側。
    この秀吉が直接「秀頼をお頼み申す~~」と遺言したメンバーの大半が三成側で、家康に味方した大名方は「徳川さまは秀頼公のために三成を討とうとしているのだ」って本当に思っていたのか?

    まあそんなこんなで日本全国東軍西軍に分かれそれぞれがそれぞれの思惑を巡らせて第6巻終わり。
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    投稿日:2017.04.28

  • 和芥子(わからし)

    和芥子(わからし)

    真田太平記とは言いながら、犬伏の別れはあっさりと…。
    家康に味方(東軍)するか、敵対(西軍)するか、諸国の武将たちの究極の選択のありさまを詳細に描いており、メモを取りながら読み進めないと、どちらが東で、どちらが西か、こんがらがってしまう。読み進めるのがやや辛かった。続きを読む

    投稿日:2017.02.20

  • dtaka

    dtaka

    20161231
    関ヶ原前夜の心理戦・情報戦を描く第6巻。しかし人間の為すこと、結局は力に対する恐怖が決断を後押ししていく。仁義や正義は、力によってねじ伏せることが出来た時代。要は、ねじ伏せた上で文句を言わせぬだけの力があるか無いか、その一点であると、家康の恫喝が響く。現代に通じるのは寧ろ、三成の愚策、失策で、人の心はこうすれば離れるという見本の数々を反面教師にすべし。

    ー強きものは勝ち、弱きものは敗れる

    ー強きものには味方が増え、弱きものには味方が減じる
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    投稿日:2017.01.01

  • reinou

    reinou

    このレビューはネタバレを含みます

     多くの戦国時代小説において、関ヶ原合戦を描く場合は、その前座である家康の関東下向、三成挙兵、伏見落城から関ヶ原前夜までを長く描くものは少なかろう。

     しかし、本作は違う。大阪の陣、それ以降にも筆が及ぶ本作は、ここが中盤最大のヤマ。また真田父子・兄弟の来し方行く末を描く上では、ここまで書かずばなるまい。そういう箇所である。
     それは、昌幸・幸村と信幸。生き方、社会の捉え方、政治への取り組み方など、徐々に違えていった道が決定的に分岐するのがここなのだから。

     ただ、作者はその場面を長々と描くわけではない。
    「別れの盃にならねばよいが…」とする昌幸に、幸村はずばり「父上の望むようにはなりますまい」と断言。
     稲妻が光りと雷鳴が轟く中、3人は無言で酒を酌み交わす。
     そして、信幸は父に問いかける。
    「豊臣家のおん為と申すより、どちらが天下の為になりましょうや?」「父上はこれから先…天下取りの争乱が相つづくことを望んでおられますか?」と。

     言葉少なに、しかし、そのわずかな言葉の裏に隠された真意すら正しく読み解ける父子、そして兄弟。ここで根本に据えられているのは互いの生き様、理念の相克だ。
     これを描ききった最上の別離シーンをここに見ることができる。

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    投稿日:2016.12.14

  • hiro1548

    hiro1548

    上杉征伐へ家康が東下する。
    家康が天下取りに向けて、諸大名を取り込んでいく様と対照的に三成は諸大名に呆れられていく。
    30年前の三成に対する評価は厳しかったんですね。とはいえ個人的には今も低いけど。
    「犬伏の別れ」が淡々と描かれている。ちょっと驚いた。続きを読む

    投稿日:2016.10.28

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