【感想】傷ついた日本人へ

ダライ・ラマ14世 / 新潮新書
(23件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
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ブクログレビュー

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  • yoshio70

    yoshio70

    ◯ダライラマが東日本大震災の後、高野山大学で講演した際の言葉を一冊の本としたもの。
    ◯タイトルの通り、震災に対してお悔やみやこれからの生き方への励ましが描かれているのかと思ったら、意外にも般若心経や空に関する解説が主だったところであった。読めるには読めるが、何故この話が?と思ってしまう。その点。それぞれの話のテーマを区切った章題によって、この本が成り立ってるようにも思った。詰まるところ、章題がないとわかりにくい。
    ◯これらの解説を踏まえて、東日本大震災からの復興への励ましがあったと考えれば必要な文脈だったんだろうと思うが、空の解説はやはり難解であった。と言っても空の話ばかりではないため、他の本よりは幾分読みやすい。
    ◯仏教は人がどう生きていくべきなのか、ということに対する考え方を教えてくれるものと認識している。震災で傷付いた個人として、これからどう生きていくべきなのか、難解ではあるが示してくれていると思う。
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    投稿日:2021.02.28

  • ドリー

    ドリー

    2週間前に急にダライ・ラマが気になり出して、読みやすそうな本を探して図書館で借りてみた。
    東日本大震災の後に高野山で講演した際のメッセージを再構成したものらしい。未曾有の災害に見舞われた被災者に対し、前を向いて生きていくことを応援し、復興を力強く信じてくださっている。
    この世の全てに実体はなく、その本質は空である。実体がないということは、存在しないということではない。何かマイナスな出来事が起こったとき、そのものに実体はなく、全て自分の観念であることを自覚しよう。
    仏教は科学に非常に近い性質がある。仏教も科学もこの世界の真理に少しでも迫りたい、人間とはなにかを知りたい、そういう共通の目標を持っている。現代の科学でも意識の領域を全て解明されていない。仏教と科学は別のアプローチで脳や意識を研究している。ダライ・ラマ法王が科学にとても関心を持っておられるのがとても柔軟でオープンだと感じた。
    大切なことをたくさん語っているのに全く説教臭くない。◯◯しなさいとも言われない。ただ仏教の視点から幸せに生きること、物事の捉え方などが語られている。仏教の入門書としても面白いと思う。
    210218読了、図書館本。
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    投稿日:2021.02.18

  • れさん

    れさん

    心にあるいろんな悩みやわだかまりや昔から引っかかって取れなかったところがすーっとなくなっていく
    全てのものは空であること、でもどうしようもない悲しみは否定しなくていいこと、抱えた上で人は前に進むための知性があること、
    空であるはずのどこかにあるわたしの心にすごく突き刺さってやさしく染み渡るお言葉ばかりでした。
    何度も読んで一生かけて理解したい本。
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    投稿日:2019.10.05

  • ありんこゆういち

    ありんこゆういち

    前にダライラマ14世の名言集を読んだのですが、とても分かりやすくて科学的な方という印象を受けました。
    本書を読むと、仏教というのが本質を見極めようとする考察を主とする宗教で、何かを崇めて救ってもらうものでは無いという事が分かります。
    とても理知的で、何故そうした方がよいのかという事を平易な言葉で語ってくれています。難しい言葉は一切出て来ないので小学生でも読めるレベルです。
    色々な事柄と仏教的観点を照らし合わせて、しかも押し付けるわけでも無くスッと心に入り、しかもとっても為になります(論理的で科学的)。
    人間が持っている知性をフルに生かして、色々な角度から物事を見て画一的な考えを捨て、自分以外の考え方を認め、議論しよりよく発展させていく。人の幸せに寄与する事で自分の心にも喜びを積み上げる(心の平和)。これは何度でも読みたい本です。

    この本を読んで自分自身を見つめ直し、心を柔らかく保って、寛容な心を持って生きていきたいと強く想います。
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    投稿日:2019.09.20

  • シシマル堂

    シシマル堂

    仏教の考え方に基づき、苦難を乗り越えるにはどうしたらよいか、分かりやすく論理的に説いた講演録です。仏教思想の解説が大部分を占めるのは少し取っ付きにくいですが致し方ありません(とはいえ、たいへん分かりやすく語られています)。
    宗教への対し方、倫理の重要性、外因的な幸福から内的幸福への転換、感銘することが多くありました。何度も読み返したい一冊です。
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    投稿日:2016.01.04

  • びあしん慶次郎

    びあしん慶次郎

    ダライ・ラマについて知りたくて読書。

    仏教に祈るべき「神」はいない(p24~)
    あ、そうなんだと氣づかされる。

    この点が、一神教である、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教との違いなんだろう。

    地域宗教であるヒンドゥー教と世界宗教となった仏教との違いも興味深い。

    多くの日本人の日本人は無宗教だと思い込んでいるが、実は神道であり、文化的には仏教の影響を大きく受けている。現実的には、神道と仏教が融合しちゃっているのかも。そんな上手な融合を許すのも仏教の特性と言える。

    確かに帰国して思うのは、日本って仏閣が多いな。そして、今の中国を見ていると日本人は、神社にしても定期的に皆で一緒に行く場所があるって素晴らしいと思う。

    ダライ・ラマ14世が日本人向けに話した内容を元にまとめられた本。
    さらに、口語から文章にしたものなので理解しやすいのかもしれない。

    とても哲学的でかつ、科学的で驚いた。

    心の時代と呼ばれて久しいが、日本人は確かに心の豊かに飢えている。でも、どうしたらいいのか分からず日々生きているそんな感もある。

    そして、この現象は、近い将来中国でも起こるのだと推測される。そんなときだからこそ、ダライ・ラマのような存在は本当に重要だと思うのであるが…。

    仏教とは常に己と対峙する人生修行、鍛錬、訓練なんだと思った。

    直接、お話を聞く機会があればいいな。

    読書時間:約40分
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    投稿日:2015.01.29

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