アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

フィリップ・K・ディック, 浅倉久志 / 早川書房
(522件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
120
207
113
15
3
  • ディックの入門としては、お勧めの作品です

    ディックの小説の中でも、分かり易い部類に入る作品です。

    物語の最初は、アンドロイドを狩ることを主軸に展開をしていきます。そして生物である「人」と、人として人工的につくられた、非生物である「アンドロイド」の何が違うのか?精神世界と現実世界の区別とは?そして人とは何なのかといった疑問を、近未来を舞台に、物語の最後に投げかけてきました。

    独特の世界観と語り口が個人的には、好きな作品です。しかし娯楽作品というよりは、純文学に近いSFといった方が良いと思います。映画の影響などから娯楽作品と考えて読むと、特に後半の部分において、難解な部分があることから、驚く方がいるかもしれません。
    しかし日頃からSF作品を読む方には、面白いと感じる作品だと思います。
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    投稿日:2014.06.08

  • 君はもうこの傑作を読んだか?

    放射能の灰によって汚染された世界では、多くの生物が死に絶えました。しかし科学技術は大きく発達しており、人間そっくりに作られたアンドロイドが奴隷として働かされています。奴隷としての環境から逃げ出したアンドロイドを捕まえ、「処理」するのが主人公の仕事。しかし、あまりに人間らしいアンドロイドに触れていくことで、次第に人間とアンドロイドの区別が分からなくなってきます。映画『ブレードランナー』の原作ともなった本作。人間とは何か? その素朴で根源的な問いを、死の香り漂う未来世界で巧みに描き切ります。(スタッフI)続きを読む

    投稿日:2013.09.20

  • 「ブレードランナー」とは印象がかなり異なります。

    有名な映画「ブレードランナー」の原作としてあがっているP.K.ディックの日本で最も広く読まれている作品。
    正直、おもしろいおもしろくない以前の問題として、何を言いたいのかよくわからない、曖昧模糊とした語り口が私は嫌いです。それでも、いくつか読んだP.K.ディックの作品の中ではこの作品はかなりわかりやすい方だと思います。
    映画との共通点は、プロットの芯の部分と舞台のロサンジェルスの雰囲気と登場人物の名前くらいで、ディックはこの映画の原作があなたの作品ですと言われてもぴんとこなかったのではないかと思われます。

    ただ、小説全体に漂う八方ふさがりな絶望感と数少ない希望という雰囲気はよく表現できていまして、それを楽しむには良い本だと思います。

    しかし、ディックの作品のどこが良いのか、どこがそんなに多くの人を魅了するのか、全然理解できない私でありました。
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    投稿日:2014.04.26

  • 心に残る

    かれこれ20年ほど前に文庫本で読んで、その世界観にとてつもなく影響を受けました。これが電子書籍として読めるようになったことで、また新たな世代の方にも是非広く読んでいただきたいと思います。SF作品の名作として常に名前が挙がるのも納得のものです。
    怪しげな近未来アジアの世界観の中で、ハラハラドキドキのエンターテイメント要素は当然のこととして、生命とは何か?人は肉体と精神とが必須なのか?など若かりし頃は色々と考え込んでしまったものです。
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    投稿日:2013.09.26

  • 一読しただけでは分からない

    これを原作とした映画『ブレードランナー』はSF映画の金字塔と呼ばれているそうですが,何となくそれが分かる内容です.
    アンドロイドを狩る側と狩られる側の心理を多分に哲学的に書いています.

    私の知りうる限りでの比較となりますが,アニメ『攻殻機動隊』が近い世界観をしているのかなと思います.ただ,アクションなどの娯楽シーンはほとんど無く,現代のアニメや映画に慣れ親しんでいる自分としては物足りなさを感じてしまう部分もありました.しかし,物語の奥深さは先述の作品群と比較にならないほどの広がりをもっていると感じます.
    一度読んだだけだと高い評価はできませんが,手元に置いておいて何度も読み返してみたくなる魅力を持った作品だと思います.
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    投稿日:2013.11.10

  • Reader Storeで初めて購入した、思い出の一冊

    電子書籍でも紙と同じように読書できるかしら?という疑問と、本書のテーマを無理矢理絡めながら読み始めた一冊。最初のうちはやや読みにくい翻訳文体と、慣れない端末での操作に戸惑いましたが、本書の世界観が見えてくると、自然とのめり込んでいる自分に気づきました。
    人間らしさとは何か? 人工知能との違いは?
    問いかけはシンプルでありながら、深く考えさせられます。
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    投稿日:2013.09.24

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ブクログレビュー

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  • 羽

    このレビューはネタバレを含みます

    アンドロイドと人間の違い。それは感情移入テストで見分けられる。アンドロイドは他者に感情移入しないからだ。見た目は人間そっくりなのにアンドロイドと分かったとたんにそれを殺すハンター。仲間のアンドロイドが撃たれて悲しみの叫び声を上げるアンドロイド。果たして、どちらが人間でどちらがアンドロイドだろうか。テストに欠陥はないのか。開発が進みアンドロイドが感情移入できるようになったらどうなのか。...放射性降下物が注ぐ地球、絶滅寸前の動物、火星への移住、アンドロイドに殺される人間。これがフィクションだと言っていられるのも今のうちだけかもしれない。

    ~あらすじ~
    戦後、灰に覆われた地球。動物は希少価値となり、ほとんどの人間たちは火星に移住している。残っているのは老人か、知能の劣る人間か、アンドロイド狩りをするリックのような警察官だけだ。リックは電気羊を飼っているが、本物の動物を飼うことに憧れていた。ある日、上司がしていたアンドロイドを狩りの仕事をリックが引き継ぐことになった。

    人間とアンドロイドを見分ける方法は簡単だ。いくつかの質問をし、それに対してどれだけ感情移入をしているかを測るだけだ。感情移入すべきところでしなければ、それはアンドロイドだといえる。

    アンドロイド製作会社の女性社員に、そのテストを自分に受けさせてほしいと頼まれる。彼女は彼が追っているアンドロイドではないし、見た目は人間だ。テストの結果、彼女は他者に感情移入をしていなかった。人間をアンドロイドと判定してしまうようなテストはもう有効ではないと一蹴される。しかし、実は彼女はアンドロイドだったのだ。そして、あろうことかリックは彼女に惹かれていく。

    一方、知能が劣るために地球に取り残されたイジドアという男性が、長年廃墟のようなマンションで暮らしていた。彼は孤独だった。ある日、そのマンションにアンドロイドが計三体引っ越してくる。イジドアは生まれて初めて友達ができて喜ぶ。それらがアンドロイドと知っても政府に密告して大金を貰おうとしない。アンドロイドに脚を4本切られたクモが、よたよた歩きになっているのを見るに耐えかねて衝動的に水につけて殺してしまう。リックなら喉から手が出るほど欲しがるだろうクモを。彼はリックと対照的な人間として描かれている。

    リックはアンドロイドたちの居場所を突き止めた。だが、殺さなきゃいけない三体のうち一体は、リックが好きになったあの製作会社に勤めるアンドロイドと型つまり造形が同じなのだ。果たして殺せるのか。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.06.09

  • みりん

    みりん

    「正しさ」とはなんだろう。
    ずっとわからずにいるし、この話にも答えは書いてない。
    また「正しさ」の壁にぶつかった。

    投稿日:2019.06.05

  • sho1246ra

    sho1246ra

    ブレードランナー2049がすごく観たかったので、その前にどうしても前作を観ておきたかったので、その前にどうしても原作を読んでおきたかったので、仕事が猛烈に忙しい時期だったにもかかわらず一気に読んでみた
    感想としては、おれは『星を継ぐもの』の方が100倍好きだ。たしかにこれは映像化できそうだ。映画になるのもわかる。『星を継ぐもの』の映像化は難しいよなあ。
    さて、これで心置きなく前作のDVDを観よう。
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    投稿日:2019.05.31

  • わをん

    わをん

    タイトルだけで有名にもほどがある、名作中の名作。
    考えることが多すぎて、読み終えてなお頭がパンク状態になる作品でした。
    映画化どころか続編まで出ていて、そちらが少しは参考になるかと思いきや、むしろ混乱するばかりの秀逸作。
    どうしろというのか。

    よく、ロボットや動物の仕組みを解することができれば、それが精密であればあるほど、人についても分かるようになるのだ、と言いますが、結局、自分自身が人であるということは、究極的には自分自身にしかわからないような気もします。
    共感だって、最近の研究では動物だってしっかりばっちり持っていることが証明されつつありますし。
    いや、でも、そういう話でもない気がするし…もう少し読みこまないと、どうしようもないな…
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    投稿日:2019.05.14

  • Shinya Otake

    Shinya Otake

    こんな本があることを知らなかった。
    ブレードランナーの原案と聞いて納得だが、
    50年前の著作とは、、

    比べるのも可笑しいかもしれないが、
    この本と星新一・ショートショートの違いは、
    アンドロイドの自我と世界の体制の課題を
    描いたこと。

    壮大で、程よいメタファーで、とても面白かった。
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    投稿日:2019.05.12

  • コジコジ

    コジコジ

    このレビューはネタバレを含みます

    『ブレードランナー』の原作でありSFの古典的名作。痺れるようなセンスあるタイトルが印象的だ。文学作品としては荒削りで前半はやや退屈感があるが、本作の掲げるテーマは俊逸だ。「不気味の谷」という考え方があるが、その一線を越えた存在は人間と何が違うのか、なぜ抹消しなければならないのか。電気羊ではなく山羊に執着するのはなぜか。翻ってアンドロイドは電気羊に身を焦がすような同質性を感じているのではないか。本作はSFでありながら今後のシンギュラリティ時代を予見する哲学でもある。

    個人的には映像美や世界観すべてひっくるめて映画のほうが好きだし以降のSF映画に多大な影響を与えたが、その先鞭をつけた本作の意義と貢献は大きい。

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    投稿日:2019.04.21

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