【感想】巷説百物語

京極夏彦 / 角川文庫
(241件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
73
99
44
7
1
  • 素晴らしき御行渡世!第一弾

    札売り御行稼業の又市が小悪党仲間達と依頼を受けて色んな事件を四方丸く収めるというお話。
    その収め方が妖怪の仕業に見せかける仕掛けで、
    その仕掛けや依頼の全貌が最後に明かされるという形なので、
    ミステリーの様でもあり仕事人的な痛快時代劇でもありと読み応えのある作品ですね。
    短編なので非常にテンポもよく、小悪党仲間もいいキャラ揃いです。

    実は紙の本で全作読了済ですが電子版を再購入したので読み直しました。
    何度読んでも面白い!おすすめですよ^^
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    投稿日:2015.07.14

  • むしろ『妖怪なんていない!』な妖怪の物語

    江戸時代が背景のミステリ。
    てっきり妖怪やら魑魅魍魎やらが跋扈する妖しげな世界観の物語と思い込んでいましたが、実は180度真逆。
    物の怪の仕業と噂をされる難事件怪事件を、全て人の業が起こしたものであることを解き明かしていく様の物語でした。
    京極作品は初めてでしたが、一見取っ付きにくそうな文章も実はテンポも良くするすると頭に入ってきて読み易い。
    作者の博識も垣間見える。
    成程愛好家が多いというのも頷けます。
    ただキャラもストーリーも先が気になるという程ではなかったような。
    世界観に浸るのが目的の物語という感じでしょうか。
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    投稿日:2015.02.08

  • 必殺…です!

    妖怪になぞらえて、晴らせぬ恨みや厄介事を金で請け負い解決する。小悪党たちの物語。
    必殺…ですね。主な登場人物は小股潜りの又市、考物の百介、山猫廻しのおぎん、事触れの治平。ある仕掛けに巻き込まれるようにして又市達に関わるようになった百介の目を通して、その仕掛けの内容は語られるのですが、どの話も短編なので仕掛けから結末までのスパンが短く、大変にテンポが良い。そういう面では百鬼夜行シリーズよりも読みやすいかもしれません。
    個人的には『芝右衛門狸』が面白く、『帷子辻』は哀しかったです。
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    投稿日:2014.11.24

  • シリーズ1作目。

    又市が出てくるものとしては二作目。京極が好きでも回りくどい言い回しに飽きてきたなら巷説シリーズを。

    投稿日:2013.10.06

ブクログレビュー

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  • シラクーザ

    シラクーザ

    やはり、良いよねぇ。
    又さんかっこいい。

    読み返すのは
    “小豆洗い”
    「この先はおやめなせぇ」

    江戸っ子訛りがうつりそうです。
    あんなにかっこよく話せたら気持ちよいでしょう。

    今年、最終巻が出ます。

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    投稿日:2024.04.15

  • 明烏

    明烏

    このレビューはネタバレを含みます

    巷説百物語シリーズの始まり、やはり御大は面白い…。

    『妖怪の宴 妖怪の匣』とかで顕著なんだけど、御大は妖怪の存在自体を信じてはいない。いない側の立ち位置なんだけど、いないのに巷説で語られてきたことにむしろ強く興味を持っている(もちろん、神秘否定というわけではなく、道理が成り立たないからいないとしているに過ぎないのが御大の面白い部分なんだけど)。
    つまり妖怪が成り立つ理屈というか、何故そんなものが受け入れられたのか?ということに主題がある。

    だから本書は一貫して”妖怪の実在を肯定していない”。けれど、妖怪の仕業とした方が収まりが良いように構成されている。芝右衛門狸なんて特にそうだし、柳女は加害者がその仕組みを利用した形だな。
    冥界も妖怪も無いけれど、それを突き詰めていけば破滅しかない。
    兎角渡世は生き辛く、故に妖怪/冥界(ブラックボックス)が必要とされる。説明されないことが救いになることもあるってことだな。

    御大の妖怪観に馴染んでいると3倍くらい楽しい。思わずシリーズ全館買ってしまった。オススメです

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.06.22

  • azuki1062

    azuki1062

    一見、不可解な事件を、小悪党の御行一味があやかしに見立てて鮮やかに決着させる。変幻自在な語り口で物語を紡ぐ著者の筆が冴え渡っています。

     江戸時代末期の天保年間。怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。御行姿の男・小股潜りの又市、垢抜けた女・山猫廻しのおぎん、初老の商人・事触れの治平、そして、何やら顔色の悪い僧・円海。長雨の一夜を、江戸で流行りの百物語で明かすことになったのだが…。闇に葬られる事件の決着を金で請け負う御行一味。その裏世界に、百介は足を踏み入れていく…。

     「小豆洗い/白蔵主/舞首/芝右衛門狸/塩の長司/柳女/帷子辻」の七編から成る時代小説。血腥い事件とあやかしを結び付けて着地させるだけでも凄いのですが、そこから妄執や情念、果ては人間の業まで立ち昇らせる著者の手腕に唸らせられっぱなしです。また、怪談とは言っても、単なる絵空事ではなく、それを生み出す人間の想像力を介して現実を映し出している作品でもあります。「必殺仕事人」を彷彿とさせるキャラ立ちした登場人物たちの手際の良さも堪能でき、シリーズ化も納得の著者渾身の一作です。
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    投稿日:2023.06.15

  • kazubook21613

    kazubook21613

    再読。

    改めて巷説百物語シリーズを「遠巷説百物語」まで揃えたので、第一巻の本作から読み始める。

    物怪話しにからめて、世の悪人悪事をバッサバッサと切っていくその手際がまことに鮮やか。又一はじめおぎん、治平がなんとも魅力的で引き込まれる。
    どういうふうに落とし前をつけるのだろうという話もあるが、又一達に絡め取られる悪人とおなじように、自分も見事に絡め取られて話の落とし所に納得してしまう。

    切ない話も多いのだが基本的に悪事は裁かれるので読後感は悪くない。
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    投稿日:2023.06.04

  • moboyokohama

    moboyokohama

    今まで避けていた作家、京極夏彦さん。
    そのわけは、
    どの作品も分厚いから。
    分厚い本や段組が多い本、文字の小さい本は嫌い。
    それなのに今回手に取って読んで見たわけは、又吉さんの「第二図書館係補佐」の中で紹介されていて面白そうに思えたから。
    結果、読んでよかったと思いました。
    世に広まっている怪談に沿って犯罪を暴いていくそのストーリーの手の込んだところには感嘆せざるを得なかった。
    最終章「帷子辻」にあっては生と死に対する思想とも言える内容でとても重く響いた。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.24

  • りんご

    りんご

    何度でも読み返したい。学生時代、時間を忘れて読み耽った青春の一冊です。巷説百物語シリーズがここから始まります。

    投稿日:2023.01.05

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