【感想】黒いスイス

福原直樹 / 新潮新書
(30件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
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11
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ブクログレビュー

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  • ゲチョオキックス

    ゲチョオキックス

    緊急通報、で通報されるとちょっとしたことで罪になるのかもしれないと思ったね。
    国によっていろいろだから、スイスだから大丈夫なんてことはないらしい。

    投稿日:2023.07.29

  • djuax

    djuax

    ナチスドイツとの関係。スイスはナチスドイツに武器を輸出していた。ナチスドイツの共犯者だと批判されている。▼ナチスドイツがオーストリアを併合。オーストリアのユダヤ人がスイスに大量移住。スイス政府は国境でユダヤ人を識別し、ユダヤ人の旅券にJ(Jude)のスタンプを押して追い返した。

    ロマ族。スイス政府が支援する公共団体は1926年から1972年の間にロマ族の子どもたちを誘拐し、強制的に施設に入れた。施設では子どもたちへの暴行も。ロマ族は怠惰で知恵遅れ、学校の勉強では理解力が欠けていて、喧嘩ばかり、監視しないと浮浪者になってしまう、と団体のスイス人は考えていた。

    米テキサスで1987年に設立されたネオナチ組織「ハンマースキン」。スイスには欧州初の支部が置かれた。白人優位。外国人排斥。

    ある町では、1997年、外国人にスイス国籍を与える場合、住民投票を行って決めた。外国人の写真や経歴が掲載されたパンフレットを配って住民が投票。結果、東欧人やトルコ人は国籍付与が拒否された。

    ※ドイツ語64%、フランス語19%、イタリア語8%
    ※カトリック46%、プロテスタント40%
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    投稿日:2023.06.19

  • ままま

    ままま

    一般的なスイスのイメージがいかに表面的なものかがよく分かった。
    スイスに限らず、他の国の歴史についても学んでいきたいと思った。

    投稿日:2021.10.15

  • shimu2

    shimu2

    [裏側、覗いてみました]民主主義が根付いており、生活は満ち足りており自然も豊か......。日本人が一般的に有しているであろうそんなスイスのイメージをひっくり返すようなスイスの裏の一面を描いた作品。歴史から経済に至るまでの知られざるスイスの側面を垣間見せてくれます。著者は、赴任が決まるまではスイスに関する知識は皆無に等しかったと語る福原直樹。


    「黒い」と題されてしまうとなんともゴシップ感が漂ってしまうのですが、スイスが抱える過去の、そして現在の問題が丁寧に記述されており、スイスという国を考える上での良い材料を提供してくれているように思います。ヨーロッパの中でも独特の位置を占めるスイスについてちょっと違った角度からの情報を仕入れたいと考えている方にオススメできる一冊です。


    また、本書からはスイスという国が持つしたたかさ、そして(おそらくはスイスに限らず他の国にも見られるであろう)国家の暴力性というものが読み取れました。そしてこういう本を書かせるまでの「黒さ」をもってしてもなお、その著者に下記のとおり言わせることのできるスイスの懐の深さも感じることができ、興味本位で本書を手に取りましたが有意義な読書体験をすることができました。

    〜一度心をゆるせば、その付き合いが、一生に及ぶことも少なくない。そんな彼らの国で、なぜこのような不幸な出来事がおき続けたのか……。それを理解しようとしたのが、この本でもある。〜

    行ってみたい国の1つです☆5つ
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    投稿日:2015.05.04

  • north

    north

    このレビューはネタバレを含みます

    なかなか面白かった。
    本の帯にあるとおり、全くイメージでしかスイスという国を知らなかったが、この本を読んでなるほどと思ったことも多々あった。
    ロマの話に始まり、ナチス、核実験、そしてマネーロンダリングまで、筆者が実在する人物から得た情報を詳細に書かれていて、読みごたえがあった。
    また、いくつかは日本の問題にも通ずるところがあり、考えさせられた。

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    投稿日:2014.06.29

  • あき

    あき

     永世中立国と名高いスイスの暗い側面に目を当てた本。
     以前タックスヘイブンについて書かれた本を読んだこともあり、スイスが色々と問題を抱えていることは知っていたが、政府主導で核兵器の開発が行われていた事や、国籍を取得を希望する人物を国民が決定する(本書においてはトルコ人や黒人は却下されている)という事までは知らなかった。これまでに幾多の困難を乗り越えてきた結果が、本書で書かれているような他民族に排他的な国民性となったのだろうか。

     言うまでもないことだが、本書で書かれている事のみでスイス人の人々の事を見てはいけない。事実は事実で受け止め、その人個人の事を見つめていくようにしていかなくてはいけない。そしてそれは、かつて選民思想に取り憑かれてしまい、惨劇に加担してしまった戦時中のスイス人から反面教師として学べることだと思う。


    自分用キーワード
    ロマ族(かつてスイス政府に不当な理由で子ども達が誘拐された。成人後も稼いだお金を勝手に徴収する、婚約を破談にしようとするといったことをしていた) 「J」スタンプ(ユダヤ人をスイスから締めだすために、政府がナチスに提案した施策) モーリス・バボー(ヒトラー暗殺を試みた人物) ポール・グリューニンガー(ユダヤ人の密航を手助けした人物) 国籍取得(非白人は冷遇される傾向にある) 相互監視社会(本屋において個人情報満載の本が売られており、スイスの政策を批判した筆者の友人(フランス人)は糾弾された) ネオナチ ハンマースキン(酒とドラッグを慎み、白人の世界にしようとする若者中心の組織) ダニエル・シュバイツァー『スキンオアダイ』(ネオナチ思想に溺れる若者に焦点を当てた映画) ヘロイン(重度のヘロイン中毒者に対し、少量のヘロインと副作用の弱い薬物を国が与えることで、薬物の流通を防ごうとしている) クリストフ・ブロッハー(政治家。自民族中心主義者の傾向あり)  
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    投稿日:2013.09.08

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