【感想】「『ジューシー』ってなんですか?」

山崎ナオコーラ / 集英社文庫
(38件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
7
7
12
5
2
  • 日常の仕事のリアル

    ペンネームに抵抗を感じてずっと読んで無かった山崎ナオコーラ作品初体験。人も死なず、セックスもせず、事件らしい事件もほとんどおきない。多忙ながら淡々とした「日常の仕事」にたずさわる男女が、実に生き生きとリアルに描写されている。上手い。続きを読む

    投稿日:2013.09.25

  • 苦手な人とも会話してみたくなる

    山崎ナオコーラの名前を知ったのは彼女のデビュー作「人のセックスを笑うな」が出た頃。このペンネームにこのタイトル、なめてるだろ、って思った(だから読まなかった)。次に彼女と出会ったのは新聞の連載コラム。ここであっさり印象は覆る。真面目で不器用、でも前向き。好きなタイプ。

    「『ジューシー』ってなんですか」では職場での日常が語られる。小さな事件はあっても大きな波乱はない。交わされるとりとめのない会話、その背後で抱える悩みや傷や哀しみや喜び。職場の苦手な人ともちょっと会話してみたくなる。
    一緒に収録されている「ああ、懐かしの肌色クレヨン」は山田さんに恋をする鈴木さん(このネーミング、やっぱりなめてるだろw)のお話。おそらく身近にいれば不思議ちゃんとか天然とか言われそうな彼女もまた抱えているものがあるのだが、それ以上にまっすぐで一生懸命で強い。彼女を応援しながら心がほんのり温かくなる。
    続きを読む

    投稿日:2013.10.18

ブクログレビュー

"powered by"

  • ロッキー

    ロッキー

    小市民の職場での会話や人間関係がとても愛しく、私は大好きな作品だった。

    ・ジューシーってなんですか?

    新聞のラテ欄を作る多忙な部署の人たちの話なのだけど、仕事のつらさよりも、その合間の何気ない会話や、ちょっとした息抜きなんかが中心に書かれている。
    そんな中で、ふと浮かび上がる思考がぽこぽこと間に挟まる感じ。

    職場ってこういうさりげなく優しい交友関係がいいんだよな、私もこういうのが楽しくて働いてるな、と思う。
    「先に続く仕事や、実りのある恋だけが、人間を成熟へと向かわせるわけではない。ストーリーからこぼれる会話が人生を作るのだ。」という文章が作中にあり、とても素敵な言葉だと思った。 
    普通の人の小さな営みを肯定してくれるような。

    ・ああ、懐かしの肌色クレヨン

    主人公であるアルビノの鈴木さんの言動がとてもキュートなので、かわいいお話だなあと読み終わったものの、違和感はいろいろあったので2周目も読んでみる。

    これ、もしかしたら今村夏子さん「ピクニック」と同じ構造…?
    告白や精一杯の口説き文句を受け流されたり、美術館のチケットを自分の分だけ金券ショップで調達されたり、挙げ句の果てに館内では勝手にどこかに行かれちゃうの、おかしいよね…?

    結局、主人公は、はっきりとはわからないくらいに、差別され、距離を置かれていたということなんだろうか。
    そう考えると物語の印象が180度変わる。
    とても面白い読書体験だった。
    続きを読む

    投稿日:2022.12.28

  • いちのすけ

    いちのすけ

    小説は特別な感情や出来事をテーマにするものが多いので、ここまでありきたりな会話や日常を小説にできることに驚き。ジューシーってなんですか?の台詞が出てくるタイミングが唐突で完璧。私のありきたり平凡な毎日にもこういう言葉が落ちてるのかな。続きを読む

    投稿日:2022.03.17

  • ホイミ

    ホイミ

    サクサク読める
    ほとんどが職場の描写なので、登場人物の深いところまではわからない
    あー職場って感じ
    それぞれがいろんな思いを抱えながら、日々働く
    みんな、えらい

    投稿日:2022.02.17

  • yu21co

    yu21co

    詩的な文章。スルスル読めて、心に残るとかそういうのではなく淡々とした職場小説ではあるが、また読みたくなる文章。解説が羽田圭介さんでこれも面白い。

    投稿日:2021.12.18

  • めえこ

    めえこ

    だいぶ前に読了したせいで、ほとんど内容を覚えていません←

    なので、読んでいた時に付けていたドッグイヤのセンテンスを以下に抜粋。

    “世間の規範から外れた幸せが欲しい。
    ひとりだけで、こっそり笑うような。”

    →自分だけの幸せが欲しい、って言えるなんて、なんて孤独で、だけどなんて美しいんだろう、って読んでる時も思った気がします。今も。


    “先に続く仕事や、実りのある恋だけが、人間を成熟へと向かわせるわけではない。ストーリーからこぼれる会話が人生を作るのだ。”

    →そうだといいなあって思う時期だったんですな、多分(笑)。仕事に転機があったり、振られたりした6月前後に読んだんだったわ、そう言えば(笑)。
    続きを読む

    投稿日:2016.12.16

  • 3kannokawa

    3kannokawa

    何か前によんであんまり覚えてない。よかったーというかんそうもないきがしたけど、もういっかいよんでみるか、でとりあえずの棚へ

    投稿日:2016.08.02

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。