【感想】魚神

千早茜 / 集英社文庫
(92件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
20
39
18
10
0
  • 男女の愛?姉弟愛?

    千早茜さんの本は何冊か読んであるけれど、このお話はハッピーエンドでした。
    千早さんのお話には、大抵、ほんの少し思い切りがあったら幸福に手が届きそうなのに、何に怖れているのか分からないけれど、幸福に自分から背を向ける主人公がでてきます。
    今回のお話もファンタジーの香りがしたけれど、根底では同じかな?と感じました。
    何をもって幸福とするかは人それぞれなのでしょうけれど。
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    投稿日:2015.01.23

  • 閉ざされた姉弟の心の拠り所

    お気に入りの作家さんの作品です。
     遊郭を主な生業とする島で拾われた姉弟。成長すればばらばらに売られるという避けられない運命。
    図らずも島に伝わる雷魚伝説にでてくる名を与えられた姉とそれを支える弟。彼らの目には底知れない冷たさが宿っていた。
     いかんともしがたい運命の中で,悲惨さばかりではなく,お互いの心の拠り所となりながら,離れてしまう心。何もかも捨て去ったはずの二人の心はどうなるのか。
    決して明るい題材でないにも関わらず,心の機微が見事に描かれており,読んで見てもらいたい作品です。
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    投稿日:2015.09.17

  • 表現力が豊か

    さすが直木賞候補になった著者、表現力がすばらしかった。とてもキレイな文体で、想像しやすい表現。美しい文章だった。

    内容は伝奇的で、不思議な世界。非現実の世界にどっぷり浸れる。厳しめに言えば、終わり方が今一つだったかな。

    今度は違う作品が読みたくなった。
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    投稿日:2014.10.14

ブクログレビュー

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  • 霽

    閉塞感と名付けるにはあまりにも残酷なのに、汚さを感じさせず世界が描かれていました。

    「時間や生活、悩み、葛藤、矛盾、一切のものからふっと一瞬離れていける。」
    「どうして私達は試されなければならないのかしらね。」続きを読む

    投稿日:2024.03.10

  • アキラ

    アキラ

    このレビューはネタバレを含みます

    遊郭の島、閉ざされた島で、生きる姉弟、白亜とスケキヨ。互いを存在意義として生きている二人のたどり着く先は?というお話。

    世界観、舞台設定、吉原的、時代設定とか、どこでもないけど、どっかにありそうな既視感、好き。
    表紙とタイトルに惹かれて、衝動買い。

    白亜目線からの語りなので、スケキヨの存在と正体がハッキリしていない。
    でもそれが不思議で謎めいていて、ついついページ捲ってしまう。面白い。
    結局、彼は雷魚の化身だったりするのか?
    タイトルの「魚神」が、効いてくる展開になっていてよき。
    二人の互いへの執着、特にスケキヨから白亜への想いが、読者み含めて周囲にはバレバレなのに、白亜にはさっぱり伝わってないのがもどかしいと感じつつ良い。
    蓮沼の「子どもなんだな」という表現がピッタリ。納得。
    だからこそ美しく映るし、残酷でもある。
    そういう関係性を描き出しているのがとても面白い。
    綺麗だった。耽美、っていうのかな?こういうの。

    ところで、蓮沼、好き。
    白亜が彼を選んだのは非常に好感がもてた。
    最後まで格好良かったし。
    二人の未来に光がないのは明白で、その闇に白亜を巻き込まないように自分だけで死を選ぶ姿に、男の美学を感じたわ。
    冷酷な面も含めて、一種カリスマ性がたまらないです。昔の任侠映画とかにいっぱいいたタイプの人。
    ホント、嫌いじゃない。

    蓼原、生きてて良かった。
    いっぱい死亡フラグたっていて、気が気じゃなかったわ。

    しかし、これはハッピーエンドじゃないんだろうね、、、スケキヨが白亜を取り戻すまでのお話なんだろうな。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.02.26

  • キナス・ドメスタイティス

    キナス・ドメスタイティス

    ファンタジー遊郭&イケメン無罪で−5,000点のところを健気な船漕ぎと健気なキッズと緻密な描写、あと表紙で+になる感じの短編だったよ。
    何処にも行けなさというのはここ15年くらいずっとトレンドね

    投稿日:2024.02.20

  • いちじく

    いちじく

    読者に委ねる部分の多い本に感じました。今の私ではその期待に応えきれていないように思うので、いつか再読したい。

    白亜とスケキヨにかぎらず、相手に向ける感情が重たく特別であればあるほど、感情のままに行動できない。そこになんともいえないかなしさと、色気を感じました。その中で、ただひとり子どものハナが新笠のために蓮沼に立ち向かう姿が鮮烈でした。幼い白亜とスケキヨが互いのためなら何も恐れなかったように、がむしゃらに動けたハナを見て、白亜はどう思ったのでしょうか。

    後半の白亜と蓮沼のやりとりにはしびれました。白亜にとって、特別はスケキヨただひとりなのだろうけれど、蓮沼の存在も無視できないもので、そこにはたしかな情があったのだろうと思いました。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.03

  • さすよこ

    さすよこ

    圧倒されるカバーが印象が強くて手に取りました。序盤はファンタジーを思わせるような展開でしたが…これはミステリーなのでは?容赦ない表現もありますが、読みやすくてどんどん引き込まれてしまいます。欲を言えば、主人公以外のエピソードが物足りなかったです。続きを読む

    投稿日:2023.12.17

  • VAT68

    VAT68

    著者の文章表現が一定水準以上であることは分かるのだが、その技術を弄する感がして好意を持てなかった。描きすぎで行間が薄いのが残念だ。

    投稿日:2023.12.12

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