【感想】遠まわりする雛

米澤穂信 / 角川文庫
(393件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
70
174
93
11
1
  • 青春ミステリー第4弾

    シリーズ4作目。
    登場人物4人の距離がぐっと縮まったように思います。
    誰も死なない、血も流れないミステリーなので気持ちよく読めて心地いいです。
    それでいて安っぽいミステリーにはなっていないのが作者の巧さでしょうか。
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    投稿日:2015.04.25

  • 「らしくない」彼の変化が心地よい

    再読。短編集ですが、奉太郎の心理的変化を軸に据えた一年間の出来事というテーマがあった様です。
    確かに1話目では時系列の混乱というだけでない違和感を感じたのですが、成る程。変化前の奉太郎が彼らしすぎたという訳ですね。
    納得。
    ミステリとしては様々な手法のエッセンスだけを取り込んだ、という体で評価は分かれそうな所ですが、個人的には「らしくない」奉太郎が堪能できる表題話が秀逸でこれだけでも満足。
    美しいものを、彼なりの不器用な心情で美しいと感じた様は情景としても内面描写としても綺麗で、また微笑ましくも。
    心が洗われます。
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    投稿日:2014.03.16

  • 神山高校古典部の一区切り

    氷菓から続く、神山高校古典部シリーズの一区切りなっていると感じる作品。
    進路や、気持ちを含めて色々考えてしまう高校生という年頃を、イベントを通じて描いている名作。

    ミステリーという印象はほとんど持たないものの、最後に良かったなってほっとできる気持ちの良い小説でした。続きを読む

    投稿日:2013.10.04

  • 奉太郎の心境変化

    省エネが信条の奉太郎の心境が変化していく様を、狂い咲く桜という鮮やかな場面とともに写し出した表題作が秀逸。読後にとても暖かな気持ちになれて、時間をおきながら読み返したいと思うような短編集で、おすすめです。続きを読む

    投稿日:2014.02.11

  • 古典部シリーズ4作目

    今回は高校入学からの1年間を7話で構成した短編集です
    省エネを信条とる折木孝太郎、名家の娘で好奇心旺盛な千反田える
    1年で古典部員それぞれが変わっていくのがよくわかる
    高校生の日常的な謎解きは面白かったです。
    そしてなにか切なく甘酸っぱい感情が伝わってくる
    この先4人はどうなるか?「わたし、気になります」
    続きを読む

    投稿日:2014.08.29

  • 古典部シリーズの短編集です

    古典部シリーズとしては四冊目にあたります
    こういうのも悪くありません。もともと、大きな事件を扱うわけではありませんから、十分楽しめます。というか、別に長編で無くともいいように思います。

    投稿日:2013.09.24

ブクログレビュー

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  • 無名名無

    無名名無

    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    『遠まわりする雛』
    著者:米澤穂信
    装幀:杉浦康平
    発行所:株式会社角川書店
    初版発行:2007年
    発行:2010年 角川文庫
    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

    中庸堂は十数年前に
    ハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』を
    読んでいたので「心あたりのある者は」で
    全く同じ手法を使っていることに気がついたのだが、
    あとがきで著者である米澤穂信も
    それについて言及していて嬉しかった。

    このように本を読み続けていくと、
    これまでに読んだ本と今読んでいる本が
    点と点で結ばれる小さな喜びを得る場合が出てくる。
    そうやって点同士が結ばれて自身独自の線が
    紡がれていくことも読書の魅力の一つだと
    感じる次第だ。

    さて、
    本書はご存じのとおり「〈古典部〉シリーズ」4作目、
    前述した「心あたりのある者は」を含めた
    七篇からなる短編集となっている。

    ミステリにカテゴライズされる作品ではあるが
    これまでのシリーズと同じく「日常の謎」に焦点を当て、
    それに青春系学園モノをプラスした
    平易で読みやすい本だ。

    それに加えて本書では思春期特有の
    甘酸っぱい心の機微を主人公の折木奉太郎、
    その親友の福部里志が見せるエピソードもあり、
    その機微が今となっては
    懐かしくも羨ましくも感じられる。

    できれば、
    十代の若い読者に推したい本だが、
    そうでなくともミステリ入門書、
    そしてミステリマニアにも肩の力を抜いて
    気分転換も兼ねて気軽に読んでもらいたい。

    その理由としては、
    本書を併せてシリーズ四作品すべて
    読んできたがこの「〈古典部〉シリーズ」は
    短編くらいの長さが丁度いい気がしたからだ。

    シリーズ2作、3作目それぞれ
    『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』は
    長くて冗長に感じた。

    短編くらいの長さの方が
    内容的に程よいバランスでまとまっていたし
    登場人物それぞれへの焦点も
    当てやすいように感じたからだ。

    さて、
    「〈古典部〉シリーズ」はまだまだ続く。
    本書に次ぐ既刊本として
    『ふたりの距離の概算』
    『いまさら翼といわれても』がある。
    積読の中には含まれていないが、
    この積読消化が完了次第、
    すぐにでも手にとってみたい。
    今からその時が来るのが楽しみだ。

    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    ⚫︎目次情報⚫︎

    やるべきことなら手短に

    大罪を犯す

    正体見たり

    心あたりのある者は

    あきましておめでとう

    手作りチョコレート事件

    遠まわりする雛

    あとがき
    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    続きを読む

    投稿日:2024.03.13

  • なお

    なお

    「あきましておめでとう」と、「遠まわりする雛」が面白かった。
    ミステリ要素はかなり薄めだから、このシリーズの雰囲気を楽しみたいがための一冊。
    こういうのに恋愛要素は持ちこんで欲しくない派なんだけれど、これは好き。
    「クドリャフカの順番」ではそれぞれの視点から物語が進んで、それはそれで面白かったんだけど、やっぱり奉太郎視点の文章が一番面白い。
    今回は短編。このシリーズ一冊ずつ構成が違って、そういう遊び心好き。
    そしてタイトルの神センスが個人的にたまらん。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.08

  • こーじ

    こーじ

    古典部シリーズで、短編小説集のような作品です。
    短なトリックがいくつも詰め込まれていて、軽く読むことができます。
    ただ長編作品に比べるとトリックの重厚感などがなく、物足りなく感じてしまいました。

    投稿日:2024.01.26

  • planets13

    planets13

    折木のレトリックに笑い、千反田のしぐさにちょっとキュンときた。ちょっと青いけど、四人の葛藤が面映い。

    投稿日:2023.12.24

  • るい

    るい

    古典部シリーズ第4弾!
    こちらは古典部の日常を描いた短編でした。
    入学直後から、約1年後の春まで。
    大きな事件は起きないけど、日常の延長に
    えるたそが気になりすぎる謎がちらほら…。
    それに翻弄される折木くんの心の移り変わり。
    はい、春でした、大変春でした
    めちゃくちゃ第4弾面白かった。
    なぜかと言うと、千反田えるさんの可愛さが爆発してた。
    着物を着て初詣で行きたい理由がとても高校生。
    そして1番の事件は「手作りチョコレート事件」ですよね…。
    これ多分1日中語れてしまう。
    全然甘くはないビターすぎるバレンタインに
    泣きたくなったし抱きしめたくなった…
    表題作の折木奉太郎は超絶実物です。
    全人類読め案件です。
    最高でした、米澤穂信さん、さいっこーだよ!!!!
    続きを読む

    投稿日:2023.11.26

  • きはを

    きはを

    このレビューはネタバレを含みます

    古典部シリーズ第4弾。古典部を過ぎゆく一年を描いた短編7作。出会ったばかりのぎこちない距離から一学期、夏休み、二学期、冬休み、三学期、春休みとそれぞれの人間関係、価値観、考え方が変化していく本作が古典部シリーズの中で一番好き。
    特に印象深いのは「手作りチョコレート事件」。里志が伊原のチョコレートを受け取ろうとしなかった理由も、チョコレートをバッキリ割った理由も分からない。ただ「こだわらないことにこだわる」ことにした里志は、自分のポリシーに雁字搦めになって、こうした行動に出るしか無くなってしまった。もう少し単純な思考でいいのでは無いだろうかとも思うけど、それが逆に思春期の曰く「難しいお年頃」が出てて良い。

    私が最初にこの本を読んだ高校生の頃は、この日々は際限なく続いて仕舞えばラクなぁと思っていた(今も学生だからあまり変わっていないかも?)けど、そうか、いつかはこの日々も終わるのか…。彼らと共に成長してきた私も距離感も価値観も変化して、それを巷では「大人になる」というのだろう。激変することもあれば緩やかに変化することもある。私はまだ緩やかで「遠回り」な変化を望みたいな…。ダメかしら…?

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.11.15

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