【感想】マルドゥック・スクランブル The 1st Compression─圧縮 〔完全版〕

冲方丁 / 早川書房
(132件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
37
44
29
2
1
  • トトロともののけ姫が違うように・・・

    作者様の本領発揮なのでしょうが・・・。他の方も書いていましたが、天地明察で冲方様に入った人はご注意。トトロ*もののけ姫ぐらい違います。でもどちらもよくできているでしょ^^

    投稿日:2013.10.20

  • 職人芸の一品

    グイグイ引き込むように読ませるところがあります。隠れ家での畜産業者との対決や、ブラックジャックのシーン。電車で読んでいて降りる駅を乗り過ごしてしまったほどです。

    Readerではじめて読んだ本だったのですが、こういう軽いけれど「巻を措く能わず」タイプの本は、電子書籍との相性が良いように思います。

    ところでウフコックって、一体どんな仕組みなのか気になるな。SF好きなら気になるはず。
    続きを読む

    投稿日:2013.09.27

  • 少女娼婦バロットと万能兵器のネズミ、ウフコック

    「少女娼婦バロットと万能兵器のネズミ、ウフコック」という基本設定からしてひねりすぎでダークです。でも読み始めると、3冊一気に読んでしまいます。ぐいぐいと面白い本です。ラノベの軽さや萌えは皆無ですけれど、作者の才能を感じるエンターテイメントです。こちらは、映画公開で改稿された改訂版の文庫三分冊の1冊目です。続きを読む

    投稿日:2013.10.03

  • 魂のこもった作品

    最初は黒丸尚訳「ニューロマンサー」をリスペクトしているかのようなルビの氾濫がちょっと鼻についていましたが、2100頁を超える長丁場を飽きさせない展開の巧みさがありました。
    最初15歳の少女が主人公というのが漫画やラノベの読者にすり寄ったもののように思っていましたが、そこにも確固たる必然性があり、SF作品には一見場違いに感じるかなりのパートを占めるカジノのシーンは、通常であれば冗長になりそうであるのに、むしろ胸が痛くなる程の緊張感を生み出し、作品を一層盛り上げます。
    あとがきにもあるように著者の魂のこもった作品であり読み応え充分なので、読んで決して損はない傑作です。
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    投稿日:2013.10.22

  • とっつきにくいけど

    SFサイバーパンクものです。
    とても独特の世界観が舞台のため、読み始めはとっつきにくいかもしれません。ただ読み進めるととまらず、ページ数の割にはあっという間に読めました。
    1つネックなのはグロい描写が割合多いところです。続きを読む

    投稿日:2013.11.02

  • 少女は闘い、生きていく

    少女娼婦であったバロットは、とある罠によって全身に大やけどを負い瀕死となるも、全身の皮膚を強化繊維で作り直すことによって一命を得ます。またこの手術によって、彼女は体の感覚を異常に鋭くしたり、電子機器を自由に操作する力を持ちます。サイバーパンクとしての評価も高い本書ですが、SF小説としてのエンタメ性だけでなく、ひとりの少女の成長が精緻に描かれた傑作です。「こうくるか!」という巧みな物語の展開も、この作品の魅力です。(スタッフI)続きを読む

    投稿日:2013.09.20

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ブクログレビュー

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  • もこの

    もこの

    映画が大変面白かったので原作にも手を出してみました。

    映画が1時間しかなかったのでてっきり省かれたところがいっぱいあるもんだと思っていたらかなり原作通りに作られていてびっくり。

    SFらしい近未来が舞台なのに未成年娼婦は普通にいるし当たり前のように男性社会で今の日本と変わらないなぁと苦い気持ちに。
    裁判のシーンなんてセカンドレイプそのものですよね……男性に襲われたらほとんどの女性は殺されるのが怖くて抵抗なんて出来ないと思います。
    ラストのバトルシーンでの「男の人ってこんな気持ちなんだ」と言いながら男達を嬲り殺すバレットの気持ちが少しわかってしまってまたつらい。

    畜産業者の面々のキャラが立ってていいと思いました。絶対友達にはなりたくないけどなんだか嫌いになれない魅力があります。
    小説だと一人一人の生い立ちが語られるので読んでよかったなと。

    1番好きなキャラはボイルドなんですが最後どうなるか知っているので読み進めるのがつらいー‼︎
    続きを読む

    投稿日:2023.12.12

  • 4614

    4614

    名前だけ知っていた『マルドゥック・スクランブル』
    社会や人間関係の上下関係の構造が明確に描かれ、そうした構造が今後どのようにして揺らがされていくのかが楽しみになりました。

    個人的には身分格差といったマクロなレベルの表象としてのエアカーとガソリン車や、螺旋階段といったものよりもミクロなレベルの表象としてのバンダースナッチ•カンパニーのメンバーのフェティシズムなどのが面白かったです。男女格差とかのなかでもパブリックな側面じゃなくて、プライベートな側面が色濃くでていたなと思います。とくに、バロットの過去が語られる簡易法定やその後の戦闘での独白などは男性として色々と胸に問われるような気持ちで読んでいました。

    バロットたち登場人物の存在証明に対するスタンスも次の話からさらに深まっていくのかなと期待と、今後の展開はどうなるのか楽しみな気持ちの読了感でした!
    続きを読む

    投稿日:2023.11.20

  • sakaiX

    sakaiX

    (1st~3rdまでを合わせた感想です)

    本作にはいくつかのバージョンがあるが、私が読んだのは2010年に刊行されたハヤカワ文庫JAの[完全版]。解説では全部読むのを勧められたけど、読むとしたらシリーズの続刊のほうが先だろうからちょっと無理かな・・・
    でも時間があれば読んでもいいかも、と思わせるくらいの面白さと魅力にあふれた作品でした。
    特に中盤のカジノシーンは、ディーラーとの頭脳戦の描写がスリリングかつ圧巻で、本作一番の読みどころだと思う。敵との戦闘シーンも、重力を無視して歩くとか、情景を想起しにくそうな場面が多いにもかかわらず、さほど気にせず読み進められたのは描写力と文章のリズムが良いからなのではなかろうか。
    この設定だとどうしても『攻殻機動隊』や『ブレードランナー』が想起されるんだけど、主人公の置かれた境遇とかが普通のSFだとまずやらないようなハードさで、先行作品とは一味違った新鮮さを感じた。
    それにしてもよくこの内容で映画化できたなあと思う。
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    投稿日:2023.08.20

  • 清里いち

    清里いち

    近未来SFアクション。スーパーガールとして復活した娼婦の少女と、言葉を喋るネズミとのコンビが、少女を身請けし殺そうとした男の犯罪を追う。
    カジノにて少女が(男の犯した犯罪の記憶が記録された)チップをそこでのギャンブルに勝つことよって奪取するシーンには驚かされた。緻密な実況解説に著者の教養の深さを見せつけられた
    今作の痛快さは現実の自身の無力さを突きつける、と同時にそれと対峙する勇気をくれる
    まず課題に出会ったら、時間がかかっても解決策は自力で編み出そうと思う。気安く他人に訊ねるのでなく。
    続きを読む

    投稿日:2022.09.23

  • リン/タロー

    リン/タロー

    10年程前にオリジナル版を読んでいるので、半再読。
    しかし、記憶がほとんど失われおり完全版によって何が変わったのかは分からず。(私はシェルなのかもしれない)
    すごく端的に言えば、この小説は仮面ライダーの変奏である。悪の組織にいいように使われていた主人公が個人の復讐心と社会正義とを繋げて超パワーをふるって、悪をやっつける話である。
    戦争、資本主義の巨大な装置によって歪められた男達が敵であり、その歪みの生贄とされた娼婦バロットが彼らに復讐する話である。それ故に、彼女の相棒は人間ではない男、ネズミのウフコックである。
    1巻では、バロットが人間的な喜びを取り戻していくシーンが描かれている。次に期待大。
    続きを読む

    投稿日:2022.04.03

  • leafbamboo

    leafbamboo

    カジノのシーンが長くて詳細に描かれててギャンブル小説みたいだけど、そこが面白かった。戦闘シーンは特殊すぎて掴みきれないところがあったけど、凄みは伝わってきた。世界観とか設定はすごく良い。

    投稿日:2021.02.22

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