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古井由吉 / 講談社 (10件のレビュー)
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ひょい
「現代日本純文学最高峰の作家の一人」言われる所以が分かる気がする。難しい、ゆえにレビューしようがない 商品説明の「対極のあわいを往還しながら到達するさらなる高み――。記憶の重層から滴る生の消息。震災を…はさんで書き継がれた言葉の圧倒的密度。」に尽きる。初期の頃と比べ文章が洗練されて簡潔的になってはいるものの内容は同等の濃密さ。作者が書く作品は文字通りの文学だと思う。続きを読む
投稿日:2016.06.24
racdog
現実に起きた事象とも絡め、一年のうちを古井氏独特の文体で描いている 相変わらずの筆力だが、今回はやや胸に来る部分が少なかった
投稿日:2013.11.04
pikarin777
以前確か新聞の書評を見て買って後積読してあった作品。 短編集なのだが、全作品読むのにずいぶんと時間がかかった。 少しずつ読み進めながら、その合間にほかの本を読んでいたらひと月ぐらいかかってしまった。 …老境を語っている作品と言ったらいいのだろうか。枯れたというか三途の川の向こう側に行き来しているのではと思われる主人公がかたる人との関わり、女性との関わり、自分などなどなのだが枯れた境地とはこういった物なのか共感できない枯れ具合で驚いた。 いくつになったらこのような境地になれるのだろう。僕は無理だろうなあ。そんな風に思わされた老境小説でした。続きを読む
投稿日:2013.06.11
etoile
私の読書不足というか読解力のなさというのも相まって、読むのにえらく時間を費やした。 霞の中をたゆたうような気分にさせられる文章だった。 私が持っている辞書には載っていない単語も多く、難解だった。
投稿日:2012.10.26
aikoism35
挿入句の多い文章に惑わされ、ずいぶん時間をかけて、読み終えました。8つの短編が入っているのですが、文章に惑わされるようになって殆どの短編を二回から三回読みました。沼に引きずり込まれるような、霧の中を…歩くような、ぬるっとした感覚を覚えます。読んでいる間の時間の流れが、わからなくなるような、読むということの不思議さ、読書の愉しさの不思議さを大いに感じた本でした。 どの短編にしても、私は、「幽霊の出てこない怪談」を読んでいるような感じがしました。幼稚なたとえだけど・・・笑 実際、どんよりと曇った情景だとか、眠りに入りかける昼と夜の境だとかが、物語の中でかなり印象的です。晴れと雨のあいだ、睡眠と覚醒のあいだ。そしてのみならず、昼と夜のあいだ、生きているものと死んでしまったもののあいだ、自分と他者、過去と現在のあいだ、それがぼうっとあいまいになったところに、文学が立ち上る。もしかすると、古井氏が「文学の生まれるところ」とする「辻」というものを理解するのに、この狭間というのは手掛かりになるのかもしれないと思いました。 読書って体験なんだな、というのも、強く感じた今回でした。 にしても、じっくり時間をかけたせいで、大学の図書館で借りたのにだいぶ延滞してしまいました^^;ごめんなさい~~~。けちせず、本はやっぱし買って読みたいな!!続きを読む
投稿日:2012.08.25
ショウコ
五感、特に匂いにかんする描写がとてもきめ細やかで香り立つような文章。現在と過去が交錯する、主人公の記憶の世界。老いるということは自己と他者、身体と環境などのあらゆる境界が曖昧になってゆくことなのか。年…をとってから再読してみたい本。続きを読む
投稿日:2012.05.16
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