【感想】新訳 ハムレット

シェイクスピア, 河合祥一郎 / 角川文庫
(31件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • のりお

    のりお

    戯曲というものを初めて読んだが、とても勢いが感じられて、面白く一気読みしてしまった。リズムを感じやすいように段をずらしてあったり、文の翻訳自体も相当こだわってあって、シェイクスピアの表現、比喩の美しさが感じられた。狂気とも言えるほどの憎しみあい、復讐心に面白さがあり、現代まで読み継がれてきた一つの理由なのだと思った。続きを読む

    投稿日:2024.01.13

  • よし

    よし

    読むためではなく、聞くために書かれたハムレット。ハムレットの台詞の歯切れの良さが気持ちいい。

    ハムレットの葛藤は、自殺を実行できない人と同じ苦しみではないか。
    私は読んでいてそう思いました。

    オイディプス王は構造的、ハムレットはより内面的。
    続きを読む

    投稿日:2022.01.05

  • ゆう

    ゆう

    少年隊のMASKを観、堂本光一さんのENDLESS SHOCKを観た後、有名な所しか知らないな、と買いました。ハムレットがデンマーク王子だというのも初めて知りました。
    劇中劇の台詞がテンポよく7・5になっているのがすごい!と思ってたら、あとがきを読んで納得。これはぜひ舞台を観てみたかったです続きを読む

    投稿日:2021.11.05

  • Pompeii

    Pompeii

    2021/2/16

    ハムレットが父殺しの復讐に逡巡することを予見するかのように、劇前半にはどっちつかずのセリフが散りばめられている。

    例えば…
    「片目に笑みを輝かせ、片目に涙を濡らし、葬儀には陽気な調べを、婚礼には挽歌を奏で、嬉しさと悲しさを等しく秤にかけつつ、妻に迎えたのだ。」

    「葬儀用に焼いたパイが、冷めたらそのまま婚礼の食卓を飾るのだ。」

    「何かよからぬことがあるぞ。夜が待ち遠しい。」

    「美しいが、すぐ萎む。」

    「天の霊気か、地獄の毒気か、() 祟りか、救いか。」

    などなど。

    ところが、クローディアスを殺すことを思い止まった後は、この二項対立が解消する。ハムレットの意思が固まったことを暗示しているのか。ここは情動>理性からその逆に転換し、自身の狂気を客観視し始めたのか。

    彼は復讐という大きな大義ができたことで英雄ヘラクレスの運命を辿ろうとするが、復讐失敗後はその厳しさを思い知らされてからは人間の限界、無常観に至る。アレクサンドロス大王も臭気を放つ骨になるのが関の山だ。この考えは極めて理性的。

    このように二項対立の要素は多々あるが、『ハムレット』を貫く最も大きなテーマは情動と理性だと思う。悲劇は人間の本質を映すと言われるが、その本質たる情動と理性の絶え間ない動きを示してくれる意味において『ハムレット』は普遍的な悲劇だという所以がよくわかる。
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    投稿日:2021.02.16

  • ブル本

    ブル本

    人生初のシェイクスピア
    古典はどうも苦手意識があったけど
    こちらの角川文庫新訳はとても読み易く
    そして、シェイクスピア、面白い!!!
    他も読みたくなった

    訳者あとがき
    野村萬斎氏が主演する「ハムレット」公演のために、萬斎氏より委託されて訳し下ろしたもの

    第四独白
    To be,or not to be
    生きるべきか、死ぬべきか、それか問題だ。

    ───死んだら夢は見ないと思う

    優れた人物が耐え忍ぶ
    くだらぬ奴らの言いたい放題

    ───人間って、遥か昔からそうなのね…

    戯曲
    演劇の上演のために執筆された脚本や、上演台本のかたちで執筆された文学作品。 戯曲を書く者のことを劇作家と呼ぶ。
    続きを読む

    投稿日:2020.10.27

  • Yu Kino

    Yu Kino

    こういう終わり方はあんまり好きじゃないなぁ。
    ハッピーエンドなヴェニスの商人がなんだかんだ好きだった。
    ハムレットは優柔不断か?いや、そんなことはない、これが優柔不断なら、誰だって優柔不断なんだ。とても普通なんだ。そして、ハムレットには、ハムレットを唆す女性の姿がなかった。妻の後押しさえなければ、マクベスだってハムレットのように思いとどまっただろう。あったのは、亡霊という頼りない存在だけだ。
    (このあたりの感想は今日の感覚で女性蔑視ととらず、当時の時代背景を前提にしている。そういう意味ではシェイクスピアには女性への偏見が多分に含まれている。でも、それはそういう時代の価値観なので、今日の価値観で否定するのは正しくない、という当たり前のことを前提に。)
    若くまだ何も得てないハムレット、成熟しまさに昇り詰めようとしているマクベス、老いて全てを得ていたリア王、と、それぞれの世代ごとになっているのも面白い。
    そのうえで、この一番ダラダラしてるとも言える作品が、最も代表的な作品のひとつという評価を得ているのも面白い。
    生きるべきか死ぬべきか、なんて、カミュのシーシュポスの神話の冒頭みたいだ。そしてカミュが反抗的人間でいう躊躇い、それもハムレットにある。いざ、ことをなそうとしたそのとき、祈る姿をみておこした躊躇いの気持ちは、ハムレット本人の言い訳よりも、カミュの躊躇いのほうがよく説明できる。
    ママンが死んだ、じゃなくて、パパが死んだ、から始まり、躊躇う暇がないときにやっとことを成就する。まるで太陽のせいだ。

    ・人は、微笑んで、微笑んで、しかも悪党たりうる

    ・誰だって分相応に扱われたら、みな鞭打ちの刑を免れない

    ・生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。
    どちらが気高い心にふさわしいのか。

    ・考えなどというものは、四分の一は知恵かもしれぬが、四分の三は臆病にすぎぬ

    ・人生など一つと数えるあいだのことだからな
    続きを読む

    投稿日:2019.11.06

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