【感想】ヒッコリー・ロードの殺人

アガサ・クリスティー, 高橋豊 / クリスティー文庫
(32件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
3
7
18
2
0
  • 小さな奇妙なことが大きい事件と繋がっていく作品!

    最初は殺人とは無縁そうな奇妙なことを捜索していくと、それが非常に大きなことと繋がっていくというタイプの作品です。
    ミステリーとしては少し無駄にこんがらがり過ぎてる感じもしましたが、いろいろしっかり説明されており、けっこう楽しめました。
    また、登場人物についても最初少し多すぎる感じもしましたが、重要な人物については丁寧に書いており、上手く処理しておりよかったです。
    ポワロの秘書のミス・レモンの意外な姿なども見れる作品ですのでポワロが好きな人は読んでみるといいかなと思います。
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    投稿日:2015.02.05

ブクログレビュー

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  • ゆのまる

    ゆのまる

    スーシェ版ポワロさんに合わせて手に取りました。
    しばらくはドラマのエピソードに先駆けて読むタイトルが決まりそうですが……この次は『ゴルフ場殺人事件』。じゃあいいか笑。そしてその次が『もの言えぬ証人』。おおこれは気になります。

    さて今作は、ポワロさんの優秀な秘書ミス・レモンが仕事上のミスを犯すところから始まります。
    それにしても、ドラマ版ではあんなにチャーミングなミス・レモンですが、原作では「実務的な観点から見れば、彼女は女ではなくて、機械だった――完璧な秘書だった」と表現されているのがちょっと面白い。良い改変だ。

    そんなミス・レモンの気が散ってしまっていたのは、お姉さんの悩み事のせい。
    ということで、彼女が管理を任されている学生寮が今作の舞台となります。
    「学生寮」といっても、暮らしているのは学生だけでなく社会人も。様々な国籍の人物が出てくるので、当時のアメリカやアフリカの人々がどう見られていたかも垣間見られて興味深いです。
    いつものごとく、国籍と専門(職業)と性格を一致させるのに苦労したのですが……今回それより気になったのがポワロさんの口調!
    年配の訳者さんだったので予想はしていましたが、ミス・レモンや学生相手に「あんた」と呼びかけるのはなんだかなんだか〜!ドラマではどんな表現になっているのか、よくチェックしたいと思います。

    そんな引っ掛かりはありつつも、中盤からするするとページを繰る手が進んでしまうのはやっぱりいつものクリスティー。
    「いかにも怪しい人物はシロ」「いかにも怪しい人物がクロ」、両方のパターンがありますがさて今作は。私は裏をかいて見破れませんでした笑。
    たくさんの人物が出てきますが、読み終える頃にはすっかり認識できるのがクリスティー作品のすごさですよね。アキボンボ、いいひとだなぁ。
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    投稿日:2024.03.13

  • あくら

    あくら

    ロンドンの学生寮で起こる盗難騒動。
    盗まれたものは靴の片方、電球、聴診器、リュックサックといった他愛のないものばかりで、まるで一貫性がない。
    個性豊かな寮生達の言動も怪しく、そのうちの一人は謎の死を遂げる。
    この二つの出来事の繋がりに気づけるかどうか。
    それが事件解決の鍵だった。
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    投稿日:2023.12.25

  • クーコ

    クーコ

    学生寮で起こる盗難事件。そこから起こった連続殺人事件。盗難事件と殺人事件は繋がっているのか。学生の名前が誰が誰だか分からんくなる!!

    投稿日:2023.08.07

  • JINTA(じんた)

    JINTA(じんた)

    ロンドンの学生寮で謎の盗難事件が起こる。それはほんの些細なことだと思われたが、ポアロは違った。そして事件が起き・・・。一見わけのわからない盗難事件から推理を進めるポアロに心踊らされた。クリスティの隠れた名作。続きを読む

    投稿日:2023.08.04

  • オズ

    オズ

    このレビューはネタバレを含みます

     クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。
     ポアロの周辺も優秀な人材で固められているが、ミス・レモンが三箇所も手紙を間違えるのは確かに衝撃だ(笑)(昔の作品の個人描写は辛辣だなぁとつくづく思う)
    とある学生寮で不思議な盗難事件が起こる。靴の片方が盗まれたり、リュックサックがズタズタに切り裂かれたり、家中の電球が盗まれたり。一見、何の脈絡もない盗難事件であり、しかしそれによりミス・レモンの姉ハバート夫人は大変に困り、ミス・レモンのミスに繋がる。ポアロは盗まれたリストに興味を持ち、謎を解決するためにヒッコリー・ロードにある学生寮を訪ね、講義をする名目で調査を開始する。
     物語序盤は一体この不思議な盗難事件がどの様に広がって行くのか楽しみで、原因を追及する事により何が起こるかを期待していた。学生寮は特殊な設定で、多種多様な人種の学生が在籍しており出身国もバラバラ、人数も多く、クリスティ作品で過去一にわかりにくい作品だった(登場人物一覧で見ても基本学生の為似たり寄ったりの状態で名前での見分けも難しかった。)
    そんな中で女学生が殺害され、警察の捜査の合間に第二、第三の殺人が発生していく。
     背後にあるのはとある密輸事件であり、密輸事件を紐解いていく事により学生寮で起きた奇妙な盗難事件の真相も見えてくる。 
     残念ながら犯人の意外性という面においてのインパクトは小さかった。冒頭に提示した様に人物描写がこんがらがってしまい、犯人が明かされた際に単純に驚く事が出来なかった。
     ネタバレになるが、二人組の犯人だが、男性の方はバックボーンがしっかりしており、父親が母親を殺害し、それに反発し名前も変え家族との関わりを絶っていると語っているが実際は学生の彼が母親を殺害しており・・・という裏切りは今作にある程度深みを出していたが、女性の方があまり特徴的では無くピンと来なかった。
     読み逃したのかも知れないが、一部盗難事件で説明がない部分もあり、更には第二の被害者がバーで犯人と遭遇した際の話し方が余りにも他人行儀な話し方だった事もあり(自身の寮に住む学生にあの様な対応をする性格ではない様におもうが。)後半から更なる展開があるかも知れないと期待したが、ドンデン返しは無くそのまま丁寧に警察の捜査と並行して起結したイメージだ。他のクリスティ作品と比べると濃厚さは少なく感じてしまう。
     終始、殺人についてはフーダニットがテーマであり殺害方法等に特殊性はない。今作最大の魅力であった学生寮での不思議な盗難事件もきちんと決着はしているが驚きは小さい。もう少し読みやすさがあればと思う反面、原作で読めない、外国人の名称に馴染みがない部分はしかたのない事だ。

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    投稿日:2023.08.04

  • タカツテム

    タカツテム

    学生寮で頻発する失せ物という重大事と感じるのも難しいトラブル
    一見すると何か法則性が存在するかも想像できない失せ物リスト。それを丁寧に紐解いていく事で見えてくる犯人やそれ以外の者達の思惑
    探偵エルキュール・ポアロが関わった事から事態が意外な展開を見せる流れはアガサ・クリスティーの巧みさを感じるね

    また、本作の特徴を上げるとすれば、事件に関わる者達が殆ど学生という点。それによりクリスティー作品に多い遺産や金品を巡る争いではなく、もっと単純で若々しい若者の感性が前面に出た人間関係が事件を複雑にしているね
    ただ、まあ、事件の要素を紐解いていけば最終的に別の顔を見せるのだけどね
    いや、本当に学生寮の問題というスタートから意外な着地点へ至ったと感じられる終盤だったよ


    一つだけ、難点というか困った点を上げるとすれば、最後まで誰が誰だか判別が付かなかった事だろうか……
    ドラマ版を見てればもう少しイメージを固めた上で読めたのかな…?
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    投稿日:2023.04.27

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