伊豆の踊子

川端康成 / 集英社文庫
(30件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
5
8
10
1
1

ブクログレビュー

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  • yoshidamasakazu

    yoshidamasakazu

    川端康成 「伊豆の踊子」「温泉宿」「十六歳の日記」「死体紹介人」ほか 短編集。驚きの連続だった。

    荒木飛呂彦の表紙イラスト以上に、川端康成の孤児根性や死者への執着 に驚く。「伊豆の踊子」が映画のイメージと違うことに驚く。あまりにグロテスクな「死体紹介人」に驚く。

    「十六歳の日記」あとがきの記述が 川端康成 理解のヒントになった。「家とか家庭とかの観念は私の頭から追い払われ、放浪の夢ばかり見る〜死者の叡智と慈愛を信じている」

    「伊豆の踊子」自分の孤児根性に嫌気がさした主人公が 踊り子の少女に癒され、他人の親切を受け入れられるまで を描いた。踊り子に 家や家庭のない自分を見たのだと思う

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    投稿日:2018.09.13

  • こむそーや

    こむそーや

    表題策を含んだ短編集。踊り子がスタンド使ってる表紙という触れ込みに踊らされて購入。
    伊豆の踊り子はエリート学生の主人公が踊り子に見惚れて踊り子達と一緒に旅をする話。身分の差が憚る恋、と一言で言えれば簡単だが、恋に落ちたという自覚の描写もなし。多分そういうことではないのだろう。だからこそ、綺麗な話として読める。踊り子が茶屋のおかみさんや宿の人に蔑まれるが、それが余計に主人公の踊り子に対する庇護心というか、この人を特別に思うのは自分だけだという選民思想的な感情も抱かせる効果があるのだろう。
    個人的なお気に入りは死体案内人。同室だが顔見知りでもなんでもない女の死をきっかけに起こる話。こんな話を思い付く著者の才能を感じる。
    解説でもあるが、醜さの中の美しさを見出だす作者の才能が随所に現れている。文学とはいえ、文章のきれいさと話の面白さによりするすると読める。
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    投稿日:2017.10.25

  • miyaa

    miyaa

    太鼓の音が聞こえなくなるとたまらない気持ちになる主人公を可愛らしいなと思ったり(伊豆の踊子)、なんでこんな風にぶった切るんだろうと不思議に思ったり(招魂祭一景)。

    投稿日:2015.01.12

  • ★RHYE★

    ★RHYE★

    このレビューはネタバレを含みます

    図書館で、荒木先生の絵!と思って勢い余って借りてしまったもの。表題作のみで読了としてしまい、誠に恐縮ですが…

    伊豆の踊子が短編だとは知らなかった。映画化してるんだから、てっきり1冊まるっと伊豆の踊子なのかと思ってた。

    お話の内容は、文学として書き残すほどのものだろうか、とは思うのだけど、これが本人の実体験に基づいて生み出されたものなら納得。

    何よりも、美しい日本語と表現豊かな文章が魅力的。一般の文学もややラノベ化しているような昨今、こういう美しい言葉の作品に触れるとなんだか幸せな気持ちになる。こういう美しい文章を紡ぐ現代作家さん、どなたかご教示ください。。。

    次回は同じくらい有名な、雪国に臨んでみたい。

    --

    20歳の旧制高校生が伊豆の旅で出会った清純な踊子・薫…。多感な青年の淡く純粋な恋ごころを描いて、みずみずしい青春の抒情を漂わせる名作。初期作品集。

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    投稿日:2014.06.01

  • oham

    oham

     完全にわかったかと言われると疑問だけれど、読むたびに掴める量が増えている気はする。
     「伊豆の踊り子」もだけど、「十六歳の日記」と「死体紹介人」の方が記憶に残った。
     違う表紙のを買えばよかったと、少し後悔。続きを読む

    投稿日:2013.08.16

  • PON

    PON

    何者 朝井リョウ 新潮社
    ”就職活動がつらいものだと言われる理由は、ふたつあるように思う。ひとつはもちろん、試験に落ち続けること。…そしてもうひとつは、そんなにたいしたものではない自分は、たいしたもののように話し続けなくてはいけないことだ”

    就職活動をしている大学生達の物語。それ以外の何物でもない。爆発も殺人もこの物語にはない。「就活」という本のタイトルでもいいくらい、大学生が就活に奮闘している様が描かれている。しかし、そこに登場する「学生」は非常に現代的である。まぁ現代の話だから当然だけれど。なによりこの本の醍醐味は「twitter」にある。twitterというツールを通して新しい登場人物の見せ方を表現することに見事に成功している。

    ”自分は就職活動に興味がないちょっと変わった人間です、というアピールをしてる人が出てくる。まるで、興味、関心がないことが優位であるというような話しぶりで「企業に入るのではなく、何者かである個人として生きていく決断をした」という主張をし始める人が出てくる”
    その主張野郎がこの本に出てくる「宮本君」なのだが、この宮本のTwitterでのつぶやきが実に秀逸である。

    「昨日は所属している創造集団「世界のプロローグ」のフリーペーパーを校了したあと、アートディレクターの司さん@XXTSUKASAXXの講演へ。そのあとのアフターパーティーにも。名刺をいただいた。今考えていることを話したら、面白い試みだと褒めていただけた。一歩前進、かな」


    こういうのをどうも「意識の高い学生」と呼ぶらしい。勿論、皮肉で。本当いるんだよなぁこういうヤツ。なんとも言葉にしづらいけれども。

    その彼女である小早川さんってのも同じような感覚の持ち主で、学生のクセに名刺作ったりしている。なんか学生のクセに社会人ぶっているとというか、とにかく鼻につく。主人公の宮本拓人同様、そんな男女をバカにしながら読んだ。

    とはいえ、この主人公も、就職でなかなか内定がもらえないし、友達が内定もらった企業をネットで検索してブラック企業であることに安堵したりしている。

    そして、最後の最後でその宮本の彼女から集中砲火を浴びる。

    ”今の自分がいかにダサくてカッコ悪いかなんて知ってる。海外ボランティアをバカにする大学生も大人が多いことも、学生のくせに名刺なんか持って、って今まで会った大人達が心の中できっと笑ってることもわかってる”
    ””それ以外に、私に残された道なんてないからだよ”
    ”拓人くんはいつも、少し距離を置いたところで私たちの戦いを眺めてる。自分はあんなカッコ悪いことをしなくたっていいはずだって、心のどこかで思ってる”

    自分だって、人のことをどうこう言えた義理ではない。撃沈。この告白を受けて物語を終局へと向かって行く。

    「就職活動」を一切してこなかった自分にとって、そもそもするつもりが一切なかった自分にとって、こういう「意識の高い学生」のような存在がとにかくうざったかった。この先どうしようなんて悩んでハンガリーに一人旅に行った時、「意識の高い学生」に偶然であってしまった。来年からベンチャーで働くだのなんだかんだ言われて就職活動のアドバイスをはじめやがった。放っといてくれよと。こっちはこっちで考えてんだから。いろんな人がいろんなこと考えていろんなことやってるわけだから他人のことについてどうこう言っちゃいけない。あんたはあんたでそれでいいさ。だから俺も俺もいいじゃねえか。

    就職活動についていろいろと想いをめぐらされた一冊だった。

    気になった引用。
    “光太郎は、その事柄に全く関係のない人が「最高の仲間!」とか「みんな大好きありがとう!」とかそういう文面をみたとき、瞬く間に心が冷えていくことをきちんと想像出来る人間だ”

    ”個人の話を大きな話にすり替える”

    ”「就活をしない」と同じ重さの「就活をする」決断を想像できないのは何故だろう?決して、個人として何者かになることを諦めたわけではない。スーツの中身までみんな同じになるわけではない”
    ”「すごい行動だね」とか「自分にはそんなことできない」とか、そういうセリフ
    を欲しているのがよくわかる。だから俺は絶対に言ってやらない
    ”俺は好きな人に好きな人ができる瞬間をみたことがある”
    女の子が飲み会で「こういうの苦手なんだよね」なんてふと内面をのぞかせることがある。主人公もその一見見せた一面に「あれ?この子俺と一緒なのかな?好きになってもいいのかな?」なんて考えてしまうけれど、どんなに優しくしても、姫は姫。もしかしたら、自分と同じ価値観を持っているかもしれないなんて淡く期待するのだがただ大事なのは「そういう一面も持っている」だけで「そういう一面しか持ってない」俺とは違うのだ。

    ”ピエロになれる大人なんだと思った”

    ”ただね、寂しくて悲しいだけなの。だからね、この電話、いつまで経っても終われないの。拓人君が切ってくれないと終われないの”

    結局翻弄されてしまう哀愁。

    ”「グルディスね」と俺は繰り返す。グループディスカッションをグルディスと略した人は、言葉が短くなりさえすればもうなんでもよかったんだろうなと思う”
    小学校の時にコンポタージュを「コンポタ」って略してたヤツいた。

    ”頭の中にあるうちは、いつだって、何だって、傑作なんだよ”
    表現せねば、稼がねば。
    続きを読む

    投稿日:2013.07.10

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